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しんがぎん

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
しんがぎん
本名 熊澤 栄二
生誕 1972年7月10日
日本の旗 日本山形県鶴岡市
死没 (2002-05-26) 2002年5月26日(29歳没)
国籍 日本の旗 日本
職業 漫画家
活動期間 1996年 - 2002年
ジャンル 少年漫画
青年漫画
成人向け漫画
代表作 『鬼が来たりて』
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しんが ぎん1972年7月10日 - 2002年5月26日)は、日本の男性漫画家。本名は熊澤栄二。山形県鶴岡市出身。山形県立鶴岡南高等学校[1]新潟大学人文学部卒業[2]。主に『週刊少年ジャンプ』で活躍した。代表作は『鬼が来たりて』。またLeaf作品などを題材とした同人活動も行っていた。

ペンネームの由来は、「しんが」については本人も覚えておらず、「ぎん」は本名の「栄二」を元素記号の「Ag」にかけたことによる。本来は「しんが」が姓、「ぎん」が名に相当するが、尾田栄一郎やファンからは「がぎん兄さん」と呼ばれていた[2]

略歴

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プロデビュー以前からアニメ雑誌『ファンロード』でも活躍していた[3]

大学在学中の1994年集英社の「ホップ☆ステップ賞」第109回(94年3月期)に「鬼が来たりて」で入賞しデビュー。同作は同年『ジャンプ』オータムスペシャル・「ホップ★ステップ賞SELECTION」15巻にも収録された。単行本収録時は「鬼部の章」という副題が付いている。

同年『ジャンプ』ウィンタースペシャルには「鬼が来たりて 百鬼の章」を掲載。

大学卒業後は上京し、和月伸宏の下でアシスタント(いわゆる和月組)を務め、『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の連載を支えた[4]。その傍ら、1995年の「第2回黄金の女神像争奪ジャンプ新人海賊杯」にて、ジャンプ38号掲載の「鬼が来たりて 人鬼の章」で優勝。これにより、1996年『週刊少年ジャンプ』5・6号から18号まで「鬼が来たりて」を連載。

1996年、『ジャンプ』30号に読み切り作品「疾風伝ハヤテ」を掲載する。

1998年、『ジャンプ』11号から推理漫画「少年探偵Q」(原作:円陣)の連載を開始したものの、同年26号で終了する。

その後は、『赤マルジャンプ』で読切作品「リィンCARNATION」 (2000WINTER) と「SOLAR POWER」 (2000SUMMER) を共にセンターカラー付きで掲載した。またジャンプ ジェイ ブックス城崎火也のホラー小説『三番目の転校生』(2000年10月23日発売)と『禁じられた鏡』(2001年12月25日発売)の挿絵を担当した。

2002年5月26日に29歳で急逝。ストレスからくる拒食症による心不全とされる[5]。墓所は故郷・鶴岡にある。

作品リスト

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連載

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  • 鬼が来たりて(週刊少年ジャンプ、全2巻)
  • 少年探偵Q(原作:円陣、週刊少年ジャンプ、全2巻)

読み切り

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  • 疾風伝ハヤテ(週刊少年ジャンプ)
  • リィンCARNATION(赤マルジャンプ)
  • SOLAR POWER(赤マルジャンプ)

挿絵

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  • 三番目の転校生(原作:城崎火也
  • 禁じられた鏡(原作:城崎火也)

死後の関係者の動向

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しんがぎん死去の直後に発売された『ジャンプ』巻末コメントで、同じく和月伸宏のアシスタントを務めた尾田栄一郎、武井宏之鈴木信也、かつてしんがぎんのアシスタントを務めたキユが追悼のコメントを寄せた[6]。さらに翌年の盆明けには、和月が名前は挙げていないものの、墓参りの報告と追悼のコメントを寄せている。なお、2002年当時和月は連載を持っておらず、追悼のコメントを寄せることが出来なかった[7]

また、『ONE PIECE』233話の縁が黒く塗られた扉絵(普段は白縁)は、同作品の単行本巻二十五で、しんがぎんへの追悼の意を込めたものであると明かしている。

なお、しんがぎんが担当していた城崎火也の「明華学園シリーズ」の挿絵は三好直人に引き継がれている。

逸話

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  • 「鬼が来たりて」連載開始当時、地元からジャンプ連載作家が誕生したとして、山形放送からテレビ・ラジオ双方で何度か取材を受けた。そのテレビ取材の際、女性リポーターから「いつか私を作品に登場させて欲しい」という要望を受け、了承した。それから2年後に連載された『少年探偵Q』の第1話でその約束を果たした。
  • 「和月組」の面々へは、毎年しんがぎんの実家からさくらんぼが贈られていたが、実家は農家ではない。

アシスタント

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脚注

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  1. ^ 【鶴岡南高校】華麗なる卒業生人脈!作家の藤沢周平、評論家の渡部昇一、電撃ネットワークの南部虎弾…”. ダイヤモンド・オンライン (2023年2月21日). 2023年2月24日閲覧。
  2. ^ a b 鬼が来たりて」第1巻
  3. ^ 高橋功一郎公式ホームページ2002年5月27日の日記 Archived 2009年5月25日, at the Wayback Machine.
  4. ^ 「鬼が来たりて」第2巻
  5. ^ バーグマン田形 (2016年11月30日). “編集長の急死、連載漫画家の逮捕! 呪われていた'02年の「少年ジャンプ」”. エキサイトニュース. 90sチョベリー. 2022年11月22日閲覧。
  6. ^ 『週刊少年ジャンプ』2002年28号 集英社
  7. ^ 『週刊少年ジャンプ』2003年39号 集英社
  8. ^ 「少年探偵Q」単行本第2巻