アレグリア・アレグリア
『アレグリア・アレグリア』 | ||||
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カエターノ・ヴェローゾ の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
ジャンル | MPB、サイケデリック・ロック、トロピカリア | |||
時間 | ||||
レーベル | フィリップス・レコード | |||
プロデュース | Manoel Barenbein | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
カエターノ・ヴェローゾ アルバム 年表 | ||||
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ミュージックビデオ | ||||
「Tropicalia」 - YouTube |
『アレグリア・アレグリア』(原題:Caetano Veloso)は、ブラジルのミュージシャン、カエターノ・ヴェローゾが1968年に発表した、ソロ名義では初のスタジオ・アルバム[1]。
背景
[編集]収録曲のうち「アレグリア・アレグリア」は、1967年にTVヘコールが主催したフェスティヴァルにエントリーされ、予選では観客から野次を受けたが、最終的には4位に入賞した[2]。この曲は本作に先駆けて、1967年のうちにシングル・ヒットしている[1][2]。
「トロピカリア」の曲名は、エリオ・オイチシカ(Hélio Oiticica)のインスタレーション作品に由来しており[1][2]、この曲を聴いた映画監督ルイス・カルロス・バヘット(Luiz Carlos Barreto)の発案でタイトルが決まった[2]。この曲は最終的に、トロピカリアと呼ばれる文化運動を象徴する曲として評価される[1][2]。1967年のアルバム『ドミンゴ』でヴェローゾと共演したガル・コスタは、本作の「クラーラ」にもボーカルで参加した[3]。
当時ヴェローゾは、ビートルズの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』を超えるアルバム作りを目指しており、その影響でサイケデリック・ロック色も取り入れられた[1]。
評価
[編集]本作は2001年にラテン・グラミーの殿堂入りを果たした[4]。『ローリング・ストーン・ブラジル』誌が選出した「ブラジル音楽の偉大なアルバム100」では37位にランク・イン[5]。
Philip Jandovskýはオールミュージックにおいて5点満点を付け「カエターノ・ヴェローゾの初のソロ・アルバムというだけでなく、芸術的なクオリティという意味でも、史上初のトロピカリアのアルバムと位置付けられている意味でも、このアルバムは傑作で、ブラジルのポピュラー音楽史における最重要アルバムの一つである」と評している[1]。また、オールミュージックの企画「オールミュージック・ラヴズ1968」では、アンディ・ケルマンとジェイムズ・クリストファー・モンガーの2名が、1968年を代表するアルバムの一つとして本作を挙げた[6]。
リマスターCD
[編集]2012年にユニバーサルミュージックから発売された日本盤SHM-CD (UICY-94807) には、シングル曲2曲がボーナス・トラックとして追加され、2015年の再発盤(UICY-76441)も同様の仕様となっている。
収録曲
[編集]特記なき楽曲はカエターノ・ヴェローゾ作。
- トロピカリア - "Tropicália" - 3:40
- クラリッシ - "Clarice" (Caetno Veloso, José Carlos Capinam) - 5:30
- ノ・ヂーア・エン・キ・エウ・ヴィン・ミ・インボーラ(僕が旅立つ日) - "No Dia em que Eu Vim-Me Embora" (C. Veloso, Gilbert Gil) - 2:27
- アレグリア・アレグリア - "Alegria, Alegria" - 2:50
- オンヂ・アンダラース(君はどこに) - "Onde Andarás?" (C. Veloso, Ferreira Gullar) - 1:57
- アヌンシアサォン(アナウンスメント) - "Anunciação" (C. Veloso, Rogério Duarte) - 2:01
- スーペルバッカーナ - "Superbacana" - 1:28
- パイザージェン・ウーチル(意味ある風景) - "Paisagem Útil" - 2:39
- クラーラ - "Clara" (C. Veloso, Perinho Albuquerque) - 1:45
- ソイ・ロコ・ポル・ティ、アメリカ(アメリカ、君に夢中) - "Soy Loco por Tí, América" (G. Gil, J. C. Capinam) - 3:45
- アヴェ・マリア - "Ave Maria" - 2:21
- エリス(彼ら) - "Eles" (C. Veloso, G. Gil) - 4:40
日本盤SHM-CDボーナス・トラック
[編集]- イェス、ノス・テモス・バナナ - "Yes, Nos Temos Banana" (Braguinha, Alberto Ribeiro)
- アイ・ヂ・ミン・コパカバーナ - "Ai de Mim, Copacabana" (C. Veloso, Torquato Neto)
脚注・出典
[編集]- ^ a b c d e f Jandovský, Philip. “Caetano Veloso (Tropicália) - Caetano Veloso”. AllMusic. 2015年9月15日閲覧。
- ^ a b c d e ダン, クリストファー 著、国安真奈 訳『トロピカーリア ブラジル音楽を変革した文化的ムーヴメント』音楽之友社、2005年、18, 92頁。ISBN 4-276-23683-5。
- ^ Caetno Veloso - Caetno Veloso (Vinyl, LP, Album) at Discogs
- ^ “Latin GRAMMY® Hall Of Fame - 2001”. LatinGRAMMY.com. The Recording Academy. 2015年9月15日閲覧。
- ^ “Listas - Os 100 Maiores Discos da Música Brasileira - Caetano Veloso - Caetano Veloso (1968, Philips)”. Rolling Stone Brasil. 2016年2月7日閲覧。
- ^ “AllMusic Loves 1968”. AllMusic (2008年9月8日). 2015年9月15日閲覧。