中帽
中帽(なかぼう、Liner,Ground Troops' Helmet)は、防衛省・自衛隊で使用されているヘルメット(ヘルメットライナー)。1形(中帽,1形)と2形(中帽,2形)がある。
通称「ライナー」、「ちゅうぼう」。
概要
66式鉄帽(標準型鉄帽)の制式に伴い、1966年に「中帽,1形」の調達が開始された。帽体、着装体、あごひもから構成されている。 従来のM1ヘルメット用のライナーと違い帽体は樹脂製(ポリカーボネート樹脂)で、内装(ハンモック、ヘッドバンド)の形状がより日本人の頭部に適合するようになっている。
88式鉄帽の制式により中帽の本来の役割は失われたが、軽作業用ヘルメット(安全帽)として使われ続け、現在は後継の「中帽,2形」が調達されている。
仕様
1形
2形の採用に伴い、1形の名称が付された。帽体の色はOD色(色番号2314)。ヘッドバンドは滑り皮(合成皮革)製で、あごひもは牛革製である。標準型鉄帽(外帽)の下に被る場合は中帽あごひもを鉄帽のひさし部に架けて固定する。後頭部当てが布製で交換不能であったため、劣化(疲労)すると著しく安定性が低下する問題があった。 現在も教育隊用などに調達が行われている。
2形
帽体の色は灰色(色番号3704)。着装体(内装)、あごひもの形状と素材などが改められた。ヘッドバンドは合成樹脂と滑り皮製、あごひもはポリプロピレン製である。 内装形状の改良によって1形にくらべ非常に高い安定性、適合性を得た。
帽体は1形と同一規格である為、標準型鉄帽(66式鉄帽)にも着装可能である。
調達
鉄帽(外帽)と違い、調達は複数社からの入札により行われている。ひさし部に納入年度と製造業者の略号(又は記号)が記入(刻印)されている。
規格
- JIS L 1096 一般織物試験方法
- JIS L 2512 ビニロン縫糸
- JIS T 8131 産業用安全帽
- JIS Z 1527 ポリプロピレン製バンド
- JIS Z 8741 表面光沢度-測定方法
- NDS Z 8201 標準色