炭酸エステル
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炭酸エステル(たんさんエステル、carbonate ester)は有機化学における官能基の一種で、炭酸の2つの水素原子をアルキル基で置き換えたものである。 の構造を持つ[1]。
一般に酸性には強いが、塩基性条件下では容易に加水分解を受け、二酸化炭素とアルコールを発生する。
ホスゲンとアルコールの反応で合成するのが一般的である。炭酸ジフェニルとアルコールとのエステル交換反応、一酸化炭素とアルコールの金属触媒による反応なども用いられる。
誘導体
[編集]- 炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチレン(エチレンカルボナート)、炭酸プロピレン(プロピレンカルボナート)は溶剤、電解液などとして利用される[2]。
- ポリカーボネート樹脂は、ビスフェノールAが炭酸エステル結合によって多数連結したものである。ビスフェノールAとホスゲンまたは炭酸ジフェニルとの反応で合成され、耐衝撃性・透明性などを生かして各分野に幅広く応用されている。
- 有機合成分野においては 1,2- および 1,3-ジオールの保護基として利用される。水酸化ナトリウム水溶液などの作用で脱保護できる。