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日の出町コミュニティバス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ぐるり〜ん日の出から転送)

日の出町コミュニティバス(ひのでまちコミュニティバス)は、東京都西多摩郡日の出町が運行するコミュニティバスである[1]2022年(令和4年)7月1日からの愛称は「ぐるり~ん ひのでちゃん[1]

運行は一貫して西東京バス五日市営業所へ委託しているが[2][3][4]、運行形態と愛称が数度にわたって変更しているため、分類して記述する。

概要

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西多摩郡日の出町が運行するコミュニティバスで、2001年(平成13年)6月に「ひのでユートピア号」として運行を開始した[5]。当初は町民以外でも乗車可能な乗り合いバスだったが、2008年(平成20年)6月に町民専用バスへ変更されたことで利用対象者が町民限定となり、「東京オリンピック号」の愛称が付与された[6]。2012年(平成24年)4月の路線再編時に愛称が「ぐるり~ん日の出号」へ変更された[7][8]のと同時に平日1日7便運行へ増便[9][10]された。2022年(令和4年)6月30日をもって町民専用バスの運行を終え、翌日からは運行開始当初と同様に一般乗合バスとして再スタートをきった[1]。これに伴い、専用車両として日野・ポンチョ(ショートボディ)を導入[11][12]

現在運行中の「ぐるり~ん ひのでちゃん」の運賃は全区間一律100円(小学生以上)、未就学児は無料である[1][11][13]交通系ICカードが利用可能[11]だが、東京都シルバーパスは利用できず[13]、障害者割引も適用されない[13]。専用の回数券を車内および西東京バス五日市営業所で発売している[13]

沿革

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6月1日 - 日の出町コミュニティバス「ひのでユートピア号」として運行開始。乗合バスとしての開業で、専用車として日野・レインボーHR7m車が導入された[3]
6月9日 - 「ひのでユートピア号」を運行終了。
6月10日 - 廃止代替措置として町民専用バスへ変更すると同時に「東京オリンピック号」を運行開始。専用車として日野・リエッセを導入[2][4]
4月1日 - 町民専用バスを路線再編[9]。新愛称を公募により「ぐるり~ん日の出号」へ改称。
6月 - コミュニティバス「ぐるり~ん ひのでちゃん」運行開始前イベントを開催[14]
6月30日 - 同日をもって町民専用バス「ぐるり~ん日の出号」を運行終了。
7月1日 - コミュニティバス「ぐるり~ん ひのでちゃん」を運行開始。

現行路線「ぐるり~ん ひのでちゃん」

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トレーラーバス「青春号」

2022年(令和4年)7月1日に運行開始されたコミュニティバス[1]で、前日まで運行されていた町民専用バス「ぐるり~ん日の出号」を運行開始時の「ひのでユートピア号」と同様に乗合バスへ変更したものである[1]。町民専用バス時代に使用していた車両は代替され、車体デザインや停留所デザインを大幅に変更するなど[12]、乗合バスへの移行に向けた様々な変更が行われた[1]。これに伴い、町内循環バス「ぐるり~ん日の出号」は同年6月30日の運行を最後に廃止された[1]。運賃無料の町民専用バスから有償のコミュニティバス(乗合バス)への転換によって、沿線で路線バスを使用して通学する児童・生徒に対して通学定期券の費用を助成する制度「日の出町路線バス通学定期券購入費補助金」が新設された[15]。運行開始に先立ち「『ぐるり~ん ひのでちゃん』運行開始前イベント」が開催され、日の出町のイメージキャラクター「ひのでちゃん」、西東京バスのキャラクター「にしちゅん」の着ぐるみも出演した[14]

町民専用バス時代は日の出町の西部にある日の出山麓天然温泉「生涯青春の湯つるつる温泉」が起点だったが、乗合移行時に「長井折返場」へ変更され、つるつる温泉には停車しなくなった[11]。つるつる温泉には同じく西東京バス五日市営業所が運行するトレーラーバス「青春号」が運行していたが、現在は路線自体は運行中であるもののトレーラーバスは老朽化によって運行を終了している。一方、終点は五日市線武蔵引田駅近くにある公立阿伎留医療センターのまま変更が無いが、町民専用バス時代には停車しなかったイオンモール日の出に停車するようになった[11]。同時に武蔵引田駅入口にも停車しなくなったが、こちらは「阿伎留医療センター」から徒歩5~7分で乗り換え可能と案内している[11]

運行経路

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  • 長井折返場 → 長井公会堂前 → 坂本交差点入口 → 萱窪会館前 → 日の出折返場 → 西平井 → 日の出団地入口 → 中央公園 → イオンモール日の出阿伎留医療センター(早朝始発のみ)
  • 長井折返場 - 長井公会堂前 - 坂本交差点入口 - 萱窪会館前 - 日の出折返場 - 西平井 - 日の出団地入口 - 中央公園 - 本宿小学校東 - グリーンタウン入口 - イオンモール日の出 - 阿伎留医療センター
  • 長井折返場 - 長井公会堂前 - 坂本交差点入口 - 玉の内 - 日の出折返場 - 西平井 - 日の出団地入口 - 中央公園 - 本宿小学校東 - グリーンタウン入口 - イオンモール日の出 - 阿伎留医療センター

長井折返場から日の出折返場、イオンモール日の出を経由して阿伎留医療センターへ向かう経路で、坂本交差点入口 - 日の出折返場間は萱窪経由と玉の内経由に分かれ、交互に運行される[11]。ただし早朝の長井折返場始発便は日の出町立本宿小学校付近がスクールゾーンで通行止めとなるため、「本宿小学校西」「本宿小学校東」「グリーンタウン入口」には停車しない。この迂回運行は土曜・休日にも実施されるので注意が必要である[11]

車両

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専用車として日野・ポンチョ(ショートボディ、定員29人)を使用する[11]。車両と停留所には日の出町のイメージキャラクター「ひのでちゃん」のイラストが描かれている[11][12]。ラッピングのデザインは公募により決定され、淡い黄色基調の車体に日の出山や白岩の滝、などの日の出町の自然の中で「ひのでちゃん」が釣りを楽しむ様子となっている[12]。整備点検などで車両が使用できない場合は、西東京バスの標準色の車両が代走として使用される[16]

過去の路線

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町民専用バス「ぐるり~ん日の出号」

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「ぐるり~ん日の出号」専用車 (CK20872)
町民専用バス「東京オリンピック号」時代 (CK20872)

2008年(平成20年)6月10日にコミュニティバス「ひのでユートピア号」の廃止代替として運行が開始された[6]町民専用のコミュニティバスで、日の出町ホームページでは「町内循環バス『ぐるり~ん日の出号』」と表記されていた[17][18]。運賃は無料だが[17]利用するには日の出町に住民登録されている町民になる必要があり、乗車時に住所が分かる身分証明書の提示を求められるため、町民以外は利用できなかった[17]

運行開始時には「東京オリンピック号」の愛称が付けられ、専用車として日野・リエッセが1台導入された[2][4]。東京オリンピック号の由来は、当時進められていた2016年東京オリンピック構想による招致活動に関連したもので、開催都市決定後の2012年(平成24年)4月1日のダイヤ改正による路線再編で新愛称として「ぐるり~ん日の出号」となった[9][7]。平日のみ7便が運行されるが[9]、専用車が1台しか存在しなかったために運行間隔が大きく開いていた。「ぐるり~ん日の出号」の運行開始を記念した「運行開始式」が開催された[19]

2022年(令和4年)7月1日に日の出町コミュニティバス「ぐるり~ん ひのでちゃん」の運行開始によって、前日の6月30日の運行を最後に廃止された[1]

運行路線

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廃止時の路線
  • つるつる温泉 - 御新造橋 - 馬場クリニック前 -(回送)- 太陽の家 - 長井公会堂前 - 大久保病院入口 - 坂本橋 - 玉の内会館前 - JA農産物直売所前 -(回送)- 日の出団地 - 中央公園前 - 日の出団地入口 - 森田歯科医院前 - 日の出町役場前 - 平井小学校前 - 欠上公園前 - 武蔵引田駅入口 - 阿伎留医療センター
運行開始時の路線
  • 午前:つるつる温泉 - 御新造橋(乗車・降車) - 馬場クリニック前(降車)→(回送)→ 太陽の家 - 馬場クリニック前(乗車・降車)- 白山神社入口(降車)- 坂本橋 - 玉の内 - 日の出団地 - 森田歯科医院前(乗車) - 日の出町役場前(降車) - 日の出町役場前(乗車) - 平井っ原(乗車) - 欠上公園前 - 武蔵引田駅入口(降車) - 阿伎留医療センター(降車)
  • 午後:阿伎留医療センター(乗車)- 武蔵引田駅入口 - 欠上公園前(乗車) - 平井っ原 - 日の出町役場前(乗車・降車) - 森田歯科医院前 - 日の出団地 - 玉の内 - 坂本橋 - 馬場クリニック前(乗車・降車) - みやび工房前 - 太陽の家(降車)→(回送)→ 馬場クリニック前(乗車) - 幸神堂 - 御新造橋(乗車・降車)- 新井薬師看坂前 - つるつる温泉(降車)

基本的に「ひのでユートピア号」の路線設定を継承していたが、イオンモール日の出は経由しなかった。つるつる温泉を起点に阿伎留医療センターを終点として、東西に長い町域を迂回しながら運行していた。特徴として高齢者などの交通弱者の通院の便を図るため、病院や診療所などの医療機関を結ぶ経路を採用していた。町民専用バスは一般乗車が出来ないために停留所が存在せず、乗降は停車場所で行っていたが、停車場所には乗車・降車とも可能な場所と乗車・降車専用の場所が存在した。乗車するには停車場所で手を上げて乗務員に合図して乗車するが、西東京バスの一般路線が使用する停留所には停車しなかった。上記経路図にある「回送」は経路途中で乗降扱いを行わない区間である。

運行開始時は午前が早朝1便(つるつる温泉7:38発)、午後が日中と夕方に1便ずつ(阿伎留医療センター15:25・17:15発)だったが[7]、2012年(平成24年)4月1日の路線再編によって平日のみ7便へ増便された[9]。ただし専用車が1台しか存在しないために[4]、基本的には発車した便がそのままそのまま折り返して戻る運用だった。

車両

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2008年(平成20年)6月の運行開始時に専用車として日の出町専用塗装の日野・リエッセが新規導入された[2][4][20]。このリエッセは貸切登録で観光仕様のトップドア車で、車椅子用リフトは装備されていなかった[4]。2012年(平成24年)4月の路線再編によって「ぐるり~ん日の出号」へ改称された後も引き続き使用された[4]。2022年(令和4年)7月の「ぐるり~ん ひのでちゃん」運行開始時に専用車として日野・ポンチョ(ショートボディ)が導入され[1][11][12]、代替で除籍された。

コミュニティバス「ひのでユートピア号」

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「ひのでユートピア号」元専用車
路線廃止後に一般色へ変更された

2001年(平成13年)6月にコミュニティバス「ひのでユートピア号」として運行を開始した[5]。日の出町では「町内循環超低床型100円バス」と称しており、その名の通り「低床バス(ノンステップバス[3]」「運賃100円均一」だった[5]2008年(平成20年)6月9日を最後に廃止されたが、代替路線は町民のみ利用可能な循環バス「東京オリンピック号」となった[6]

運行路線

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  • つるつる温泉 - 松尾 - 肝要 - 幸神 - 日の出折返場 - イオンモール日の出 - 武蔵引田駅 - 阿伎留医療センター

つるつる温泉と阿伎留医療センターをイオンモール日の出、武蔵引田駅経由で往復運行する経路で、日の出折返場 - 阿伎留医療センター間は現在運行中の「ぐるり~ん ひのでちゃん」も継続して運行している。町民専用バスへ移行時、イオンモール日の出への乗り入れを取り止めた以外は上記の経路をほぼそのまま踏襲していた。

車両

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運行開始時に専用車として日野・レインボーHR7mの観光マスク車を導入した[3]。塗装は「ぐるり~ん日の出号」とは異なる濃色で、前面の行灯部分に「日の出町」と記されていた[3]。2008年(平成20年)6月の町民専用バスへの移行によって、専用車の日野・リエッセが導入された[4]が、「ひのでユートピア号」で使用していた専用車は路線廃止後に西東京バスの標準色へ変更された。

脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i j コミュニティバス「ぐるり〜ん ひのでちゃん」運行のご案内”. 東京都日の出町. 日の出町 (2022年7月1日). 2022年9月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年9月23日閲覧。である
  2. ^ a b c d 「バス事業者訪問No.165 西東京バス」『バスラマ・インターナショナル』第138号、ぽると出版、2013年7月、p.23。 
  3. ^ a b c d e バスジャパン ハンドブックシリーズ R62 京王電鉄バス 西東京バス』BJエディターズ/星雲社、2007年9月1日。ISBN 978-4-434-10234-9
  4. ^ a b c d e f g h 『バスジャパン ハンドブックシリーズ S86 京王バス 西東京バス』BJエディターズ/星雲社、2014年12月1日。ISBN 978-4-434-19866-3
  5. ^ a b c 日の出町の歴史(平成) 日の出町、2015年3月12日、2022年9月23日閲覧。
  6. ^ a b c 社会性報告 コミュニティバス 京王グループ 安全・社会・環境報告書2008 CSRレポート、京王電鉄、2008年。
  7. ^ a b c Archived 2013年9月21日 循環バスの愛称(ニックネーム)を大募集!4月1日、町内循環バスが再スタートします, at the Wayback Machine. 広報日の出 2012年2月号 4頁、日の出町公式サイト(アーカイブ
  8. ^ 町内循環バスの愛称決定 広報日の出 2012年4月号 7頁、日の出町公式サイト[リンク切れ]
  9. ^ a b c d e Archived 2013年9月21日 町内循環バスぐるり〜ん日の出号 路線のご案内・運行予定時刻表, at the Wayback Machine. 2012年4月1日改正、日の出町公式サイト(アーカイブ)
  10. ^ 町内循環バス 運行時間 広報日の出 2008年6月号、日の出町公式サイト[リンク切れ]
  11. ^ a b c d e f g h i j k 日の出町コミュニティバス「ぐるり〜ん ひのでちゃん」利用ガイド(令和4年7月) 日の出町、2022年7月1日、2022年9月23日閲覧。
  12. ^ a b c d e ぐるり〜ん ひのでちゃん(コミュニティバス)のラッピングデザインが決定しました 日の出町、2022年3月、2022年9月23日閲覧。
  13. ^ a b c d コミュニティバス「ぐるり〜んひのでちゃん」は、7月1日から運行開始を予定しています!! 広報日の出 令和4年(2022年)6月号、マイ広報紙、2022年9月23日閲覧。
  14. ^ a b にしちゅんの部屋 「ぐるり〜ん ひのでちゃん」運行開始前イベントに参加! 西東京バス、2022年6月11日、2022年9月23日閲覧。
  15. ^ 【日の出町路線バス通学定期券購入費補助金】のお知らせ 日の出町、2022年3月、2022年9月23日閲覧。
  16. ^ ぐるり〜ん ひのでちゃんは、9月22日(木)法定点検のため、西東京バスの路線バスで代車運行します。… 日の出町 公式Twitter、2022年9月20日、2022年9月23日閲覧。
  17. ^ a b c 町内循環バス路線のご案内 日の出町公式サイト、2022年3月11日閲覧。
  18. ^ 町内循環バス「ぐるり〜ん日の出号」 路線図・乗車ガイド・時刻表 日の出町公式サイト、2022年3月11日閲覧。
  19. ^ 「ぐるり〜ん日の出号」運行開始式 広報日の出 2008年7月号、日の出町公式サイト[リンク切れ]
  20. ^ 広報日の出 2008年7月号 日の出町、2008年7月[リンク切れ]

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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