アデニア・グロボーサ
アデニア・グロボーサ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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保全状況評価[1] | |||||||||||||||||||||||||||||||||
LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
分類(APG IV) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
Adenia globosa Engl. | |||||||||||||||||||||||||||||||||
亜種 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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アデニア・グロボーサ[2][3]あるいはアデニア・グロボサ[4](Adenia globosa)とは、トケイソウ科アデニア属の植物の一種である。原産地は東アフリカである(参照: #分布)が、植物愛好家たちの手により採集・栽培・取引されており[5]、日本においても塊茎植物(コーデックス:en:Caudex)の一つとして知られている(参照: #利用)。
種小名 globosa はラテン語で〈球状の〉を意味し、その名の通り幹(塊茎)が球状である[3]。
分布
[編集]ケニアおよびタンザニアに自生し[1]、ソマリア南部にも見られる[5]。ケニアにおいては乾燥灌木林に見られ、2亜種のうち pseudoglobosa はリフトバレーの標高850-1650メートル地帯でのみ確認されているが、基本種の方はリフトバレーには見られず、標高1-1500メートル地帯の場所に自生する[6]。
特徴
[編集]雌雄異株の低木あるいはつる植物で[5]2-8メートル、多かれ少なかれ多肉質、塊茎は多肉質で[6]緑色、径・高ともに1メートルにおよび、その上面から多数の細長い枝を出す[4]。茎には刺が見られるが、基本種のものが長さ2-8センチメートルであるのに対し、亜種 pseudoglobosa のものの方は0.5-2.5センチメートルしかない[6]。
葉は刺の付け根から出るが若いうちしか見られずやがて脱落し、単葉で狭披針形[4]、全縁あるいは3裂し3-7×1-9ミリメートル[6]。
花は腋生で黄緑色、茎の短い集散花序となり、雌花は長さ8-12ミリメートル、雄花は長さ19-30ミリメートル[6]。芳香がある[4]。
果実は革質[5]、平滑で緑色、円形か長円形で1-3×1-2センチメートル[6]、いくらか3稜形である[4]。
利用
[編集]園芸植物
[編集]日本においては夏に成長し、栽培適正気温は20-35度、栽培最低気温は10度[3]というように、寒さに弱い普及種の塊根植物である[2]。日光不足であると徒長するが、逆に長時間日光に当てすぎると今度は幹が日焼けしてしまう[3]。水やりは春から秋にかけてたっぷり行うことが望ましい[3]。挿し木では幹は肥厚しない[4]。
薬用
[編集]アデニア・グロボーサは青酸グリコシドであるデイダクリン(deidaclin)とその立体異性体であるテトラフィリンA(tetraphyllin A)を含み、局地的ではあるが薬用植物としても利用されている[5]。たとえばタンザニアでは茎の抽出液の冷水が腹痛の際に服用され、またかゆみがある際に抽出物の風呂に入る[5]。ケニアではマサイ人が塊茎を家畜用の薬とする[5]。
諸言語における呼称
[編集]ケニアおよびタンザニア:
アデニア属
[編集]アデニア属は Hassler (2019) によれば少なくとも96種が認められている。属名はイエメンのアデンに由来し、アフリカ大陸やマダガスカル、アジアなどの熱帯地域に広く分布する[8]。多くの種が塊茎あるいは塊根を持ち、長い蔓を伸ばし、グロボーサのほかにはグラウカ(A. glauca)、キルキー(A. kirkii)、スピノーサ(A. spinosa)といった種が園芸種として知られている[9][10]。
脚注
[編集]- ^ a b IUCN SSC East African Plants Red List Authority (2013).
- ^ a b 主婦の友社 (2019:45).
- ^ a b c d e 横町 (2016:66-7).
- ^ a b c d e f 人見 (1988).
- ^ a b c d e f g de Ruijter (2008).
- ^ a b c d e f g Beentje (1994).
- ^ Quattrocchi (2012).
- ^ 主婦の友社 (2019:42).
- ^ 主婦の友社 (2019:42, 45).
- ^ 横町 (2016:64-5).
参考文献
[編集]英語:
- Beentje, H.J. (1994). Kenya Trees, Shrubs and Lianas. Nairobi, Kenya: National Museum of Kenya. ISBN 9966-9861-0-3
- Hassler, M. (2019). World Plants: Synonymic Checklists of the Vascular Plants of the World (version Nov 2018). In: Species 2000 & ITIS Catalogue of Life, 20th February 2019 (Roskov Y., Ower G., Orrell T., Nicolson D., Bailly N., Kirk P.M., Bourgoin T., DeWalt R.E., Decock W., Nieukerken E. van, Zarucchi J., Penev L., eds.). Digital resource at http://www.catalogueoflife.org/col. Species 2000: Naturalis, Leiden, the Netherlands. ISSN 2405-8858.
- IUCN SSC East African Plants Red List Authority (2013). Adenia globosa. The IUCN Red List of Threatened Species 2013: e.T179491A1580420. doi:10.2305/IUCN.UK.2013-2.RLTS.T179491A1580420.en Downloaded on 17 February 2019.
- Quattrocchi, Umberto (2012). CRC World Dictionary of Medicinal and Poisonous Plants: Common Names, Scientific Names, Eponyms, Synonyms, and Etymology. Boca Raton and London and New York: CRC Press. p. 80. ISBN 978-1-4822-5064-0. NCID BB09914640
- de Ruijter, A. "Adenia globosa Engl." In Schmelzer, G.H. and A. Gurib-Fakim (eds.) (2008). Medicinal Plants 1 (Plant Resources of Tropical Africa 11(1)), p. 38. Wageningen, Netherlands: PROTA Foundation.
日本語:
- 主婦の友社 編『多肉植物 & コーデックス GuideBook』2019年。ISBN 978-4-07-434371-3。
- 人見弘「アデニア〔属〕」『園芸植物大事典1』小学館、1988年、101頁。
- 横町, 健『All about CAUDEX 塊根植物のすべて』三才ブックス、2016年。ISBN 978-4-86199-934-5。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- isla del pescado - Adenia globosa-アデニア・グロボーサ - 栽培方法に関する詳しい記述あり。個人サイトであるが、主婦の友社 (2019) の編集に携わっている。