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ボストン・レッドソックス
リリーフ転向後、2010年は43試合で防御率2.86、13セーブ、2011年は65試合で防御率2.35、2012年は37試合で防御率1.75と、安定した成績を残してきた上原は、特にK/BBの数値がずば抜けて優秀なこともあり、オフにはMLBの複数球団で争奪戦となった。12月6日、ボストン・レッドソックスと総額425万ドル+出来高の1年契約(2年目は55試合登板で自動更新される年俸425万ドルの球団オプション)で合意したことが報じられ[1]、18日に契約した[2]。本人は決め手を、自分を最も必要としてくれている球団だと感じたこと、そしてクラブハウスにウォシュレットがあることも良かったと語っている。
2013年、2010年以来トレードマークとしていたもみあげをさっぱりと剃りあげた[3]上原は、序盤から好調を維持して、同僚となった田澤純一投手と共にレッドソックスのリリーフ陣を牽引した。4月21日のカンザスシティ・ロイヤルズ戦まで、前年から続く22試合連続無失点を記録[4][5]。5月22日に行われたホワイトソックス戦でのハイタッチシーンは全米でも話題になった[6][7]。6月9日のエンゼルス戦で与死球を記録したが、これがメジャー移籍後、183試合目、打者920人目にして初めての与死球であった[8]。その後、セットアッパーやその前の投手として極めて安定した投球で上原は首脳陣の信頼を得ていたため、クローザーだったハンラハン投手の怪我、ベイリー投手の乱調を機に、6月21日、ファレル監督は上原をクローザーに指名した[9]。6月27日のブルージェイズ戦で日米通算50セーブを挙げた[10]。前半戦は44試合の登板で2勝0敗8セーブ、防御率1.70、WHIP0.76の成績を残し、MLBオールスターゲーム最終投票の候補に選ばれた[11]。レッドソックスは上原の巨大なポスターをフェンウェイに掲げるなどしてPR活動を行ったが、得票数4位で惜しくも自身初となるMLBオールスターゲーム選出を逃した[12]。8月13日のブルージェイズ戦でシーズン55試合目の登板に達し、翌年の契約オプションを更新した[13]。9月5日のヤンキース戦でイチローから三振を奪うなど1イニングを3人で抑えてシーズン18セーブ目を挙げ、これが日本投手通算メジャー400セーブ目の節目となった[14]。9月11日のレイズ戦で1イニングをパーフェクトに抑え4勝目。この試合でメジャーの日本人歴代最長の26試合連続無失点を記録し[15]、34人連続アウトの球団記録を更新[16]。13日も3人で抑えて記録を更新したが、次の17日の登板で3塁打を打たれ、犠飛で失点してシーズン初の負け投手となった。連続アウト37人[17]、連続無失点試合は27試合[18]、連続無失点イニングは30回1/3連続無失点を達成したが、連続アウトは大リーグ史上10番目(救援投手では2番目)に長い記録だった[19][20][21]。20日のブルージェイズ戦で20セーブ目を挙げ、日本人では2001年の佐々木主浩以来の胴上げ投手となった。またこのシーズンはDL入りすることなく73試合に登板したが、これは2004年の大塚晶文と並んで日本人投手として最多タイであった[22]。
ポストシーズンでは、本人が「嫌な相手[23]」と語るタンパベイ・レイズとディビジョンシリーズで対戦。第2戦を三者凡退で閉めてオルティーズに担ぎ上げられる勝利の儀式が始まるが、スイープのかかった第3戦は同点の場面で登板して9回裏2アウトからロバトンにまさかのサヨナラ本塁打を浴びた。(これは佐々木以来二人目[24])しかし翌日は切り替えて、第4戦は1点リードした8回裏2死から登板し、4者連続アウトの完璧なリリーフを見せた。続くリーグチャンピオンシップシリーズでは前年王者デトロイト・タイガースと対戦。第1戦は1点リードされた場面で9回に登板して、先頭打者に打たれる厳しい展開で2人ランナーを貯めるが、遊撃手ドリューの好捕で零点で切り抜けた。第2戦は8回裏のオルティーズの同点満塁ホームランの後に急遽9回表に登板して三者凡退。その裏にチームはサヨナラ勝ちをしたため、上原は初めてポストシーズンで勝利投手となった。第3戦は1点を守る好ゲームで8回裏2死一、三塁の場面を田澤から引き継いで、強打者プリンス・フィルダーを3球三振。9回も三者凡退に抑えて再び4者連続アウトの完璧なリリーフを見せた。第5戦は8回裏1アウトの場面から登板して5者連続アウト。さすがに疲れの色を隠せず、ヒーローインタビューでは「休みたいです」と漏らした[25]。第6戦も9回を無失点に抑えた上原は胴上げ投手となり、シリーズの6試合中5試合に投げ、1勝0敗3セーブ4安打9奪三振無四球無失点という圧倒的数字で、リーグ優勝決定シリーズMVPに選ばれた。これは救援投手としてはマリアノ・リベラ投手以来、MLB史上二人目の快挙だった[26]。
ワールドシリーズでは、セントルイス・カージナルスと対戦。
脚注
- ^ “Koji Uehara to Red Sox”. ESPN. (2012年12月7日) 2012年12月7日閲覧。
- ^ “Red Sox, Uehara make it official with one-year pact”. MLB.com. (2012年12月18日) 2012年12月18日閲覧。
- ^ “上原浩治がもみあげを剃った理由とは?”. 日刊SPA!. (2013年1月22日) 2013年7月10日閲覧。
- ^ 上原 適時打許すも22戦連続無失点日刊スポーツ、2013年4月19日。
- ^ 上原同点弾浴び連続試合無失点ストップ日刊スポーツ、2013年4月22日。
- ^ David Brown (2013年5月23日). “Shane Victorino unprepared for Koji Uehara’s high-powered high five in Boston Red Sox dugout”. Yahoo!Sports 2013年9月10日閲覧。
- ^ “上原の“熱すぎる”ハイタッチが話題に”. サンスポ. (2013年5月24日) 2013年10月6日閲覧。
- ^ 上原が初死球日刊スポーツ、2013年6月11日。
- ^ 上原抑え投手に「やることは変わらない」日刊スポーツ、2013年6月22日。
- ^ 上原、日米50S「ホッとしている」日刊スポーツ、2013年6月29日。
- ^ 上原浩治を球宴へ!投票は日本時間12日午前5時まで日刊SPA!、2013年7月10日。
- ^ 上原球宴落選も「すごく感謝している」日刊スポーツ、2013年7月12日。
- ^ 上原55戦目登板3勝、来季契約勝ち取る日刊スポーツ、2013年8月15日。
- ^ 共同ほか (2013年9月7日). “上原18S!日本投手メジャー通算400S!”. sanspo.com 2013年9月16日閲覧。
- ^ 上原、日本人メジャー最長の26試合連続無失点読売オンライン、2013年9月12日。
- ^ “上原またパーフェクト! 34人連続アウトで球団記録更新”. MLB.jp(GyaO!). (2013年9月12日) 2013年9月16日閲覧。
- ^ 8月17日のヤンキース戦の9回第4打者から9月17日のオリオールズ戦の9回第1打者に打たれるまで
- ^ 7月8日のエンゼルス戦9回2死満塁で登板し、プホルス、ハミルトンにニ連打、ケンドリックを打ち取るも悪送球で同点(1失点・自責点なし)にされたが、次の7月9日のマリナーズ戦から9月13日のヤンキース戦まで間、無失点に抑えた。
- ^ “上原37人斬りは大リーグ史上10番目”. nikkansports.com. (2013年9月14日) 2013年9月16日閲覧。
- ^ “上原 連続アウト記録が途切れる/詳細”. nikkansports.com. (2013年9月14日) 2013年9月16日閲覧。
- ^ MLBの記録は、救援投手では41人連続アウトで、先発投手では45人連続アウト。上原はあと5人連続アウトに取っていれば新記録だった。
- ^ “上原優勝、佐々木以来の日本人胴上げ投手”. nikkansports.com. (2013年9月22日) 2013年10月22日閲覧。
- ^ “相手が...” (2013年10月3日). 2013年10月23日閲覧。
- ^ “上原39試合ぶり被弾がサヨナラ本塁打”. nikkansports.com. (2013年10月9日) 2013年10月23日閲覧。
- ^ “上原「休みたい」 ムネリンにチェスト!”. nikkansports.com. (2013年10月18日) 2013年10月23日閲覧。
- ^ “上原MVP「アクセル踏みっぱなしで」”. nikkansports.com. (2013年10月21日) 2013年10月23日閲覧。