お星さまのレール
『お星さまのレール』(おほしさまのレール)は、女優の小林千登勢が戦中戦後の体験を綴り、1982年、金の星社より出版した日本の児童文学。および、それを原作としたアニメーション映画。
あらすじ
[編集]時代は第二次世界大戦中。朝鮮の北、満州にほど近い鴨緑江河口の街・新義州で幸福に育った7歳の日本人の女の子・チコ(小林千登勢)。戦後のソ連軍進駐により、日本人への取り締まりが激化するなか、同じ境遇の多くの民間人とともに日本への逃避行を図る。 星をたよりに、38度線を目指して…。
登場人物
[編集]小林千登勢(こばやし ちとせ)
本作の主人公。愛称はチコ。日本占領下の北朝鮮の新義州に住み、その後平常に住んだ。第二次世界大戦が終わり、ロシア軍に占領された後に日本に逃れ、成人してからは女優となる。
小林和彦(こばやし かずひこ)
千登勢の父。日本軍の新兵の一人。第二次世界大戦が始まると彼は出征するが、戦場で体調を崩して家族の元に戻った。北朝鮮がロシアに占領された後、家族と共に日本に逃れることができた。
小林増子(こばやし ますこ)
千登勢の母。優しくて心配性の多い主婦。ロシア軍が北朝鮮を占領した後、和彦とチコとともに日本に逃亡した。
小林三千代(こばやし みちよ)
千登勢の妹。愛称はミコ。いつも姉とほぼ同じことをしたいと思っていた。作中で腸チフスにより亡くなる。
武(たけし)
千登勢の祖父、増子の父。平常に住んでいた。ロシアが北朝鮮を占領したとき、朝鮮人であることを名乗って日本に逃れた。
重子(しげこ)
千登勢の祖母、増子の母。平常に住んでいた。ロシアが北朝鮮を占領したとき、朝鮮人であることを名乗って日本に逃れた。
葉子(ようこ)
千登勢の叔母、増子の妹。平常に住んでいた。ロシアが北朝鮮を占領したとき、朝鮮人であることを名乗って日本に逃れた。
お花(おはな)
小林家の女中だった朝鮮人の若い女性、千登勢の友達。ある日、落ち込んでいた増子に呼び出されてチコのズボンを直し、針を抜き忘れたところ、チコ画を尻の針の上に座ってしまう事故が起こり、その後クビとなった。
龍一 (ヨン・イル)
日本に国を占領された朝鮮人の少年は、それを取り戻そうと必死に努力している。後に日本兵に殺された。
アニメ映画
[編集]1993年07月10日に公開された共同組合全国映画センター制作の作品。主人公をはじめ、創氏改名をさせられた少年などが登場する等、原作との違いがある。
ビデオソフト(VHS)が存在していたが、現在は廃盤状態である。
スタッフ
[編集]- 監督:平田敏夫
- 演出:滑川悟
- 企画:鹿本鬼助
- 製作総指揮:竹内守
- プロデューサー:大塚聡、堀有三
- コーディネーター : 久保田正明(T&Kテレフィルム)
- 原作:小林千登勢
- 脚本:浦畑達彦、朝倉秀雄
- キャラクターデザイン:兼森義則
- 作画監督:君塚勝教
- 撮影:山口仁
- 美術:池田祐二
- 編集:尾形治敏
- 音楽:坂田晃一
- 製作 : テレビ東京、パック・イン・ビデオ
声の出演
[編集]- チコ (千登勢) : 鷹森淑乃
- 和彦 : 田中秀幸
- 益子 : 潘恵子
- 武 : 緒方賢一
- ミコ (三千代) : 坂本千夏
- 重子 : 鈴木れい子
- お花 : 丸尾知子
- 佐野 : 辻親八
- 林 : 梅津秀行
- 長老 : 茶風林
- 葉子 : 大野由佳
- 龍一 : 宮崎一成
- 初恵 : 根谷美智子
- 案内人 : 北島淳司
- 通訳 : 石井康嗣
- 駅員 : 伊藤栄次
- 由紀子 : 住友優子
- 将校 : 野村威温
主題歌
[編集]- 「夜空で星が生まれるように」 歌:益田宏美(現・岩崎宏美)
書籍
[編集]- 画:小林与志 ISBN 978-4-323-00570-6
- 画:小林与志 ISBN 978-4-323-01038-0
- 画:小林与志 ISBN 978-4-323-01858-4