アルコRS-3形ディーゼル機関車
アルコRS-3 | |
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シーボード・コースト・ライン鉄道(SCL)の塗装となったRS-3。フロリダ州パリッシュにて。 | |
基本情報 | |
製造所 | アメリカン・ロコモティブ |
製造年 | 1950年 - 1956年 |
製造数 | 1,418両 |
投入先 | 北米、スペイン、ブラジル |
主要諸元 | |
軸配置 | B-B |
軌間 | 1,435 mm |
長さ | 17.22 m |
幅 | 3.089 m |
高さ | 4.397 m |
機関車重量 | 112.1 t |
動力伝達方式 | 電気式 |
機関 |
ALCO 244-D V型12気筒4行程ディーゼル機関 (131,288 cc) |
発電機 | GE GT-581 |
主電動機 | GE 752 × 4基 |
出力 | 1,600馬力 (1,200 kW) |
引張力 | 28,021 kg |
アルコRS-3は、アメリカン・ロコモティブ(アルコ)が生産した車軸配置B-B、ロード・スイッチャータイプの電気式ディーゼル機関車である。1950年5月から1956年8月にかけて合計1,418両が製造された。うち1,265両がアメリカ国内で使用されたほか、98両がカナダへ、48両がブラジルへ、7両がメキシコへ納入された。
解説
[編集]本形式は、GM-EMD、フェアバンクス・モース、ボールドウィン・ロコモティブ・ワークスに対抗して製造された。1950年、フェアバンクス・モースは1,600馬力 (1,200 kW)のH-16-44を、また同年、ボールドウィンはやはり1,600 hp (1,200 kW)のAS-16を開発していた。アルコを含む3社は、既存の車両を改良することで出力の増強をはかり、EMDの1,500馬力 (1,100 kW)の機関車、GP7に対抗した。EMDは他社が出力増強をはかってもGP7の製造を続け、EMDがようやく出力を1,750 hp (1,300 kW)としたGP9をリリースしたのは1954年であった。
結局、このクラスのロード・スイッチャー製造競争において、3社がEMDに勝ることはなかった。EMDはGP7だけで2,729両を製造したが、アルコはRS-2を383両とRS-3を1,370両の計1753両、フェアバンクス・モースG-H15-44を30両とH-16-44を296両、ボールドウィンはDRS-4-4-15を32両とAS-16を127両製造して終了した。
スペイン
[編集]1964年、スペイン・アストゥリアス州のラングレオ鉄道が4両のRS-3をターミナル・レールロード・アソシエーションより購入した。1971年には5両目をバーリントン・ノーザン鉄道(BN)より購入した。この5両目は、グレート・ノーザン鉄道(GN)の余剰車で、BNへの合併後も残されていたものであった。
同鉄道はスペインの中で最も古い鉄道の一つであり、軌間は標準軌(1,435 mm)を採用していたことから、アメリカ時代のまま運用がなされていたが、1973年にスペイン狭軌鉄道(FEVE)に組み込まれ、さらに1984年にメーターゲージ(1,000 mm)へ改軌されたことから、現役を退いた。
参考文献
[編集]- Pinkepank, Jerry A. (1973). The Second Diesel Spotter's Guide. Kalmbach Publishing Co., Milwaukee, WI. ISBN 0-89024-026-4
- Solomon, Brian (2000). The American diesel locomotive. MCI Publishing Company. ISBN 0-7603-0666-4