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小塚郁也

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小塚 郁也(こづか いくや、1962年4月4日- )は、日本の国際安全保障研究者。防衛研究所政策研究部主任研究官[1]。専門は、中東地域の国際関係および安全保障

略歴

埼玉県与野市生まれ。神奈川県立厚木高等学校卒業。1986年(昭和61年)早稲田大学政治経済学部政治学科を卒業後、旧東京銀行勤務を経て同大学院政治学研究科修士課程を1991年(平成3年)修了(政治学修士)[2]1992年(平成4年)防衛庁防衛研究所に入所後、中東の安全保障問題に関する研究および教育に従事[3][4]2002年(平成14年)ゴラン高原国際平和協力隊に派遣されシリアの首都ダマスカスに赴任、同年国際平和協力本部長(内閣総理大臣)表彰を受賞[5]2012年防衛大学校総合安全保障研究科後期課程を中退後、現職。2016年9月から、政策研究大学院大学(GRIPS)戦略研究プログラム連携講師として修士課程で教育(非常勤)[6]。サウジアラビアの安全保障、イラン核開発問題に関する専門家である[7][8][9][10]。軍事組織の人事管理や人材の活用についても、その知見を広げている[11]

早稲田大学では故吉村健蔵教授の下で現実主義国際政治学を専攻し、学部時代から中東の安全保障問題を一貫して研究[12][13]1991年湾岸戦争勃発とソ連崩壊による冷戦後国際安全保障システムの激動を契機に、防衛研究所に入所して以来、2001年の9.11アメリカ同時多発テロ事件後のアフガニスタン紛争2003年イラク戦争の際とその後の経過については、NHK等の報道番組への出演、新聞雑誌等を通じて地域情勢や安全保障環境を解説[14][15][16]。以後外務省や経済産業省からの委託研究プロジェクトや教育に複数参加、国内外の講演等でリアリズムに依拠した自説を展開している[17][18][19]

主張

  • イラク戦争の際には、小塚は短期間での米軍の勝利と首都バグダードの陥落を主要メディアで主張した。だが、その後のイラクの政治および治安の長期的混乱を予想しておらず[20][21]、自衛隊の派遣についても自己の海外派遣の経験と日米同盟強化の観点から、『朝雲』に留保付きで肯定的な見解を述べた(第156回国会、参議院外交防衛委員会第17号、平成15年7月17日参照)[22]
  • 現在ではイラク戦争に関する自己の甘い見通しの反省により、単なる領域国民国家の安全保障を前提としたリアリズムやリベラル制度主義を脱却して、小塚は宗派部族民族に依拠する「コミュニティ」の安全保障こそが中東安定化に必要であるとの見解に立っている[23][24][25][26]
  • したがって、第一次世界大戦中の1916年に秘密協定として締結されたサイクス・ピコ協定以後英仏両国によって創設され、第二次世界大戦後アメリカによって引き継がれた領域国民国家に基づく中東安保体制は、IS(イスラーム国)台頭とアメリカの撤退によって既に崩壊過程に入っていると小塚は考えている。そのため、イラクシリアは領域主権国家としては存続できず、最終的にはクルド人自治区を含む3つ、ないし4つの地域に分断されると予想する(「複合的危機に陥った中東の安全保障環境」ブリーフィング・メモ、NIDS NEWS2016年6月号)[27][28]

人物

  • 厚木高校では1年生の時に、小塚は個性派俳優として活躍している六角精児(ろっかく せいじ)と同級生であった。また、光文社の女性向け月刊ファッション雑誌VERY副編集長の米山淳(よねやま あつし)とも同級生であり、米山と小塚の2人は学年でも有名な読書家であった(同級生談)。
  • 早稲田大学政経学部在学中、小塚は大学公認サークルであった民族舞踊(現フォークダンス)研究会[29]に4年間所属。主にバルカン半島のフォークダンスを、日本女子大学フォークダンス研究会と踊っていた[30]
  • 早稲田大学卒業後、小塚は当時学生に人気のあった外国為替専門銀行の東京銀行に入行した。だが、庶民出身である自分には職場の体質が全く合わないと考え直して、たった2年銀行に勤めただけであっさり退職し母校の大学院に戻った。その結果、大学院修了後の再就職に大苦労した。
  • 持論であるコミュニティ再生のために、小塚はボランティアでの社会貢献活動を行っている[31]
  • 関連する人物

    所属する学会

    出典・脚注

    1. ^ 研究者紹介”. 防衛省防衛研究所. 2017年1月19日閲覧。
    2. ^ 研究者紹介”. 防衛省防衛研究所. 2017年1月19日閲覧。
    3. ^ https://www.facebook.com/profile.php?id=100009644281324
    4. ^ http://www.jfkc.jp/ja/news/2014/04/nids-national-institute-for-defense-studies-1.html
    5. ^ 研究者紹介”. 防衛省防衛研究所. 2017年1月19日閲覧。
    6. ^ http://www.grips.ac.jp/research/directory-3/faculty_atoz/
    7. ^ https://www.nippyo.co.jp/shop/book/2676.html
    8. ^ http://japanarab.jp/arab/arab_153.html
    9. ^ http://www.nids.mod.go.jp/publication/briefing/pdf/2007/briefing68.pdf
    10. ^ http://www.nids.mod.go.jp/publication/kiyo/pdf/bulletin_j19_2_6.pdf
    11. ^ http://www.nids.mod.go.jp/publication/kiyo/pdf/bulletin_j9_1_3.pdf
    12. ^ http://www.nids.mod.go.jp/publication/kiyo/pdf/bulletin_j2-2.pdf#page=83
    13. ^ https://www.meij.or.jp/publication/chutoukenkyu/2001_02.html
    14. ^ https://www.fujisan.co.jp/product/1281681066/b/214008/
    15. ^ http://www.kaiken.takushoku-u.ac.jp/journal_all_index.html
    16. ^ 「対イラン高まる緊張 武力衝突 割れる見解」『東京新聞』2012年3月25日。
    17. ^ http://www.naigai-group.co.jp/_2005/12/
    18. ^ http://www2.jiia.or.jp/report/kouenkai/051202_wangan_arab.html
    19. ^ http://www2.kobe-u.ac.jp/~satnaka/mep/mepmember.html
    20. ^ http://www.nids.mod.go.jp/publication/briefing/pdf/2004/200408_1.pdf
    21. ^ http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_1282649_po_bulletin_j7-2-3_5.pdf?contentNo=1&alternativeNo=
    22. ^ http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/156/0059/15607170059017c.html
    23. ^ https://www.fujisan.co.jp/product/1281681066/b/262361/
    24. ^ http://tachibanashobo.co.jp/products/detail.php?product_id=3285
    25. ^ http://tachibanashobo.co.jp/products/detail.php?product_id=3388
    26. ^ http://www.nids.mod.go.jp/topics/topic/index.html#topic-171115
    27. ^ http://www.nids.mod.go.jp/publication/briefing/pdf/2016/201606.pdf
    28. ^ https://ci.nii.ac.jp/naid/40019713513
    29. ^ http://wjwufdc.web.fc2.com/info/info.html
    30. ^ 1985年夏合宿写真(最後列中央)http://www.geocities.jp/mazurka_k/level_1985/85_summer_camp.jpg
    31. ^ http://salam2.webnode.jp/
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