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アタカマ石

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
atacamite
チリ産アタカマ石
チリ産アタカマ石
分類 ハロゲン化鉱物
シュツルンツ分類 3.DA.10a
Dana Classification 10.1.1.1
化学式 Cu2(OH)3Cl
結晶系 斜方晶系
へき開 {010}に完全
モース硬度 3.5
光沢 金剛光沢
緑色
条痕 緑色
比重 3.8
文献 [1][2][3][4]
プロジェクト:鉱物Portal:地球科学
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南オーストラリア、Mt. Gunson産のアタカマ石

アタカマ石(アタカマせき[5][6]atacamite、アタカマ鉱)は、ハロゲン化鉱物の一種。化学組成は Cu2(OH)3Cl[6]結晶系斜方晶系[6]

産出地

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主な産地はアタカマ砂漠の他、乾燥地域であるアメリカ合衆国ユタ州などである。日本では東京都三宅島に産する[2]

比較的稀な鉱物で、を含む一次鉱物砂漠風化、または酸化されたときに生成する。火山噴出物熱水噴出孔・変質した青銅や銅の人工物からも報告されている[4]

赤銅鉱ブロシャン銅鉱青鉛鉱カレドニア鉱英語版孔雀石珪孔雀石、またはそれらの多形と共に産する[4]

性質・特徴

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塩基性塩化銅である。結晶として、或いは繊維状、状の集合体でも産出する。

ボタラック石英語版単斜晶系)・単斜アタカマ石(単斜晶系)・パラアタカマ石三斜晶系)などの多形を示す[2]

用途・加工法

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銅鉱石としての利用はさほど多くない。

サイド・ストーリー

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名称は、1801年にアタカマ砂漠で発見されたことに由来する[2]

チロリ属多毛類の中に、の一部がアタカマ石でできているものがいる[7]

アタカマ石グループ

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  • anatacamite - Cu2Cl(OH)3、三斜晶系
  • アタカマ石 atacamite - Cu2(OH)3Cl、斜方晶系
  • ボタラック石 botallackite - Cu2(OH)3Cl、単斜晶系
  • 単斜アタカマ石 clinoatacamite - Cu2(OH)3Cl、単斜晶系
  • gillardite - Cu3Ni(OH)6Cl2、三方晶系
  • haydeeite - Cu3Mg(OH)6Cl2、三方晶系
  • herbertsmithite - Cu3Zn(OH)6Cl2、三方晶系
  • kapellasite - Cu3Zn(OH)6Cl2、三方晶系
  • パラアタカマ石 paratacamite - Cu3(Cu,Zn)(OH)6Cl2、三斜晶系

脚注

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  1. ^ 国立天文台編 編「おもな鉱物」『理科年表 平成20年』丸善、2007年、640頁。ISBN 978-4-621-07902-7 
  2. ^ a b c d Atacamite (英語), MinDat.org, 2012年6月5日閲覧
  3. ^ Atacamite (英語), WebMineral.com, 2012年6月5日閲覧
  4. ^ a b c Atacamite” (PDF) (英語). Handbook of Mineralogy. Mineralogical Society of America. 2012年6月5日閲覧。
  5. ^ 文部省編『学術用語集 地学編』日本学術振興会、1984年、5頁。ISBN 4-8181-8401-2 
  6. ^ a b c 松原聰宮脇律郎『日本産鉱物型録』東海大学出版会国立科学博物館叢書〉、2006年、10頁。ISBN 4-486-03157-1ISBN 978-4-486-03157-4 
  7. ^ Helga C. Lichtenegger; et al. (2002). “High abrasion resistance with sparse mineralization: copper biomineral in worm jaws”. Science (American Association for the Advancement of Science) 298 (5592): 389–92. doi:10.1126/science.1075433. ISSN 0036-8075. PMID 12376695. 

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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