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ぐず焼き祭り

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ぐず焼き祭り
2023年8月27日
2023年8月27日
開催時期 8月27日 - 8月29日
会場 石川県加賀市動橋町 振橋神社
主催 ぐず焼まつり実行委員会[1]
最寄駅 JR西日本 動橋駅[1]
駐車場 なし[1]
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ぐず焼き祭り(ぐずやきまつり)は、石川県加賀市動橋町の振橋神社で、毎年8月27日、28日、29日に行われる祭り。主催はぐず焼まつり実行委員会。

概要

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振橋神社の伝承によれば、かつて年頃の女性を襲う大蛇が人々に恐れられており、大己貴命が、年頃の女性たちを襲う大蛇を退治し、人々がそれを感謝して祠を建てたとある[2]。『江沼郡誌』によれば、毎年8月27日より、振橋神社の氏子たちが大己貴命を称えるために、境内で薪材を焚く「屑焼祭り」を行なっていたとある[2]。この屑焼祭りに代わり、地域に伝わる毒蛇伝説にもとづき趣向を変えて、昭和初期より始まったとされる[2]

「ぐず」とはドンコ(ハゼの一種である淡水魚)のことであり、木の枠の上に、長さ7メートルから8メートルのぐずを竹や藁で作り、これを担いで動橋駅周辺をねり歩いた後、ぐずを焼き払い五穀豊穣を願う[3]

駅前で担いでいる様子

起源

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動橋集落のお祭りがいつから始まったのかは定かではない。古来より、動橋川は幾度となく大洪水を起こし、その度に収穫前の田畑があれ、作物がとれず、飢饉に見舞われ、民家や人命も奪われていた。そのため、川が氾濫しないことを願うため、川のそばに鎮守の杜や祠を建て、稲の収穫前後に地鎮祭として神様に祈りを捧げてきた[4]

ぐず第一号がつくられたのは昭和3年である。大正末頃までは、古来から続いてきた動橋のお祭りである「屑焼き祭り」の「かがり火」の火が大きくなりすぎたため、昭和2年に消防署から「かがり火」の禁止命令を受けた。しかし、「かがり火」を止めてしまうと、寂しいため、村の若い集が集まり話し合った結果、「屑」を燃やすのではなく「ぐず」を作り担いだら面白いのではないかと始まった。町の伝承と合わせて神社霊験談を実演するような演出を考案し、それが現在のような「ぐず焼きまつり」の基礎ができたと言われている[4]

運営組織

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町をあげてのイベントのため青年団、壮年団、婦人会、子供会、喜楽会、預金講、区長会、商工会など多くの組織が参加している。

青年団は18〜25までの男子から団員が成り立っている。昭和59年までは青年団と青年会があり、青年団は女子も参加していた。青年会は祭りの時にグズを作製や獅子舞の練習など、祭りの準備と執行のための組織として活動していた。青年団は、青年の減少・職業の多様化・意識の変化などの理由により活動不能となってしまったので、祭りのための臨時的な組織であった青年会が残り、祭りの主役を担うようになった[5]。以前は、担ぎ手が90人以上いたこともあったが、2020年頃には13人まで減少し、OBや街出身者の応援によって、祭りが維持されている[6]。このために2020年8月、祭りを盛り上げることを目的として、祭りの歴史をまとめた冊子「ぐずやきまつりのすべて」が、地元住民の手で発刊された[6]

制作工程

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ぐずの張子は青年会が作成している。開始の期日や制作場所は一定していない。制作にあたる会員の仕事関係と近年のぐずの大型化によるもので、近年は13メートルと最大である。経費は約30万ほどで、設計図を書く→木材・竹の購入→張子の骨格となる型を作成→布貼り→着色などを約1ヶ月かけて製作している。この作業と並行して会員は笛や太鼓・獅子舞の練習が行われる[5]

その他 

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一時期、「ギャルぐず」というものがあり、女性も一緒にぐずを担いだ年もある[4]

脚注

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  1. ^ a b c ぐず焼まつり”. ほっと石川旅ねっと. 石川県観光連盟. 2023年9月11日閲覧。
  2. ^ a b c 加賀ふるさと検定 加賀市歴史文化学習帳 第2部「自然・動植物・民俗・文化財編」” (PDF). 加賀市文化財総合活用事業実行委員会. p. 30 (2018年9月20日). 2020年10月24日閲覧。
  3. ^ ぐず焼まつり”. 加賀温泉郷. 加賀市観光交流機構. 2023年9月11日閲覧。
  4. ^ a b c 『ぐずやきまつりのすべて』動橋町区長会動橋地区まちづくり推進協議会、2020年8月、4,8,103-104頁。 
  5. ^ a b 『石川県祭り・行事調査事業報告書 石川の祭り・行事』石川県教育委員会、1999年3月31日。 
  6. ^ a b 奇祭のすべて 一冊に まちづくり協「読んで、担ぎ手に」”. 中日新聞. 中日新聞社 (2020年8月20日). 2023年9月11日閲覧。