炭酸ジフェニル
表示
炭酸ジフェニル Diphenyl carbonate | |
---|---|
Diphenyl carbonate | |
別称 Phenyl carbonate | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 102-09-0 |
ChemSpider | 7315 |
UNII | YWV401IDYN |
KEGG | C14507 |
| |
| |
特性 | |
化学式 | C13H10O3 |
モル質量 | 214.216 g/mol |
外観 | 白色の結晶ないし粉末[1] |
密度 | 1.1215 g/cm3(87℃) |
融点 |
82℃[1] |
沸点 |
302℃[1] |
水への溶解度 | 難溶(58.2mg/l 25℃)[1] |
溶解度 | エタノール、ジエチルエーテル、四塩化炭素、酢酸に可溶[2] |
危険性 | |
引火点 | 168℃[3] |
発火点 | 620℃[3] |
半数致死量 LD50 | 1500mg/kg(ラット、経口) |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
炭酸ジフェニル(たんさんジフェニル、英: Diphenyl carbonate)は、化学式C13H10O3で表される炭酸エステルの一種。
製法
[編集]水酸化ナトリウムを用いてホスゲンとフェノールを反応させる方法、金属フェノキシドの水溶液にホスゲンを反応させる方法、炭酸ジアルキルとフェノールを反応させるエステル交換法がある。近年ではクロロギ酸フェニル等の不純物・副生成物の発生の軽減や、コンパクトディスク等の原料として、着色されていないことが要求されるなどの理由から、ピリジン系化合物を触媒とする方法[4]や、炭酸ジフェニル高温下で塩基性物質と接触させ蒸留精製する方法[5]が採られる。
用途
[編集]ビスフェノールAとのエステル交換反応により、芳香族ポリカーボネートの製造原料として用いられる。
性質
[編集]常温では白色の結晶ないし粉末で、比較的安定している。多くの有機溶剤に溶けるが、水にはほとんど溶けない。ラットに経口投与した実験での半数致死量(LD50)は1500mg/kgであった[1]。
脚注
[編集]- ^ a b c d e 製品安全データシート(東京化成工業)
- ^ Lide, David R. (1998), Handbook of Chemistry and Physics (87 ed.), Boca Raton, FL: CRC Press, pp. 3–238, ISBN 0849305942
- ^ a b 製品安全データシート(メルク)
- ^ 三菱化学 特開平10-77250(j-platpat)
- ^ 三菱瓦斯化学 特開平8-198816(j-platpat)