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ふたつの月に濡れる

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ふたつの月に濡れる
著者 滝川杏奴
発行日 2020年10月26日
発行元 ジーウォーク(紅文庫)
日本
言語 日本語
形態 文庫本
ページ数 276
コード ISBN 978-4867170984
ウィキポータル 文学
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ふたつの月に濡れる
監督 佐々木浩久[1]
脚本 佐々木浩久
出演者 宮崎リン
若宮はずき
西村ニーナ
村田直樹
橘花咲夢
滝本ゆに
石川雄也
音楽 練馬音楽効果集団
撮影 鏡早智
編集 大永昌弘
配給 オーピー映画
公開 日本の旗 2024年12月11日
上映時間 74分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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映像外部リンク
映画『ふたつの月に濡れる』予告編

ふたつの月に濡れる』(ふたつの月に濡れる)は、滝川杏奴による日本の小説。及びこれを原作とする日本映画[2]2020年10月26日ジーウォーク(紅文庫)から書下ろし小説として発売。

2024年12月11日に佐々木浩久監督により映画化され劇場公開[3]。2024年11月開始の『OP PICTURES+フェス2024』内で公開される作品の一つとなっている[4]

あらすじ

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本来は大学生の健吾だが、大学も通わず、ジャズの流れるバーでのバイト兼店長の仕事に従事している。定期試験の前だけ、店の客であり友人の柚季がテスト範囲をまとめたノートを持ってきてくれる。健吾は山で遭難し行方不明だった父の救出・発見費用を稼ぐためにアルバイトに精を出していたが、次第にこちらがメインとなっていた。

ある夜、父親の愛人だったという奈美がフラリと店に現れ、ふたりで山へ出かけることになる。

登場人物

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有村健吾
住宅街の5階建て賃貸マンション1階にあるバー「ホワイトライオン」の雇われ新米マスターであり、バーテンダー[5]。22歳。バーテン歴約1年半。店を任されて約3か月。通称・ケンちゃん。物語開始時点では童貞。大学生であるが父親の死去後学費をためるためにバーでバイトし、現在では大学は休学。バーテンダーが事実上本業になっている。
店舗は約10坪。10席ほどのカウンター席と2つのソファセットで構成され、ジャズボーカルナンバーが流れている[5]。店の内装やBGMの選曲はオーナーである前マスターからのもの。マスターからは聞き上手であることを褒められている。
南野柚季
官能小説家をめざす大学生。22歳。健吾とは同級生。小学生から高校までをスイスで過ごし、語学は堪能。小説家ではなく、官能小説化を目指す理由は、「セックスは人間の最も大切な営み」であり、「(セックスを)汚いもののような扱う風潮に(異を唱えるため)あえて官能小説化になりたい」とのこと[6]。意気込みとは相反するように性知識は疎いが好奇心は旺盛。家庭教師のアルバイトをしている。
早瀬奈美
バーに突然やってきた客。30歳。ハスキーな声をした大人の女性。実は健吾の父・祐介の愛人であり、健吾は一方的に惚れてしまう。祐介の登山仲間でもあり、足腰は鍛えられて細身であるものの、丸い乳房の膨らみと、谷間が特徴[7]。普段着はワンピースなど脚線美の生えるタイトな服装。祐介からは半分冗談で「俺がもし死んだら、健吾を男にしてやってくれ。不器用で彼女もできないだろうから」と遺言を残されている[8]
マスター
「ホワイトライオン」のオーナーであり元マスター。40代で髪はワックスで固めている。黒い蝶ネクタイに、チャコールグレーのベスト姿。「バーには埃一つ落ちててはいけない」が口癖[9]。「繁華街にいい物件を見つけた」[10]ことで健吾に店を譲り、新たな店舗をオープンさせた。
サトちゃん
本名は里村。広告代理店の営業マン。「ホワイトライオン」常連客の一人。34歳、独身[11]。天然パーマ。酔うと冗舌であり、調子が良い[11]。特に女性に対しては話が止まらなくなり、口説いては失敗している[11]。奈美に一目ぼれしている。
嶋田
近隣のコンビニエンスストアの女性店長。「ホワイトライオン」常連客の一人。50代前半[11]。見た目は上品なマダム風だが、性格は豪快[11]。体型はぽっちゃり形[11]。定期的に飲みに行きたいらしいが、アルバイトの欠勤などで、夜勤に入らなくてはいけないときがあり、重要な日に限って来れていない。サトちゃんいわく「ホワイトライオンの肝っ玉母ちゃん」[11]。スコッチが好き。
山下
小学校教諭。40代独身。「ホワイトライオン」近くの実家に住んでいて、たまにぶらりと顔を出す。ワゴン車の持ち主。羊のように気が優しい[12]。映画鑑賞が趣味で、『巴里のアメリカ人』や『パリの恋人』が好み[13]
有村祐介
健吾の父。一昨年の冬に雪山で死亡。仲間と3人で行った北アルプスで雪崩に流された。遺体は見つからなかったので、正確には行方不明であるが、すでに葬儀を終えており、健吾の中では決着している。大手鉄鋼所の経理部勤務[14]

おもな作中登場楽曲

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映画版

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原作小説では一貫して有村健吾の視点で物語が進むが、映画では柚季がヒロイン役となり、彼女を中心に再構成されている。

登場人物(映画)

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南野柚季
演 - 宮崎リン
早瀬奈美
演 - 若宮はずき
みゆき
演 - 西村ニーナ
有村健吾
演 - 村田直樹
ジュン
演 - 橘花咲夢
悦子
演 - 滝本ゆに
有村祐介
演 - 石川雄也

スタッフ(映画)

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  • 監督・脚本:佐々木浩久
  • 原作:滝川杏奴
  • 撮影:鏡早智
  • 照明:宮沢豪
  • 録音:S-ケンジ
  • 音楽:練馬音楽効果集団
  • 編集:大永昌弘
  • 助監督:島崎真人
  • スチール:宮沢豪
  • 監督助手:髙橋実奈
  • 和装:鏡早智
  • 仕上げ:東映ラボ・テック
  • 提供・配給:オーピー映画

脚注

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出典

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  1. ^ ふたつの月に濡れる”. allcinema.net. 2024年11月17日閲覧。
  2. ^ ふたつの月に濡れる”. 映画.com. 2024年11月23日閲覧。
  3. ^ 滝川杏奴 書き下ろし青春小説「ふたつの月に濡れる」(紅文庫、10月26日発売)映画化決定!”. 日本文芸家クラブ (2020年10月27日). 2020年10月27日閲覧。
  4. ^ Inc, Natasha (2024年11月8日). “R15+ピンク映画を上映する「OPフェス」今年も開催、14作品のラインナップ明らかに”. 映画ナタリー. 2024年11月9日閲覧。
  5. ^ a b 滝川杏奴『ふたつの月に濡れる』(2020年、ジーウォーク、紅文庫)14頁
  6. ^ 滝川杏奴『ふたつの月に濡れる』(2020年、ジーウォーク、紅文庫)20頁
  7. ^ 滝川杏奴『ふたつの月に濡れる』(2020年、ジーウォーク、紅文庫)49-51頁
  8. ^ 滝川杏奴『ふたつの月に濡れる』(2020年、ジーウォーク、紅文庫)64頁
  9. ^ 滝川杏奴『ふたつの月に濡れる』(2020年、ジーウォーク、紅文庫)17頁
  10. ^ 滝川杏奴『ふたつの月に濡れる』(2020年、ジーウォーク、紅文庫)18頁
  11. ^ a b c d e f g 滝川杏奴『ふたつの月に濡れる』(2020年、ジーウォーク、紅文庫)38、39頁
  12. ^ 滝川杏奴『ふたつの月に濡れる』(2020年、ジーウォーク、紅文庫)112頁
  13. ^ 滝川杏奴『ふたつの月に濡れる』(2020年、ジーウォーク、紅文庫)118頁
  14. ^ 滝川杏奴『ふたつの月に濡れる』(2020年、ジーウォーク、紅文庫)53頁


外部リンク

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