アズマモグラ
アズマモグラ | ||||||||||||||||||||||||||||||
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アズマモグラ Mogera imaizumii
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保全状況評価[1] | ||||||||||||||||||||||||||||||
LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) | ||||||||||||||||||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Mogera imaizumii (Kuroda, 1957)[1][2] | ||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
アズマモグラ[2] | ||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Lesser Japanese mole[2] |
アズマモグラ(Mogera imaizumii)は、真無盲腸目モグラ科モグラ属に属する哺乳類。
分布
[編集]日本(静岡県・長野県・石川県以北の本州<越後平野の一部を除く>、京都府の山地・広島県現:庄原市の山地・三重県の鈴鹿山脈、紀伊半島南部・四国<剣山や石鎚山などの山地>・小豆島の一部に隔離分布)固有種[2][3]
隔離個体群は遺存個体群とされ、コウベモグラに対し山地個体群では土壌が浅く生息好適地でない・あるいは紀伊半島や小豆島では断崖などにより土壌の浅い場所があり侵入が阻止されていると考えられている[3]。
形態
[編集]体長12.1 - 15.9センチメートル[2]。尾長1.4 - 2.2センチメートル[2]。体重48 - 127グラム[2]。地域変異が大きく山地個体群は小型で、太平洋岸平地個体群は大型になり体重では約2倍の差異がある[2]。視力は弱く尾はとても短い[4]。毛色は山地個体群は暗褐色、河川下流域の平野部個体群は褐色みが強い[2]。
吻上面の裸出部は長方形[2]。上顎口蓋部の大きさは普通[2]。上顎の切歯の歯列が浅いアルファベットのV字状[2]。上顎の小臼歯は左右に3本ずつ、下顎の小臼歯は左右に2本ずつ[2]。
小型の個体については、コモグラ M. i. minorとして亜種とする説もある。
モグラは繁殖期以外雌の膣口が閉じ、雄も陰嚢を持たないため雌雄の区別がつきにくいが、生殖突起と肛門との距離を測定することで雌雄判別が可能である。
生態
[編集]低地の草原・農耕地から山地の森林にかけて生息するが、湿潤で土壌の深い平野部を好む[2]。森林内でも土壌が豊かな所には生息する。地下にトンネルを掘り、そこで生活をする。掘り出された土は地上に出され、モグラ塚を作る。活動と休息を含む1日3回の周期をもつ[2]。
主に昆虫やミミズを食べるが、ジムカデ類、ヒル、植物の種子なども食べる[2]。
トンネルの奥に、広葉樹の落ち葉を集めた径が約40cm、高さが約36cmになるボール状の巣を作り繁殖する。主に春(一部は秋)に1回に2 - 6匹の幼獣を産む[2]。寿命は約3年[2]。
種の保全状態評価
[編集]- 都道府県版レッドデータブック
西日本では分布が局地的なため、森林の伐採等による土壌の乾燥化や、それに伴う生息地の消滅が影響していると考えられている。
一方東日本では広範囲で多数生息しているため、IUCNの保全状況では軽度懸念に分類されている。
参考文献
[編集]- ^ a b c Abe, H. & Kawada, S. 2008. Mogera imaizumii. The IUCN Red List of Threatened Species 2008: e.T41465A10476951. doi:10.2305/IUCN.UK.2008.RLTS.T41465A10476951.en. Downloaded on 15 February 2016.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r 阿部永 「アズマモグラ」『日本の哺乳類【改訂2版】』阿部永監修 東海大学出版会、2008年、23頁。
- ^ a b 阿部永 「モグラ類における遺存個体群とその維持機構」日本哺乳類学会 『哺乳類科学』 2001年 41巻 1号 p.35-52, doi:10.11238/mammalianscience.41.35
- ^ “カワセミ通信 No.90”. 戸田市彩湖自然学習センター. 2019年10月31日閲覧。
- 小宮輝之 『日本の哺乳類』 学習研究社<フィールドベスト図鑑>、2002年、P101