アルフレッド・ジャリ
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アルフレッド・ジャリ(仏: Alfred Jarry, 1873年9月8日 - 1907年11月1日)は、フランスの小説家、劇作家。ブルターニュ地方に近いマイエンヌ県ラヴァル生まれ。母方からブルトン人の血を引く。
大学受験でパリに上京。象徴主義の作家たち、ポン゠タヴェン派・ナビ派の画家たちと交流し作家となった。作品は反響を呼び認められたが、悪趣味と退廃に満ちた生活を送り、アルコールや薬物依存で結核が悪化、34歳で亡くなった。
作風
[編集]代表作は戯曲『ユビュ王』(Ubu Roi, 1896年)、「現代小説」という副題を付けた小説『超男性』(Le Surmâle, 1901年)。自転車の愛好家でもあり、『超男性』などに題材として取り入れている。
『ユビュ王』は1920年代から1930年代のシュルレアリスム演劇の先駆的な作品と評された。不条理文学の分野における開拓者ともみなされる。
小説『フォーストロール博士言行録』(Gestes et opinions du docteur Faustroll, pataphysicien, 1899年)において、「パタフィジック」なる概念を提起した。他に『訪れる愛』、『メッサリナ』がある。
日本語訳作品
[編集]- 『ジャリ詩集』(宮川明子訳、思潮社・古典選書02) 1968
- 『アルフレッド・ジャリ』(ジャック=アンリ・レヴェスク編、宮川明子訳、思潮社、セリ・ポエティク04) 1969
- 『超男性』(Le Surmâle、澁澤龍彦訳、白水社) 1975、白水Uブックス 1989、愛蔵単行版 2017
- 『ユビュ王 - 戯曲』(Ubu roi、竹内健訳、現代思潮社) 1965、新装版 1970、改訳版・現代思潮新社 2013
- 『ユビュ王 - Comic』(Ubu、フランツィシュカ・テマソン絵、宮川明子訳、青土社) 1993
- 『フォーストロール博士言行録』(Gestes Et Opinions Du Docteur Faustroll)
- 相磯佳正訳(フランス世紀末文学叢書6:国書刊行会) 1985
- 『馬的思考』(伊東守男訳、サンリオSF文庫18-A) 1979。エッセイとコラム集
- 『昼と夜 絶対の愛』(佐原怜訳、幻戯書房) 2023。小説2編
- 「ケルヴィン卿への二通のテレパシー的書簡」(Two Telepathic Letters to Lord Kelvin、久霧亜子訳、「季刊NW-SF」1972年1月 No.5に掲載)
- 「フジヤマ」(伊藤守男訳、本間祐編、ちくま文庫『超短編アンソロジー』に収載)
- 「ユビュ王 - 戯曲」(窪田般彌訳、白水社、『現代世界演劇01』に収載)