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おほつぶね(おおつぶね、生没年不詳)は、平安時代前期の女流歌人。
『後撰和歌集』や『大和物語』などによれば、在原棟梁の娘[1]で、「おほつぶね」は幼名という。あるいは藤原敦忠母の妹[2]とも、藤原敦忠母と同一人物[3]とも言われる。陽成院の側妾だったこともあったらしい[4]。
勅撰和歌集では『後撰和歌集』に3首入集。平貞文・貞元親王らと交流があったらしい。
- 人はいさ我はなき名の惜しれば昔も今も知らずとを言はむ(『後撰和歌集』634)[5]
- ^ 『後撰和歌集』二荒山本・片仮名本に「むねやながむすめ」とある。
- ^ 『大和物語』14段に「本院の北の方(在原棟梁女=藤原敦忠母)のみおとうと(妹)の、童名をおほつぶねといふいますかりけり」とある。
- ^ 顕昭『勅撰和歌集作者目録』に「オホツブネ 左大臣時平室、中納言敦忠母、元大納言国経室也」とある。
- ^ 『大和物語』より。
- ^ 貞元親王との贈答歌。
- 片桐洋一『新日本古典文学大系 後撰和歌集』岩波書店、1990年。
- 芳賀登他監修『日本女性人名辞典』日本図書センター、1993年。