アカネ属 (植物)
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アカネ属 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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分類(APG IV) | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Rubia L. (1753)[1] | ||||||||||||||||||||||||||||||
タイプ種 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Rubia tinctorum L.[1] | ||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
アカネ属 | ||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Madder | ||||||||||||||||||||||||||||||
種 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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アカネ属(アカネぞく、学名:Rubia、和名漢字表記:茜属)は、アカネ科に属する611属のうちの、アカネ亜科の属の1つ[2]。
特徴
[編集]多年草で、つる性になることも多い。茎には4稜がある。葉は節ごとに対生する本来の2個の葉と、2-6個からなる葉状の托葉からなり、4-8個の葉が輪生しているように見える。花序は散集花序になり、枝先または葉腋から伸ばし、多数の小さな花をつける。萼は鐘形となり、萼裂片はほとんど発達しない。花冠は杯形で、ふつう5裂し広く開くがまれに4裂し、裂片はつぼみ時には敷石状にたたまれる。子房は2室あり、各室に1個の胚珠がある。花柱は先が短く、深く2裂し、花柱の周囲を花盤が取り巻く。雄蕊はふつう5個まれに4個ある。果実は液果で、中央でくびれて、しばしば2個の分果状に分かれる。分果には1個の種子がある[2]。
分布
[編集]世界に約60種あり、日本には5種分布する[2]。
学名の由来
[編集]属名 Rubia は ラテン語 "ruber"「赤」に由来するラテン名。根の色が茜色(アカネ色)であること、およびアカネ属の根からとる染料に由来する[3]。
種
[編集]和名、学名はYListから。
日本に分布する種
[編集]- アカネ Rubia argyi (H.Lév. et Vaniot) H.Hara ex Lauener et D.K.Ferguson - 北海道(南部)、本州、四国、九州、朝鮮半島、中国大陸(南部)、台湾に分布し、山野にふつうに見られる。茎はつる性になり、よく分枝し、長さ1-3mになり、稜上に下向きのごく短いとげがある。葉は4輪生して、葉柄は長さ0.5-4.5cmある。花期は8-9月。花序に10数個から数10個の花をつける。花冠は黄緑色で径3-4mm。果実は球形の液果で、径3-6mm、黒色に熟す[2][4]。
- オオキヌタソウ Rubia chinensis Regel et Maack f. mitis (Miq.) Kitag. - 北海道、本州、四国、九州、朝鮮半島、中国大陸(東北部)に分布し、山地の林中に生育する。茎は直立して、高さ30-60cmになり、稜上に鉤状の刺はない。葉は4輪生して、葉柄は長さ0.5-2cmある。花期は5-7月。花序にまばらに多数の花をつける。花冠は緑白色で径3-4mm。果実は球形の液果で、径4-6mm、黒色に熟す。片方の分果は不熟になることが多い[2][4]。
- マンセンオオキヌタソウ Rubia chinensis Regel et Maack f. chinensis - オオキヌタソウの基本種。本州の中部地方、朝鮮半島、中国大陸(東北部・北部)、アムール、ウスリーに分布する。茎や葉に曲がった毛がやや密に生える[2]。
- クルマバアカネ Rubia cordifolia L. var. lancifolia Regel - 本州(和歌山県西部・中国地方)、四国(瀬戸内海沿岸)、九州(北部)、朝鮮半島、中国大陸(東北部)、ウスリー、アムールに分布し、海岸近くの低山地の林縁に生育する。茎はつる性になり、稜上に下向きの刺がある。葉はやや厚く、主軸には6-8輪生、側枝には4輪生して、葉柄は長さ1-3cmある。和名のとおり、葉が車輪状に多数輪生する。花期は9-10月。花序に多数の花をまばらにつける。花冠は黄緑色で径3-5mm。果実は球形の液果で、径4-6mm、黒色に熟す[2][4]。
- オオアカネ Rubia hexaphylla (Makino) Makino - 北海道、本州(関東地方北部から中部地方)に分布し、山地の林縁にまれに見られる。国外では、朝鮮半島、中国大陸(東北部)、ウスリーに分布する。茎はつる性になり、稜上に下向きの刺がある。葉は薄く、主軸には6-8輪生、枝には4輪生して、葉柄は長さ4-10cmある。花期は8月。花序に数個から10数個の花をつける。花冠は黄緑色で径4mm。果実は球形の液果で、径4-8mm、黒色に熟す[2][4]。
- アカネムグラ Rubia jesoensis (Miq.) Miyabe et T.Miyake - 南千島、北海道、本州(北陸地方・東北地方)、千島列島、サハリン、ウスリーに分布し、海岸近くの湿った草原や湿地に生育する。茎は直立して、高さ20-60cmになり、稜上に下向きの小さな刺がまばらにある。葉は4輪生して、葉の基部が狭まって短い葉柄となる。花期は6-7月。花序にまばらに数個から20数個の花をつける。花冠は白色で径3mm。果実は球形の液果で、径3-4mm、黒色に熟す[2][4]。
国外の主な種、帰化種
[編集]- ナガバアカネ Rubia alata Wall.
- アカミノアカネ Rubia cordifolia L. var. cordifolia - クルマバアカネの基本種。
- インドアカネ Rubia manjith Roxb.
- タチアカネ Rubia nankotaizana Masam.
- ビロードアカネ Rubia pubescens Nakai
- モリアカネ Rubia sylvatica (Maxim.) Nakai
- セイヨウアカネ Rubia tinctorum L. - 地中海沿岸の南ヨーロッパ、西アジア原産で、染料用に古くから栽培されている。逸出していることもある。茎は高さ50-80cmになり、稜上に下向きの刺がある。葉は6輪生し、葉に鉤状の刺毛があってざらつく。花期は夏から秋にかけて。花冠は淡黄色で径5mm。果実は楕円体の液果で、黒色に熟す[4][5]。
ギャラリー
[編集]脚注
[編集]参考文献
[編集]- 清水建美『日本の帰化植物』、2003年、平凡社
- 大橋広好・門田裕一・木原浩他編『改訂新版 日本の野生植物 4』、2017年、平凡社
- 牧野富太郎原著、邑田仁・米倉浩司編集『新分類 牧野日本植物図鑑』、2017年、北隆館
- 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)
- Tropicos