コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

アル・ホーフォード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アル・ホーフォード
Al Horford
ボストン・セルティックスでのホーフォード
(2021年)
ボストン・セルティックス  No.42
ポジション PF / C
所属リーグ NBA
基本情報
愛称 Horf
Big Al
国籍 ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国
生年月日 (1986-06-03) 1986年6月3日(38歳)
出身地 プエルト・プラタ州プエルト・プラタ
身長 206cm (6 ft 9 in)
体重 109kg (240 lb)
ウィングスパン 215cm  (7 ft 1 in)[1]
垂直跳び 78.7cm[2]
キャリア情報
高校 グランドレッジ高等学校
大学 フロリダ大学
NBAドラフト 2007年 / 1巡目 / 全体3位[1]
プロ選手期間 2007年–現在
経歴
20072016アトランタ・ホークス
20162019ボストン・セルティックス
2019–2020フィラデルフィア・76ers
2020–2021オクラホマシティ・サンダー
2021ボストン・セルティックス
受賞歴
Stats ウィキデータを編集 Basketball-Reference.com
Stats ウィキデータを編集 NBA.com 選手情報 NBA.Rakuten
代表歴
キャップ ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国

アルフレッド・ジョエル・ホーフォード・レイノーソAlfred Joel Horford Reynoso, 1986年6月3日 - )は、ドミニカ共和国プエルト・プラタ州プエルト・プラタ出身のプロバスケットボール選手NBAボストン・セルティックスに所属している。ポジションはパワーフォワードまたはセンター。妻はモデルのアメリア・ベガ[3]

経歴

[編集]

生い立ち

[編集]

ドミニカ人初のNBA選手であるティト・ホーフォードを父に持つ。幼少の頃に両親は離婚し、ホーフォードは母とサントドミンゴに住んでいたが、14歳の時にバスケットボール選手になることを志し、父の待つアメリカに渡った。

グランドレッジ高校卒業後、フロリダ大学に進学。1年生から先発に起用され、2年目の2005-06シーズンのNCAAトーナメントでは11.8得点10.0リバウンドのダブルダブルの成績でチームを牽引し、同校のトーナメント制覇に貢献、自身はファイナル4のオールトーナメントチーム(ベスト4に進んだチームから選ばれた5人の選手)に選出された。翌シーズンのNCAAトーナメントも勝ち進み、決勝ではオハイオ州立大学と対戦。ホーフォードは同校のスタープレイヤーグレッグ・オデンとマッチアップ、18得点12リバウンドをあげてチームのトーナメント連覇に貢献し、自身もファイナル4オールトーナメントチームに選ばれた。シーズン終了後、2007年のNBAドラフトにアーリーエントリーした。

アトランタ・ホークス

[編集]
ホークス時代(2013年)

ドラフトではアトランタ・ホークスから1巡目3位指名を受けてNBA入りを果たす。1位はグレッグ・オデン、2位はケビン・デュラントであった。この年のドラフトでは5人のフロリダ大ゲーターズの選手が指名を受け、ホーフォード、コーリー・ブリューワージョアキム・ノアの3人が1巡目指名を受けた。

ルーキーイヤーの2007/08シーズンから先発に起用され、10.1得点9.7リバウンドとダブルダブルに迫る成績を残し、月間新人賞には4回選ばれた。新人王争いでは1位のケビン・デュラント545ポイントに対し、390ポイントで2位となり、受賞を逃した[4]。このシーズンのプレイはホークスの9シーズンぶりのプレーオフ進出に大きな貢献を果たした。

2010年、2011年にはNBAオールスターゲームのリザーブに選ばれた

2012年1月11日、左肩に軽傷を負ったが、後に大胸筋の断裂であることが判明し[5]、残りのシーズンを全休することになり、復帰はプレーオフ1st.ラウンドの第4戦となった。

2012-13シーズン、2013年2月27日のユタ・ジャズ戦でキャリアハイの34ポイントを記録、2013-14シーズン、12月13日のワシントン・ウィザーズ戦では、オーバータイムにブザービーターを決めるなど、キャリアハイに並ぶ34ポイントを記録したが[6]、12月26日、同様の故障を右大胸筋でも起こし[7]、シーズン終了となる手術を受けた[8]

2015年1月13日、フィラデルフィア・セブンティシクサーズ戦で、20得点、10リバウンド、10アシストの、自身初めてとなるトリプル・ダブルを記録した [9]

2015年のNBAオールスターゲームに、チームメートのジェフ・ティーグポール・ミルサップと共にリザーブとして選ばれた[10]

ボストン・セルティックス

[編集]

2016年7月2日、ボストン・セルティックスと4年1億1300万ドルのマックス契約を結んだ[11]

2017-18シーズン、2018年2月5日のポートランド・トレイルブレイザーズとの対戦ではブザービーターで決勝点を決めた[12]。2月18日に行われるNBAオールスターゲームに出場することが発表された[13]

2018-2019シーズンオフにプレイヤーオプションを破棄してFAとなった。

フィラデルフィア・76ers

[編集]

2019年7月1日にフィラデルフィア・76ersと4年1億900万ドルのマックス契約を結んだ[14]

オクラホマシティ・サンダー

[編集]

2020年11月19日にダニー・グリーンらとのトレードでオクラホマシティ・サンダーへ移籍した[15]。28試合に先発して平均14.2得点6.7リバウンドの成績を残していたものの、再建中のチームにあって、若手選手に出場時間を与えて育てたいというチームの意向から、チームとの話し合いにより3月以降は出場せずにシーズンを終えた[16]

セルティックス復帰

[編集]

2021年6月18日にケンバ・ウォーカー、ドラフト指名権とのトレードで、モーゼス・ブラウンと共にかつて所属したセルティックスへ復帰した[17]。2021-22シーズン、カンファレンスファイナル、ミルウォーキー・バックスとの第4戦でプレーオフでのキャリア最多となる30得点を記録[18]。チームはファイナルに進出、ゴールデンステート・ウォリアーズとのファイナル第1戦では、レギュラーシーズンとプレーオフでの自己最多に並ぶ6本の3ポイントを決めるなど、26得点を挙げて勝利した[19]。第6戦でも4本の3ポイントを含む19得点を挙げたが、2勝4敗で初のチャンピオン獲得はならなかった。

2023-24シーズン、クリスタプス・ポルジンギスの加入により、シックスマンとしてベンチスタートになることが増えた。3月15日のフェニックス・サンズとの対戦で、自己最多タイとなる6本の3ポイントを決めるなど、シーズン最多の24得点を挙げた[20]。プレイオフカンファレンス準決勝、クリーブランド・キャバリアーズとの第5戦において22点、15リバウンド、5アシストを記録してカンファレンスファイナル進出に貢献、37歳を超える選手がプレイオフで20点、15リバウンド、5アシスト以上をマークしたNBA選手としては3人目となった(過去にカリーム・アブドゥル・ジャバーレブロン・ジェームズが達成)[21]。また、プレーオフで20得点10リバウンド5アシストに5本の3ポイントシュートを決めた選手としては37歳と347日でレブロン・ジェームズを抜いて最年長となった[22]。カンファレンス決勝、インディアナ・ペイサーズとの第3戦でレギュラーシーズンとプレーオフを含めてキャリアハイ更新となる7本のスリーポイントを決めるなど、23得点を記録した[23]。現役選手として優勝無しでのプレーオフ出場試合数は最多となる185試合と記録を更新中で[24]、NBA歴代記録でもカール・マローンの持つ193試合優勝無しの記録に迫っていたが、ダラス・マーベリックスとのファイナル第5戦で186試合目にして初優勝を果たした[24][25]。ドミニカ共和国国籍の選手の優勝はNBA史上初であった[26]。また、初優勝までにプレーオフで出場した試合数186試合は、これまでゲイリー・ペイトンが持っていた152試合を上回って歴代最多となった[27]

プレースタイル

[編集]

プロとしての意識が高く[28]、極めて高いバスケットボールIQを持つ選手である[29]。チームの為に攻守に自己を犠牲にしてプレーするなど、数字には表れない貢献度も高い[28]ダニー・エインジからは「全NBAチームのコーチが欲しい選手」と評価されるなど、首脳陣やチームメイトからの信頼度が高い[28]。キャリアの初期はミドルジャンパーを得意とし、3ポイントを放つことはほとんど無かったが、キャリア中期以降3ポイントを放つようになると、3ポイントからも多くの得点を決めるようになった[30]

個人成績

[編集]
略称説明
  GP 出場試合数   GS  先発出場試合数  MPG  平均出場時間
 FG%  フィールドゴール成功率  3P%  スリーポイント成功率  FT%  フリースロー成功率
 RPG  平均リバウンド  APG  平均アシスト  SPG  平均スティール
 BPG  平均ブロック  PPG  平均得点  太字  キャリアハイ
  優勝シーズン     リーグリーダー

NBA

[編集]

レギュラーシーズン

[編集]
シーズン チーム GP GS MPG FG% 3P% FT% RPG APG SPG BPG PPG
2007–08 ATL 81 77 31.4 .499 .000 .731 9.7 1.5 .7 .9 10.1
2008–09 67 67 33.5 .525 .000 .727 9.3 2.4 .8 1.4 11.5
2009–10 81 81 35.1 .551 1.000 .789 9.9 2.3 .7 1.1 14.2
2010–11 77 77 35.1 .557 .500 .798 9.3 3.5 .8 1.0 15.3
2011–12 11 11 31.6 .553 .000 .733 7.0 2.2 .9 1.3 12.4
2012–13 74 74 37.2 .543 .500 .644 10.2 3.2 1.1 1.1 17.4
2013–14 29 29 33.1 .567 .364 .682 8.4 2.6 .9 1.5 18.6
2014–15 76 76 30.5 .538 .306 .759 7.2 3.2 .9 1.3 15.2
2015–16 82 82 32.1 .505 .344 .798 7.3 3.2 .8 1.5 15.2
2016–17 BOS 68 68 32.3 .473 .355 .800 6.8 5.0 .8 1.3 14.0
2017–18 72 72 31.6 .489 .429 .783 7.4 4.7 .6 1.1 12.9
2018–19 68 68 29.0 .535 .360 .821 6.7 4.2 .9 1.3 13.6
2019–20 PHI 67 61 30.2 .450 .350 .763 6.8 4.0 .8 .9 11.9
2020–21 OKC 28 28 27.9 .450 .368 .818 6.7 3.4 .9 .9 14.2
2021–22 BOS 69 69 29.1 .467 .336 .842 7.7 3.4 .7 1.3 10.7
2022–23 63 63 30.5 .476 .446 .714 6.2 3.0 .5 1.0 9.8
2023–24 65 33 26.8 .511 .419 .867 6.4 2.6 .6 1.0 8.6
通算 1,078 1,036 31.8 .513 .379 .760 8.0 3.2 .8 1.2 13.1
オールスター 5 0 12.0 .667 .200 1.000 4.4 1.6 .4 .4 6.2

プレーオフ

[編集]
シーズン チーム GP GS MPG FG% 3P% FT% RPG APG SPG BPG PPG
2008 ATL 7 7 39.6 .472 --- .741 10.4 3.6 .4 1.0 12.6
2009 9 9 28.0 .424 .000 .667 5.8 2.0 .7 .7 6.9
2010 11 11 35.3 .523 1.000 .839 9.0 1.8 .7 1.7 14.6
2011 12 12 39.0 .423 .000 .769 9.6 3.5 .4 1.0 11.3
2012 3 2 36.0 .588 --- .750 8.3 2.7 1.3 1.3 15.3
2013 6 6 36.3 .494 --- .667 8.8 3.0 1.0 .8 16.7
2015 16 16 32.6 .507 .222 .750 8.6 3.7 .8 1.4 14.4
2016 10 10 32.7 .466 .393 .938 6.5 3.0 1.2 2.4 13.4
2017 BOS 18 18 33.9 .584 .519 .759 6.6 5.4 .8 .8 15.1
2018 19 19 35.7 .544 .349 .827 8.3 3.3 1.0 1.2 15.7
2019 9 9 34.4 .418 .409 .833 9.0 4.4 .4 .8 13.9
2020 PHI 4 3 32.0 .480 .000 .571 7.3 2.3 .3 1.3 7.0
2022 BOS 23 23 35.4 .523 .480 .778 9.3 3.3 .8 1.3 12.0
2023 20 20 30.9 .386 .298 .750 7.2 3.0 1.1 1.7 6.7
2024 19 15 30.3 .478 .368 .636 7.0 2.1 .8 .8 9.2
通算 186 180 33.8 .493 .391 .773 8.0 3.3 .8 1.2 12.2

カレッジ

[編集]
シーズン チーム GP GS MPG FG% 3P% FT% RPG APG SPG BPG PPG
2004–05 フロリダ 32 25 22.8 .480 --- .582 6.5 .9 .8 1.6 5.6
2005–06 39 39 25.9 .608 .000 .611 7.6 2.0 1.0 1.7 11.3
2006–07 38 36 27.8 .608 .000 .644 9.5 2.2 .7 1.8 13.2
通算 109 100 25.7 .586 .000 .619 7.9 1.7 .9 1.7 10.3

脚注

[編集]
  1. ^ Al-Horford”. draftexpress.com (2007年). 2018年4月1日閲覧。
  2. ^ http://www.draftexpress.com/nba-pre-draft-measurements/measurements.php?year=2007
  3. ^ Salao, R. P. (2021年6月24日). “Meet Al Horford's Wife: Amelia Vega” (英語). ClutchPoints. 2022年1月21日閲覧。
  4. ^ Durant is NBA Rookie of the Year; Horford second” (英語). ESPN (May 2 , 2008). April 5, 2024閲覧。
  5. ^ Atlanta Hawks’ Center Al Horford Injured for Rest of Season”. January 1, 2014閲覧。
  6. ^ Hawks top Wizards on Al Horford's overtime buzzer-beater”. USA TODAY (December 14 2013). 2023年11月17日閲覧。
  7. ^ HAWKS INJURY REPORT – DECEMBER 27, 2013”. NBA.com (December 27, 2013). January 1, 2014閲覧。
  8. ^ Hawks' Horford has season-ending surgery
  9. ^ “Hawks at Celtics” (英語). NBA.com. http://www.nba.com/games/20150114/ATLBOS/gameinfo.html 2018年4月1日閲覧。 
  10. ^ Al Horford, Paul Millsap and Jeff Teague Named Eastern Conference All-Stars”. NBA.com (2015年1月29日). 2015年7月3日閲覧。
  11. ^ Al Horford will sign a four-year, $113 million deal with Celtics” (英語). www.sportando.com. 2018年4月1日閲覧。
  12. ^ Horford hits at buzzer, Celtics top Trail Blazers 97-96” (英語). ESPN (FEbruary 5, 2018). April 5, 2024閲覧。
  13. ^ ブラッドリー・ビール、ビクター・オラディポ、クリスタプス・ポルジンギス、カール・アンソニー・タウンズが初選出”. NBA.com (2018年1月24日). 2018年1月25日閲覧。
  14. ^ シクサーズがチームに調和を与えるビッグマン、アル・ホーフォードを獲得”. バスケット・カウント | Basket Count. 2022年1月3日閲覧。
  15. ^ Thunder officially complete trade for Al Horford” (英語). www.nba.com. 2022年1月3日閲覧。
  16. ^ NBA Finals 2022: Inside Al Horford's 15-year journey to his Finals breakthrough” (英語). ESPN (June 9, 2022). June 21, 2024閲覧。
  17. ^ Boston Celtics: The aftermath of the Kemba Walker for Al Horford trade” (英語). Hardwood Houdini (2021年6月18日). 2021年6月18日閲覧。
  18. ^ Triggered by Giannis Antetokounmpo Al Horford scores playoff career high 30 points to rescue Boston Celtics in Game 4” (英語). ESPN (May 10, 2022). March 15, 2024閲覧。
  19. ^ NBA Finals MVP Ladder Al Horford makes opening case after Game 1” (英語). NBA (June 4, 2022). March 15, 2024閲覧。
  20. ^ Horford Outshines Suns in Season-High Scoring Effort” (英語). NBA (March 15, 2024). March 15, 2024閲覧。
  21. ^ セルティックスがキャバリアーズを本拠地で破り、カンファレンス決勝へ一番乗り”. NBA RAKUTEN (May 17, 2024). May 17, 2024閲覧。
  22. ^ イースト決勝へ駒を進めたセルティックスのアル・ホーフォード「ポジティブなステップ」”. バスケットボールキング (may 18, 2024). May 20, 2024閲覧。
  23. ^ Celtics vs. Pacers: Al Horford continues to defy age with record-setting 3-point performanc” (英語). CBS (May 26, 2024). May 27, 2024閲覧。
  24. ^ a b Celtics capture 18th NBA championship with Game 5 win over Mavericks” (英語). NY TIMES (June 18, 2024). June 18, 2024閲覧。
  25. ^ Celtics' Al Horford finally wins first NBA title, removes name from list featuring Karl Malone, James Harden” (英語). CBS NBA (June 18, 2024). June 18, 2024閲覧。
  26. ^ For Dominicans, Celtics star Al Horford is a national treasure after NBA championship victory” (英語). AP (June 18, 2024). June 21, 2024閲覧。
  27. ^ Al Horford wins NBA title with Celtics in 186th playoff game” (英語). ESPN (June 18, 2024). June 18, 2024閲覧。
  28. ^ a b c 【NBA】オールスター出場選手紹介 TEAMステフィン④/アル・ホーフォード(ボストン・セルティックス)”. バスケットボールキング (Februay 1, 2018). April 6, 2024閲覧。
  29. ^ Al Horford claims Porzingis has been ‘unbelievable' in workouts” (英語). NBC SPORTS (October 2, 2023). April 5, 2024閲覧。
  30. ^ NBA Finals: Why Celtics big Al Horford embraced 3-point shooting for career longevity” (英語). AOL. March 15, 2024閲覧。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]