相鉄12000系電車
相鉄12000系電車 | |
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緑園都市駅に入線する12000系 | |
基本情報 | |
運用者 | 相模鉄道 |
製造所 | 総合車両製作所横浜事業所 |
製造年 | 2018年 - |
製造数 | 60両(2020年4月1日現在)[1] |
運用開始 | 2019年4月20日 |
主要諸元 | |
編成 | 10両編成 |
軌間 | 1,067 mm(狭軌) |
電気方式 |
直流1,500 V (架空電車線方式) |
設計最高速度 | 120 km/h |
起動加速度 | 3.0、2.5 km/h/s(切替式) |
減速度(常用) | 5.0 km/h/s |
減速度(非常) | 5.0 km/h/s |
編成定員 | 1,441人 |
自重 |
先頭車 31.3 - 31.6 t 付随車 29.7 - 30.3 t 電動車 31.1 - 34.0 t |
全長 | 20,000 mm |
車体長 |
19,620 mm(先頭車) 19,500 mm(中間車) |
全幅 | 2,998 mm |
車体幅 | 2,950 mm |
全高 | 4016.5 mm |
車体高 | 3,620 mm |
車体 |
オールステンレス製(sustina) (※先頭部のみ普通鋼製[2]) |
台車 | 軸梁式ボルスタレス台車 (ST-DT71A-1, ST-DT71B-1, ST-TR255-1, ST-TR255A-1) |
主電動機 | 三相かご型誘導電動機 (ST-MT75) |
主電動機出力 | 140 kW |
駆動方式 | TD継手式平行カルダン駆動方式 |
歯車比 | 1:6.06 |
制御方式 | IGBT素子VVVFインバータ制御 |
制動装置 | 回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ(応荷重装置付き)直通予備ブレーキ 耐雪ブレーキ 抑速ブレーキ |
保安装置 | ATS-P、ATACS |
相鉄12000系電車(そうてつ12000けいでんしゃ)は、2019年(平成31年)4月20日に営業運転を開始した相模鉄道(相鉄)の通勤型電車。
概要
本線及びいずみ野線に加え、2019年(令和元年)11月30日開業の相鉄新横浜線の一部区間(西谷駅 - 羽沢横浜国大駅間)及びその先のJR直通線での運用を想定し投入された。同年度末[注 1]までに全6編成[注 2]が製造されている[5][6]。
直通先が埼京線となるため、車両の仕様はJR東日本E235系電車と極力合わせられているが、11000系と基本仕様は同一である[7]。
一方で外観や内装には20000系と同じく独自の特徴も多く見られる。相鉄デザインブランドアッププロジェクトの一環として開発コンセプトに「安全×安心×エレガント」を掲げており、デザイン設計は20000系に引き続き、株式会社PRODUCT DESIGN CENTER(代表:鈴木啓太)が手がけている[5][8]。本系列車両は、相鉄の車両では2016年の「9000系リニューアル車両」、2018年の「20000系」に続き3例目となるグッドデザイン賞(2019年度)を受賞した[9][10]。
また、車両の製造は総合車両製作所が行っており、第1編成は2018年(平成30年)12月18日に同事業所の回送線から搬出された後、逗子駅より甲種輸送が行われ[11]、3日後の同月21日には全車両がかしわ台車両センターに到着した[12][13]。
その後、2019年(平成31年)4月13日に相模大塚駅構内で撮影会、翌14日に一般公募による試乗会が開催され[14]、同月20日には海老名駅10時53分発の急行横浜行きより営業運転が開始された[15]。
編成構成
この節の加筆が望まれています。 |
号車 | 1 | 2 | <3 | 4 | <5> | 6 | 7 | 8 | <9 | 10 |
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形式 | クハ12100 (Tc2) |
モハ12200 (M6) |
モハ12300 (M5) |
モハ12400 (M4) |
モハ12500 (M3) |
サハ12600 (T2) |
サハ12700 (T1) |
モハ12800 (M2) |
モハ12900 (M1) |
クハ12000 (Tc1) |
搭載機器 | SB | CP | VVVF | SIV/CP | VVVF | SIV/CP | VVVF | SB | ||
備考 | 弱冷房車 |
女性専用車 | ||||||||
重量 | 31.6 | 31.1 | 33.1 | 34.0 | 34.0 | 29.7 | 30.3 | 34.0 | 33.4 | 31.3 |
座席定員 | 39 | 51 | 51 | 51 | 51 | 51 | 51 | 51 | 51 | 39 |
定員 | 140 | 159 | 159 | 159 | 159 | 159 | 159 | 159 | 159 | 140 |
12101×10 | 12101 | 12201 | 12301 | 12401 | 12501 | 12601 | 12701 | 12801 | 12901 | 12001 |
12102×10 | 12102 | 12202 | 12302 | 12402 | 12502 | 12602 | 12702 | 12802 | 12902 | 12002 |
12103×10 | 12103 | 12203 | 12303 | 12403 | 12503 | 12603 | 12703 | 12803 | 12903 | 12003 |
12104×10 | 12104 | 12204 | 12304 | 12404 | 12504 | 12604 | 12704 | 12804 | 12904 | 12004 |
12105×10 | 12105 | 12205 | 12305 | 12405 | 12505 | 12605 | 12705 | 12805 | 12905 | 12005 |
12106×10 | 12106 | 12206 | 12306 | 12406 | 12506 | 12606 | 12706 | 12806 | 12906 | 12006 |
- 凡例
- 備考
- 編成表記は、「横浜方先頭車の番号×両数」とした(例:第1編成は「12101×10」)。
- 本系列では、番台区分は20000系と同様に、末尾の二桁の数字が編成を表し、下三桁目は、1 - 9号車にはその号車の数字が、10号車には "0" が割り当てられている(後者は11000系とは異なる)。
- 例えば、最初の編成は横浜方から12101、12201、…、12901、12001と付番される。
運用
同形式限定の運用(運行番号71 - 74)で、相鉄線内は特急、急行、快速、各停の種別に使用される。直通運用に使用するのは4編成であるため、予備となる2編成については直通しない10両編成及び8両編成の運用を代走することがある。直通しない10両編成に代走する場合、通勤特急(通特)、通勤急行(通急)の種別に使用されることもある。
なお、2019年11月30日からは、相鉄新横浜線を経由して、JR東日本埼京線の新宿駅まで直通しているが、埼京線の池袋駅以北及び川越線への乗り入れは、(保安装置上の問題はないが)通常は行わない[18]。試運転では品川駅や東海道貨物線経由で根府川駅、川越車両センターなどにも乗り入れた[19]。さらに同年9月2日には、新宿駅へも初めて乗り入れている[20]。
-
鶴ヶ峰駅を通過する12101×10(2019年5月5日)
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天王町駅を通過する12101×10(2019年4月29日)
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西谷駅で10000系の各駅停車大和行きと並ぶ、12000系の快速横浜行き(2019年12月15日)
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品川駅に入線する12103×10(2019年8月22日)
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猪久保トンネルを抜けて、根府川駅に向かう12104×10(2019年9月4日)
車両トラブル
2020年6月6日(土)8時38分頃に瀬谷駅で大和始発の各停横浜行きとして運用されていた12105×10が車掌が開閉操作したドアと反対側のドアが同時に誤って開くトラブルが発生した。原因として、ドアとホームドアを連動させて開ける装置の電気回路基板内から金属片があり、ドアを開けるための電気回路が短絡されたことでトラブルが発生した。当該編成は同年7月16日(木)まで休車状態とし、全編成に緊急点検を行った。再発防止策として、電気回路を内蔵する装置の開口部をふさぐことや、基板の隙間をカバーする事で、金属片など異物の混入を防止する対策及び車掌スイッチの回路変更を行う予定としている[21]。
脚注
注釈
- ^ 2019年度は5月1日に平成から令和へ改元されたため、元号表記の場合、第2編成以降は令和元年度に導入となる。なお、相鉄12000系(第1編成)は全国の鉄道で平成最後の新型車両デビューとなった[3]。
※車外に取り付けられている総合車両製作所 (J-TREC) の製造年銘板では、第1編成が「平成31年」、第2〜4編成が「2019」(西暦表記)、第5編成が「令和元年」、第6編成が「2020」(再び西暦表記)となっている(車内の銘板〈ステッカー〉は全編成とも西暦表記)。 - ^ 相鉄・JR直通線の運用は4編成で行い、残りの2編成については予備車とする方針[3]。また、このうち5編成は代替車両の置き換えも目的とした増備で、残りの1編成は開業に伴う純粋な増備とされている[4]。
出典
- ^ 交友社『鉄道ファン 2020年8月号』付録 大手私鉄車両ファイル 車両配置表
- ^ 引用エラー: 無効な
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タグです。「toyo-keizai190404
」という名前の注釈に対するテキストが指定されていません - ^ a b 相模鉄道、新型車両「12000系」を公開。能面をモチーフにした個性派 bizSPA!フレッシュ(ビズスパ) 2019年4月22日
- ^ 国土交通省 運輸審議会 諮問関係事案の審議状況【相模鉄道株式会社からの鉄道の旅客運賃の上限設定の認可申請事案】第2回審理 配付資料 (PDF) p.12 平成31年(2019年)3月12日
- ^ a b "相鉄・JR直通線用新型車両「12000系」を来年春に導入" (PDF) (Press release). 相模鉄道. 2018年10月03日. 2019年4月3日閲覧。
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の日付が不正です。 (説明) - ^ JR線との直通線向けに相鉄 新車両「12000系」導入へ - 神奈川新聞(カナロコ) 2017年12月19日
- ^ 相鉄の新型「12000系」に乗ってみた 新しいのに「ちょっと古い電車」がベースのワケ 乗り物ニュース (2019年3月31日) 2019年4月5日閲覧。
- ^ 12000 SERIES / SOTETSU(PRODUCT DESIGN CENTER)
- ^ 2019年度グッドデザイン賞受賞「相鉄12000系車両」(グッドデザイン賞公式ウェブサイト 2019年12月16日閲覧)
- ^ 2019年度グッドデザイン賞を受賞 12000系車両、デザインブランドアッププロジェクト、二俣川ゲートステーション、みなまきみらい多世代共住モデル (PDF) (相鉄グループ 2019年10月2日)
- ^ 相鉄12000系が甲種輸送される 鉄道ファン (railf.jp) 2018年12月19日
- ^ "相鉄・JR直通線用新型車両「12000系」が到着" (PDF) (Press release). 相模鉄道. 21 December 2018. 2019年4月22日閲覧。
- ^ 相鉄12000系、JR直通線用の新型車両が到着 - 出場後の輸送経路は マイナビニュース 2018年12月21日
- ^ 相鉄12000系、撮影会・試乗会を4月開催 - 「そうにゃん」と撮影も マイナビニュース 2019年3月20日
- ^ 相鉄12000系が営業運転を開始 鉄道ファン (railf.jp) 2019年4月20日
- ^ 引用エラー: 無効な
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」という名前の注釈に対するテキストが指定されていません - ^ 引用エラー: 無効な
<ref>
タグです。「tetsudo-shinbun190328
」という名前の注釈に対するテキストが指定されていません - ^ 2019年11月 ダイヤ改正について (PDF) (東日本旅客鉄道株式会社 2019年9月6日)
- ^ 相鉄12000系が東海道線で試運転(鉄道ファン〈railf.jp〉 2019年9月5日)
- ^ 相鉄・JR直通線用車両「12000系」試運転列車が本日(9月2日)、JR線新宿駅に初めて乗り入れ (PDF) (相模鉄道株式会社 2019年9月2日)
- ^ 瀬谷駅でのドア誤作動に関する調査結果および再発防止策について (PDF) (相模鉄道 2020年7月15日)