アヴァンティ・ウェスト・コースト
略称 | VT |
---|---|
業種 | 列車運行会社 |
事業内容 |
ウェスト・コースト・パートナーシップの運行 (2019年12月8日 - 2026年4月1日予定) |
主要株主 |
ファーストグループ(70%) トレニタリア(30%) |
外部リンク |
www |
アヴァンティ・ウェスト・コースト(Avanti West Coast)はファーストグループが70%、トレニタリアが30%を出資するイギリスの列車運行会社である。2019年12月にウェスト・コースト本線の長距離列車の運行をヴァージン・トレインズから引き継いだ。このフランチャイズはウェスト・コースト・パートナーシップといい、ハイ・スピード2が開業した暁には同線の列車をも担当することになっていた。契約満了は2031年3月の予定であったが[1]、フランチャイズ制の撤廃に伴い2026年4月1日までとなることが明らかになっている[2]。
沿革
[編集]2016年11月、運輸省は既存のインターシティ・ウェスト・コースト・フランチャイズを、2026年に開業予定(当時)のハイ・スピード2の列車の運行を含む新フランチャイズであるウェスト・コースト・パートナーシップによって置き換えることを発表した[3]。
新フランチャイズがハイ・スピード2を含むことから、高速列車の運行実績があることが運営権者の条件とされた[4][5]。2017年6月、運輸省は以下の3組を候補として発表した[6][7]。
- ファーストグループ(70%)・トレニタリア(30%)
- 香港鉄路(75%)・広深鉄路(広深線の運行会社)(25%)
- ステージコーチ・グループ(50%)・SNCF(30%)・ヴァージン・グループ(20%)
2018年12月、レンフェ・オペラドーラが香港鉄路が主導する組に加わった[8]。2019年4月、ステージコーチ・グループ主導の組が条件の大幅な変更を提案して失格とされた[9]。
2019年4月、ファーストグループとトレニタリアの組が運営権を与えられ、2019年12月8日からアヴァンティ・ウェスト・コーストとして運行を開始した[10][11]。なお、「アヴァンティ」はイタリア語で「前進」を意味している[12]。
引き継ぎに際しては、欧州委員会からの諮問を受け、競争・市場庁が合併法に基づく審査を実施している[13]。
運行形態
[編集]以下に運行系統と1時間当たりの標準的な本数を示す。なお、延長運転等の本数は平日のものである。
南端 | 経由 | 北端 | 毎時 | 車両 | 備考 |
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ロンドン - ウェスト・ミッドランズ | |||||
ロンドン・ユーストン | バーミンガム・ニューストリート | 2本 | 390形 | 毎日2本シュルーズベリー(英語版・街)まで延長(221形使用) | |
ロンドン - チェスター/ノース・ウェールズ | |||||
ロンドン・ユーストン | チェスター(英語版・街) | 1本 | 221形 | 毎日6本ホーリーヘッドまで、毎日1本バンガー(英語版・街)まで延長 毎日1本レクサム・ジェネラル(英語版・街)まで延長 | |
ロンドン - リヴァプール | |||||
ロンドン・ユーストン | リヴァプール・ライム・ストリート | 1本 | 390形 | ||
ロンドン - マンチェスター | |||||
ロンドン・ユーストン | ストーク・オン・トレント(英語版・街) | マンチェスター・ピカデリー | 2本 | 390形 | |
クルー(英語版・街) | 1本 | ||||
ロンドン - ノース・ウェスト/スコットランド | |||||
ロンドン・ユーストン | グラスゴー・セントラル | 1本 | 390形 221形 |
||
ブラックプール・ノース(英語版・街) | 月曜 - 木曜4本 金曜5本 | ||||
バーミンガム・ニューストリート | グラスゴー・セントラル | 1本 | 毎日1本ストーク・オン・トレント経由クルー止まり(下りのみ) | ||
エディンバラ・ウェイヴァリー | |||||
ブラックプール・ノース | 土曜のみ1本 |
停車駅
[編集]アヴァンティ・ウェスト・コーストの列車は以下の駅に停車する。
- ロンドン・ユーストン
- ワットフォード・ジャンクション
- ミルトン・キーンズ・セントラル(英語版・街)
- ノーサンプトン(英語版・街)
- ラグビー(英語版・街)
- コヴェントリー(英語版・街)
- バーミンガム・インターナショナル(英語版)
- バーミンガム・ニューストリート
- サンドウェル・アンド・ダドリー(英語版・街)
- ウルヴァーハンプトン(英語版・街)
- テルフォード・セントラル(英語版・街)
- ウェリントン(英語版・街)
- シュルーズベリー(英語版・街)
- ヌニートン(英語版・街)
- タムワース(英語版・街)
- リッチフィールド・トレント・ヴァレー(英語版・街)
- スタッフォード(英語版・街)
- クルー(英語版・街)
- チェスター(英語版・街)
- レクサム・ジェネラル(英語版・街)
- フリント(英語版・街)
- プレスタティン(英語版・街)
- リル(英語版・街)
- コルウィン・ベイ(英語版・街)
- ランディドノ・ジャンクション(英語版・街)
- バンガー(英語版・街)
- ホーリーヘッド
- ランコーン(英語版・街)
- リヴァプール・ライム・ストリート
- ストーク・オン・トレント(英語版・街)
- マックルズフィールド(英語版・街)
- ウィルムスロー(英語版・街)
- ストックポート(英語版・街)
- マンチェスター・ピカデリー
- ウォリントン・バンク・キー(英語版・街)
- ウィガン・ノース・ウェスタン(英語版・街)
- プレストン(英語版・街)
- カークハム・アンド・ウェシャム(英語版・街・街)
- ポールトン・ル・フィルド(英語版・街)
- ブラックプール・ノース(英語版・街)
- ランカスター(英語版・街)
- オクセンホルム・レイク・ディストリクト(英語版・街)
- ペンリス・ノース・レイクス(英語版・街)
- カーライル(英語版・街)
- ロッカビー(英語版・街)
- マザーウェル(英語版・街)
- グラスゴー・セントラル
- ヘイマーケット(英語版)
- エディンバラ・ウェイヴァリー
将来
[編集]今後、以下の変更が計画されている[14]。
- 2020年12月
- 2021年5月
- 2022年12月
車両
[編集]アヴァンティ・ウェスト・コーストはヴァージン・トレインズから221形車体傾斜式電気式気動車「スーパー・ボイジャー」と390形車体傾斜式電車「ペンドリーノ」を引き継いだ。
現有車両
[編集]形式 | 画像 | 種類 | 最高速度 | 編成両数 | 本数 | 製造年 | 備考 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
221形 「スーパー・ボイジャー」 |
気動車 | 125 mph 200 km/h |
5両 | 20本 | 2001年 - 2002年 | 編成番号221101 - 118、142 - 143 | 改装後置き換え予定[15][16] | ||
390形 「ペンドリーノ」 |
390/0形 | 電車 | 140 mph 225 km/h |
9両 | 21本 | 2001年 - 2004年 | 改修し長期的に使用予定[17] | ||
390/1形 | 11両 | 31本 | 2012年に2両を増結し改番 | ||||||
4本 | 2010年 - 2012年 | 増結と同時に増備 |
導入予定車両
[編集]アヴァンティ・ウェスト・コーストは日立製作所のA-Trainファミリーの車両の新規導入により、221形5両編成20本を置き換える予定である。これらはカウンティ・ダラムのニュートン・エイクリフ工場で製造され、整備はウルヴァ―ハンプトンにあるアルストムのオクスリー車両基地で行われる[18][19]。内訳は5両編成のバイモード車である805形が13本、7両編成の電車である807形が10本となっており、前者はシュルーズベリー、チェスター、ゴボーウェン、ランディドノ、バンガー、ホーリーヘッド発着列車、後者は390形と共にバーミンガム・ニューストリート、ブラックプール・ノース、リヴァプール・ライム・ストリート発着列車で運用される[20][17][21]。
また、2026年の開業が予定されているハイ・スピード2の列車を担当することが予定されているため、新たな高速車両の導入が見込まれる[22]。
形式 | シリーズ | 画像 | 種類 | 最高速度 | 編成両数 | 本数 | 営業開始 | 使用系統 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
805形 | 日立製作所 A-Train AT300 |
バイモード車 | 125 mph 200 km/h |
5両 | 13本 | 2022年 | シュルーズベリー、チェスター、ゴボーウェン、ランディドノ、バンガー、ホーリーヘッド発着 | |
807形 | 電車 | 7両 | 10本 | バーミンガム・ニューストリート、ブラックプール・ノース、リヴァプール・ライム・ストリート発着 | ||||
未定 | 未定 | 電車 | 225 mph 360 km/h |
未定 | 未定 最低54本[22] |
2026年 | ハイ・スピード2 |
脚注
[編集]- ^ “Avanti West Coast prepares for launch on December 8” (英語). International Railway Journal (2019年11月28日). 2020年12月19日閲覧。
- ^ “Two franchises abolished for good, as First and DfT agree terms | Railnews | Today's news for Tomorrow's railway”. www.railnews.co.uk. 2020年12月19日閲覧。
- ^ “New West Coast rail franchise to run HS2 services”. BBC News 8 November 2016閲覧。
- ^ Lea, Robert. “Wanted: Superfast mover to partner Virgin and Stagecoach for HS2”. The Times 4 March 2017閲覧。
- ^ “RENFE poised to join Virgin's HS2 franchise bid”. Railway Gazette International (DVV Media Group) 12 March 2017閲覧。
- ^ West Coast Partnership and South Eastern rail franchise bidders Department for Transport 22 June 2017
- ^ “Three shortlisted for West Coast Partnership franchise”. Railway Gazette International (DVV Media Group) 22 June 2017閲覧。
- ^ "RENFE joins MTR's West Coast Partnership bid team". Railway Gazette International 20 December 2018
- ^ Stagecoach disqualified from three franchises in pension dispute Railway Gazette 10 April 2019
- ^ FirstGroup and Trenitalia welcome West Coast Partnership Award FirstGroup 14 August 2019
- ^ "West Coast marks new partnership model for rail" (Press release). Department for Transport. 14 August 2019.
- ^ Topham, Gwyn (27 November 2019). “West coast train services to be rebranded with Avanti logo”. The Guardian (London) 28 November 2019閲覧。
- ^ “First Rail Holdings & Trenitalia UK / West Coast Partnership Rail Franchise”. GOV.UK. 27 October 2019閲覧。
- ^ West Coast Partnership franchise improvements map Department for Transport 14 August 2019
- ^ Clinnick (2020年7月13日). “A CGI impression of the refurbishment planned for AvantiWestCoast Class 221s”. Twitter. 2020年7月14日閲覧。
- ^ Holden (2020年7月13日). “Avanti West Coast sign £8.3m contract with Bombardier to overhaul Voyager trains” (英語). RailAdvent. 2020年7月13日閲覧。
- ^ a b First Trenitalia awarded West Coast Partnership Railway Gazette International 14 August 2019
- ^ “Hitachi Rail chosen to build new InterCity trains for Avanti West Coast” (英語). Global Railway Review. 2020年7月13日閲覧。
- ^ “Inter-city rail operator's £350m new trains fleet to be built in UK” (英語). www.lep.co.uk. 2020年7月13日閲覧。
- ^ “Avanti confirms class numbers for Hitachi train order” (英語). www.railmagazine.com. 2020年7月13日閲覧。
- ^ "Avanti West Coast launched", Railways Illustrated, February 2020, page 6
- ^ a b High Speed 2 rolling stock bids submitted Railway Gazette International 5 June 2019
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