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ゆく河の流れは絶えずして

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ゆく河の流れは絶えずして』(ゆくかわのながれはたえずして)は、柴田南雄1975年に作曲した合唱交響曲

作曲の経緯

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中日新聞から、昭和50年記念作として依頼を受け、1975年鴨長明の『方丈記』をテキストとして作曲[1]、同年11月7日、森正指揮、名古屋フィルハーモニー交響楽団、名フィル特別合唱団、名古屋女声合唱団、東海メールクワイアー、田中信昭、水谷昌平の合唱指揮により初演された。

楽器編成

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フルート3(1奏者はピッコロ持ち替え)、オーボエ3、クラリネット3、ファゴット3、ホルン4、トランペット4、トロンボーン3、チューバチェレスタ電子オルガンティンパニヴィブラフォン、懸垂シンバルトライアングルゴングタムタム(大・小)、フレクサトーン本鐘、竹の鳴子ウッドブロック小太鼓大太鼓弦五部、12声部の独唱ソリスト、混声合唱

演奏時間

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不確定だが大体約70分~90分 (平均80分)

楽曲構成

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第一部
第1楽章 アダージョ 

4/4拍子ソナタ形式。序章ともいえる楽章で、楽器編成も三管編成になっている。中間部では第2部冒頭の今様をフルートが変奏する[1]

第2楽章 アレグロ

ニ長調 2/2拍子 ソナタ形式。独唱ソリストの一部が方丈記の冒頭を読み上げ、打楽器も加わる。従って管弦楽は前楽章と違い、事実上は伴奏に回っている。古典派の二管編成を再現しており第1主題は弦の分散和音により提示され、第2主題は木管に現れる。展開部は新古典になっている。

第3楽章 スケルツォ アレグレット・グロテスコ 

3/8拍子 - トリオ「コラージュ」モデラート 2/2拍子 テンポ・ティ・ワルツ 3/4拍子 ヴィヴァーチェ - アレグレット・グロテスコ 3/8拍子 1930年代のファシズムをテーマにしている。トリオでは当時の映画主題歌が寄せ集められている。弦のめまぐるしい経過部の後、スケルツォ主題が回帰する[1]

第4楽章 アダージョ・カンタービレ、

三部形式 ロマン派によっている[2]

第5楽章 アダージョ

4/4拍子 - アレグロ(センツァ・テンポ) 終戦から1960年代をテーマにしている。アダージョとアレグロには十二音技法が用いられている[2]。後半では指揮者が活躍せず、偶然性ともとれる場面になる。

第二部
第6楽章

混声合唱が今様で読み上げる『方丈記』の出だしは、第4声まで入る無限カノンに発展していく[2]。最初の声部を担当する女声集団は、客席後方から現れる。

第7楽章

合唱団は客席側に行き、各メンバーが聴衆に『方丈記』の天変地異の部分を朗読する。その後管弦楽が入り絶叫して終曲へ向かう[3]

第8楽章

第6楽章冒頭の『方丈記』がひっそりと再現され、独唱ソリストがこれの最後を朗読する。そして第1楽章の主題が回帰し、曲が閉じられる[4]

参考文献

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  • 最新名曲解説全集3 交響曲III(音楽之友社
  • CD録音 (Fontec FOCD2507) に収録されたライナーノーツ (Fontec)

脚注

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  1. ^ a b c CD録音 (Fontec FOCD2507) に収録されたライナーノーツ。p.2
  2. ^ a b c CD録音 (Fontec FOCD2507) に収録されたライナーノーツ。p.3
  3. ^ CD録音 (Fontec FOCD2507) に収録されたライナーノーツ。p.4
  4. ^ CD録音 (Fontec FOCD2507) に収録されたライナーノーツ。p.5