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しし座83番星

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
しし座83番星
星座 しし座
見かけの等級 (mv) A: 6.49
B: 7.57
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α) A:  11h 26m 45.32s
B:  11h 26m 46.2771s
赤緯 (Dec, δ) A: +3° 0′ 47.18″
B: +03° 00′ 22.781″
距離 57.61 光年
(17.67 パーセク)
物理的性質
半径 A: 1.9 R
B: 0.81 R
質量 A: 不明
B: 0.78 M
スペクトル分類 A: K0IV
B: K2V
光度 A: 66 L
B: 不明
表面温度 A: 5509 ± 8.6 K[1]
B: 4875 K
金属量[Fe/H] A: 1.2
B: 0.36
年齢 A: 不明
B: 44.9億年
他のカタログでの名称
Wolf 393, GJ 429, HD 99491/2, BD+03°2502/3, HIP 55846, HR 4414, 83 Leonis, 83 Leo
参照データベース
SIMBAD date
Template (ノート 解説) ■Project

しし座83番星 (83 Leonis, 83 Leo) とは、太陽系からしし座の方角に58光年離れた位置にある連星である。橙色準巨星の主恒星と、橙色の主系列星の伴恒星からなる。両天体の間は少なくとも515天文単位離れており、ともに太陽より低温と考えられている。

2011年時点で、2つの太陽系外惑星が伴恒星の周囲に確認されている。1つは2005年に発見され[2]、もう1つは2010年に発見された[3]

恒星系

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主星のしし座83番星Aは6等級の星である。肉眼では観測しづらいが、双眼鏡を用いれば容易に観測できる。光度階級では準巨星に分類されているが、これはこの恒星の中心部で水素核融合反応が終わり、赤色巨星へ変化しつつあることを意味する。

伴星のしし座83番星Bは8等級の橙色の主系列星で、太陽より質量が小さく(0.88太陽質量)、直径や温度の値も太陽より小さい[4]。観測には、双眼鏡かより高度な機材が必要となる。A星とB星は共通した固有運動を示しており、このことから2つの天体は重力で縛られた連星だと確認されている。天球上に投影されたA星とB星の距離は515天文単位だが、真の距離はこれよりはるかに大きい可能性がある[5]

ワシントン重星カタログには、14.4等級の暗い別の天体がしし座83番星を構成する天体として記載されている。この天体はABペアとは異なる固有運動を持つため、見かけの二重星である。

惑星系

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2005年1月、恒星Bの周囲に太陽系外惑星しし座83番星Bbが発見された。報告したのはリック・カーネギー系外惑星サーベイのチームで、視線速度法を用いたものだった。惑星の下限質量土星の半分以下で、恒星に接近した軌道を17日の公転周期公転している。

2010年には同じ恒星に2つ目の惑星を発見したと主張されたが[3]、2016年に誤検出であることが判明した[6]。しかし、2023年に別の第2惑星が発見され、しし座83番星Bcという名称が与えられた[7]

なお、恒星Aには2023年時点で惑星は発見されていない。

しし座83番星Bの惑星[6][7]
名称
(恒星に近い順)
質量 軌道長半径
天文単位
公転周期
()
軌道離心率 軌道傾斜角 半径
b ≥25.5±0.6 M 0.123±0.001 17.0503±0.0016 0.034+0.025
−0.021
c ≥17.9±1.3 M 95.233+0.098
−0.096
0.063+0.060
−0.040

参考文献

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  1. ^ Kovtyukh et al.; Soubiran, C.; Belik, S. I.; Gorlova, N. I. (2003). “High precision effective temperatures for 181 F-K dwarfs from line-depth ratios”. Astronomy and Astrophysics 411 (3): 559–564. doi:10.1051/0004-6361:20031378. http://www.aanda.org/articles/aa/full/2003/46/aa3944/aa3944.html. 
  2. ^ Marcy, G. et al. (2005). “Five New Extrasolar Planets”. The Astrophysical Journal 619 (1): 570–584. doi:10.1086/426384. http://www.iop.org/EJ/article/0004-637X/619/1/570/60844.html. 
  3. ^ a b Meschiari, S.; et al. (2010). "The Lick-Carnegie Survey: Four New Exoplanet Candidates". arXiv:1011.4068v2 [astro-ph.EP]。
  4. ^ The Planet Around HD 99492”. California & Carnegie Planet Search. 2005年12月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2006年5月9日閲覧。
  5. ^ Raghavan et al. (2006). “Two Suns in The Sky: Stellar Multiplicity in Exoplanet Systems”. The Astrophysical Journal 646 (1): 523–542. doi:10.1086/504823. http://www.iop.org/EJ/article/0004-637X/646/1/523/64035.html. 
  6. ^ a b Kane, Stephen R.; Thirumalachari, Badrinath; Henry, Gregory W.; Hinkel, Natalie R.; Jensen, Eric L. N.; Boyajian, Tabetha S.; Fischer, Debra A.; Howard, Andrew W. et al. (2016). “Stellar Activity and Exclusion of the Outer Planet in the Hd 99492 System”. The Astrophysical Journal 820 (1): L5. arXiv:1603.00487. Bibcode2016ApJ...820L...5K. doi:10.3847/2041-8205/820/1/L5. 
  7. ^ a b Stalport, M.; Cretignier, M. (August 2023). “A review of planetary systems around HD 99492, HD 147379 and HD 190007 with HARPS-N”. Astronomy & Astrophysics. arXiv:2308.05669.