岡谷公二
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岡谷 公二(おかや こうじ、1929年4月9日 - )は、日本のフランス文学・美術研究者、翻訳家。 跡見学園女子大学名誉教授。
経歴
[編集]東京生まれ。岡谷鋼機創業者一族の出。父の岡谷順之助は岡谷商店副社長で岡谷鋼機取締役。外祖父の高松定一は堀川貯蓄銀行取締役。
父親の指示で慶應義塾予科医学部に進学するが、医学を放棄して東京大学文学部に進学する[1]。1952年東京大学文学部美学美術史学科卒業。大学時代は『第15次新思潮』に参加。
その後ゴーギャン、アンリ・ルソーなど、熱帯に魅せられた画家たちの翻訳、研究を著し、柳田國男の青春期を研究し、友人であった田山花袋の初期作品が、ほぼ柳田自身の悲恋をモデルとしていることをつきとめた。
1964年杉野学園女子大学助教授、1965年跡見学園女子大学助教授、1970年に同教授、定年退任後は名誉教授[2]。
2009年『南海漂蕩』で第21回和辻哲郎文化賞受賞。
著書
[編集]- 『柳田国男の青春』(筑摩書房) 1977、筑摩叢書(改訂版) 1991
- 『島の精神誌』(思索社) 1981
- 『アンリ・ルソー 楽園の謎』(新潮選書) 1983、中公文庫 1993、平凡社ライブラリー 2006
- 『島 水平線に棲む幻たち』(白水社) 1984
- 『貴族院書記官長 柳田国男』(筑摩書房) 1985
- 『神の森 森の神』(東京書籍、東書選書) 1987
- 『南海漂泊 土方久功伝』(河出書房新社) 1990
- 『郵便配達夫シュヴァルの理想宮』(作品社) 1992、河出文庫 2001、改訂版・河出書房新社 2019
- 『殺された詩人 柳田国男の恋と学問』(新潮社) 1996
- 『柳田國男の恋』(平凡社) 2012 - 増訂版
- 『レーモン・ルーセルの謎 彼はいかにして或る種の本を書いたか』(国書刊行会) 1998
- 『南の精神誌』(新潮社) 2000
- 『島 / 南の精神誌』(人文書院) 2016 - 増補版(島の精神誌・神の森-ほか)
- 『ピエル・ロティの館 エグゾティスムという病い』(作品社、叢書メラヴィリア) 2000
- 『絵画のなかの熱帯 ドラクロワからゴーギャンへ』(平凡社) 2005
- 『南海漂蕩 ミクロネシアに魅せられた土方久功・杉浦佐助・中島敦』(冨山房インターナショナル) 2007
- 『原始の神社をもとめて 日本・琉球・済州島』(平凡社新書) 2009
- 『神社の起源と古代朝鮮』(平凡社新書) 2013
- 『伊勢と出雲』(平凡社新書) 2016
- 『沖縄の聖地 御嶽 神社の起源を問う』(平凡社新書) 2019
共編著ほか
[編集]- 『独身者の箱』(編、筑摩書房、澁澤龍彦文学館9) 1990
- 『「青」の民俗学 谷川健一の世界』(山下欣一共編、三一書房) 1997
- 『柳田国男 さゝやかなる昔〈抄〉 / 故郷七十年〈抄〉』(編、日本図書センター、作家の自伝61:シリーズ人間図書館) 1998
- 『創作集 騎士来訪』(私家版) 2000
- 『回想集 夢の顔』(私家版) 2000
- 『シュヴァル 夢の宮殿をたてた郵便配達夫』(山根秀信絵、福音館書店、たくさんのふしぎ傑作集) 2016
翻訳
[編集]- 『タヒチからの手紙』(ポール・ゴーガン、昭森社) 1962
- 『古代イランの美術 1・2』(ロマン・ギルシュマン、新潮社、人類の美術) 1966
- 『黒人アフリカの美術』(ミッシェル・レーリス、ジャックリーヌ・ドランジュ、新潮社、人類の美術) 1968
- 『ギリシア・アルカイク美術』(ジャン・シャルボノー、ロラン・マルタン、フランソワ・ヴィラール、新潮社、人類の美術) 1970
- 『暴力の義務』(ヤンボ・ウオロゲム、新潮社) 1970
- 『エルサレムの乞食』(エリー・ヴィーゼル、新潮社) 1974
- 『石が書く』(ロジェ・カイヨワ、新潮社) 1975
- 『ギリシア・ヘレニスティク美術』(ジャン・シャルボノー、ロラン・マルタン、フランソワ・ヴィラール、新潮社、人類の美術) 1975
- 『シュルレアリストたち』(フィリップ・オードワン、笹本孝共訳、白水社) 1977
- 『アフリカの印象』(レーモン・ルーセル、白水社) 1980、新版 2001、平凡社ライブラリー 2007
- 『オヴィリ 一野蛮人の記録』(ポール・ゴーギャン、みすず書房) 1980
- 『ロクス・ソルス』(レーモン・ルーセル、ペヨトル工房) 1988、平凡社ライブラリー 2004
- 『グリューネヴァルト イーゼンハイムの祭壇画』(クリスチャン・エック、新潮社) 1993
- 『ユイスマンス伝』(ロバート・バルディック、学習研究社) 1996
ミシェル・レリス
[編集]- 『幻のアフリカ 1』(ミシェル・レリス、田中淳一, 高橋達明共訳、イザラ書房) 1971
- 完訳版『幻のアフリカ』(河出書房新社) 1995、平凡社ライブラリー 2010
- 『日常生活の中の聖なるもの』(ミシェル・レリス、思潮社、ミシェル・レリスの作品4) 1972
- 『レーモン・ルーセル 無垢な人』(ミシェル・レリス、ペヨトル工房) 1991
- 『ゲームの規則』(ミシェル・レリス、筑摩書房) 1995
- 『ピカソ、ジャコメッティ、ベイコン』(ミシェル・レリス、人文書院) 1999
- 『デュシャン、ミロ、マッソン・ラム』(ミシェル・レリス、人文書院) 2002
- 『抹消 ゲームの規則Ⅰ』(ミシェル・レリス、平凡社) 2017[3]
- 『軍装 ゲームの規則Ⅱ』(ミシェル・レリス、平凡社) 2017