しし座83番星
しし座83番星 | ||
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星座 | しし座 | |
見かけの等級 (mv) | A: 6.49 B: 7.57 | |
位置 元期:J2000.0 | ||
赤経 (RA, α) | A: 11h 26m 45.32s B: 11h 26m 46.2771s | |
赤緯 (Dec, δ) | A: +3° 0′ 47.18″ B: +03° 00′ 22.781″ | |
距離 | 57.61 光年 (17.67 パーセク) | |
物理的性質 | ||
半径 | A: 1.9 R☉ B: 0.81 R☉ | |
質量 | A: 不明 B: 0.78 M☉ | |
スペクトル分類 | A: K0IV B: K2V | |
光度 | A: 66 L☉ B: 不明 | |
表面温度 | A: 5509 ± 8.6 K[1] B: 4875 K | |
金属量[Fe/H] | A: 1.2 B: 0.36 | |
年齢 | A: 不明 B: 44.9億年 | |
他のカタログでの名称 | ||
Wolf 393, GJ 429, HD 99491/2, BD+03°2502/3, HIP 55846, HR 4414, 83 Leonis, 83 Leo | ||
参照データベース | ||
SIMBAD | date | |
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しし座83番星 (83 Leonis, 83 Leo) とは、太陽系からしし座の方角に58光年離れた位置にある連星である。橙色準巨星の主恒星と、橙色の主系列星の伴恒星からなる。両天体の間は少なくとも515天文単位離れており、ともに太陽より低温と考えられている。
2011年時点で、2つの太陽系外惑星が伴恒星の周囲に確認されている。1つは2005年に発見され[2]、もう1つは2010年に発見された[3]。
恒星系
[編集]主星のしし座83番星Aは6等級の星である。肉眼では観測しづらいが、双眼鏡を用いれば容易に観測できる。光度階級では準巨星に分類されているが、これはこの恒星の中心部で水素の核融合反応が終わり、赤色巨星へ変化しつつあることを意味する。
伴星のしし座83番星Bは8等級の橙色の主系列星で、太陽より質量が小さく(0.88太陽質量)、直径や温度の値も太陽より小さい[4]。観測には、双眼鏡かより高度な機材が必要となる。A星とB星は共通した固有運動を示しており、このことから2つの天体は重力で縛られた連星だと確認されている。天球上に投影されたA星とB星の距離は515天文単位だが、真の距離はこれよりはるかに大きい可能性がある[5]。
ワシントン重星カタログには、14.4等級の暗い別の天体がしし座83番星を構成する天体として記載されている。この天体はABペアとは異なる固有運動を持つため、見かけの二重星である。
惑星系
[編集]2005年1月、恒星Bの周囲に太陽系外惑星しし座83番星Bbが発見された。報告したのはリック・カーネギー系外惑星サーベイのチームで、視線速度法を用いたものだった。惑星の下限質量は土星の半分以下で、恒星に接近した軌道を17日の公転周期で公転している。
2010年には同じ恒星に2つ目の惑星を発見したと主張されたが[3]、2016年に誤検出であることが判明した[6]。しかし、2023年に別の第2惑星が発見され、しし座83番星Bcという名称が与えられた[7]。
なお、恒星Aには2023年時点で惑星は発見されていない。
名称 (恒星に近い順) |
質量 | 軌道長半径 (天文単位) |
公転周期 (日) |
軌道離心率 | 軌道傾斜角 | 半径 |
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b | ≥25.5±0.6 M⊕ | 0.123±0.001 | 17.0503±0.0016 | 0.034+0.025 −0.021 |
— | — |
c | ≥17.9±1.3 M⊕ | — | 95.233+0.098 −0.096 |
0.063+0.060 −0.040 |
— | — |
参考文献
[編集]- ^ Kovtyukh et al.; Soubiran, C.; Belik, S. I.; Gorlova, N. I. (2003). “High precision effective temperatures for 181 F-K dwarfs from line-depth ratios”. Astronomy and Astrophysics 411 (3): 559–564. doi:10.1051/0004-6361:20031378 .
- ^ Marcy, G. et al. (2005). “Five New Extrasolar Planets”. The Astrophysical Journal 619 (1): 570–584. doi:10.1086/426384 .
- ^ a b Meschiari, S.; et al. (2010). "The Lick-Carnegie Survey: Four New Exoplanet Candidates". arXiv:1011.4068v2 [astro-ph.EP]。
- ^ “The Planet Around HD 99492”. California & Carnegie Planet Search. 2005年12月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2006年5月9日閲覧。
- ^ Raghavan et al. (2006). “Two Suns in The Sky: Stellar Multiplicity in Exoplanet Systems”. The Astrophysical Journal 646 (1): 523–542. doi:10.1086/504823 .
- ^ a b Kane, Stephen R.; Thirumalachari, Badrinath; Henry, Gregory W.; Hinkel, Natalie R.; Jensen, Eric L. N.; Boyajian, Tabetha S.; Fischer, Debra A.; Howard, Andrew W. et al. (2016). “Stellar Activity and Exclusion of the Outer Planet in the Hd 99492 System”. The Astrophysical Journal 820 (1): L5. arXiv:1603.00487. Bibcode: 2016ApJ...820L...5K. doi:10.3847/2041-8205/820/1/L5.
- ^ a b Stalport, M.; Cretignier, M. (August 2023). “A review of planetary systems around HD 99492, HD 147379 and HD 190007 with HARPS-N”. Astronomy & Astrophysics. arXiv:2308.05669.