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ポリカーボネート

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ポリカーボネート製ボトル
温室のポリカーボネートシート
F-22のコックピットのキャノピー
実験用安全ゴーグル

ポリカーボネート: polycarbonate)は、熱可塑性プラスチックの一種。化合物名字訳基準に則った呼称はポリカルボナート。様々な製品の材料として利用されている。モノマー単位同士の接合部は、すべてカーボネート基 (-O-(C=O)-O-) で構成されるため、この名が付けられた。ポリカPCと省略されることもある。また、アクリル樹脂などと共に有機ガラスとも呼ばれる。ドイツバイエル社が開発した。

物性

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  • 密度:1.20 g/cm3
  • 可用温度: −100 ℃ to +180 ℃
  • 融点:約250 ℃
  • 屈折率: 1.585 ± 0.001
  • 光透過率:90% ± 1%
  • 熱伝導率:0.19 W/mK

製法

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ビスフェノールAとホスゲンからのポリカーボネートの生成

ビスフェノールAホスゲン(塩化カルボニル)、もしくはジフェニルカーボネートを原料として生産される。ホスゲンを用いる場合は、界面重縮合ポリマー化される。また、ジフェニルカーボネートを用いる場合は、エステル交換による重合で合成される。

日本では、三菱ガス化学1971年に量産化している。鹿島工場(茨城県神栖市)で年間12万トン、タイ工場で14万トン、上海工場で8万トンの生産能力を持ち、国内トップシェアである[1][いつ?]

特徴

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利点

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透明性・耐衝撃性耐熱性難燃性寸法安定性などにおいて、高い物性を示す。耐衝撃性は一般的なガラスの250倍以上といわれる[2]

エンジニアリングプラスチックの中でも平均して高い物性を示す樹脂であり、かつ透明性をもつために光学用途にも使用でき、その物性に比べて安価であり、航空機自動車など輸送機器、電気・電子光学・医療機器、防弾ガラスの材料などに広く用いられている。機械的強度も優れているので力のかかるプラスチックねじで最も多く使われている材料である。

サンスター文具は本材料で作った筆入れ「アーム筆入れ」の頑丈さを、「が踏んでも壊れない」というキャッチコピーのテレビCMでアピールした。採用契機は、開発担当者が「ニュース映画で見た『暴走族信号機に投石しているにもかかわらず、信号機のレンズが割れなかったこと』に驚き、警察に問い合わせて材質を聞いた」ことにあったという[3]

欠点

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  • 薬品耐久性はあまりよいとは言えない。特にアルカリ剤、溶剤では劣化する。接着剤などの使用ができない。
  • エステル結合を持つため、高温高湿度の環境下では加水分解する。
  • 紫外線で劣化する。[4] 例えば自動車の前照灯は年月とともに紫外線の影響でポリカーボネートレンズ透過率が落ち照度が低下して保安基準を満たさなくなることがある。放置すれば車検不合格となり自動車が使用できなくなる。
  • 引張強度を超える力をかけると、白化して透明度が著しく低下する。
  • 表面の硬度は高くなく、鉛筆の硬度でHB程度。硬いブラシによる清掃などで容易に傷が付くが[5]、この弱点を解決した加工をほどこした製品もある[6]

製品例

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電機・電子・光学機器

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輸送機器

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その他機器

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雑貨・家庭用品

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武器・防具

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脚注

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関連項目

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外部リンク

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