インターナショナル・フォーミュラ・マスター

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インターナショナル・フォーミュラ・マスターInternational Formula Master )は、2007年に発足し、2009年まで行われたフォーミュラカーによるレースカテゴリー。

なお、前身のシリーズとして2005年に行われた「3000 Pro Series」、2006年に同じく行われた「F3000 International Masters」についても本記事で述べる。

概要[編集]

世界ツーリングカー選手権(WTCC)において、かつてはアルファロメオワークス・チームを運営していたほか、2008年からはホンダ・アコードユーロRの開発も手がけているイタリアのNテクノロジーが中心となり発足。レースの格としてはフォーミュラ3(F3)と同程度という評価をするメディアが多い。ただしF3と異なり、シリーズチャンピオンへのスーパーライセンスの発給などの特典は設けられていない。

シリーズ発足当初は主にWTCCの前座(サポートレース)として行われていたため、レースの模様はWTCCと同様にユーロスポーツにより放送されている。2009年はWTCC以外にF1のサポートレースともなったため、同年はWTCCとの併催が6イベント(12レース)、F1との併催が2イベント(4レース)となった。

マシンはワンメイク化されており、シャシーは現行のフォーミュラ・ルノー用シャシーの開発・製造なども手がけているイタリアのタトゥース製を使用。エンジンは2リッター直列4気筒ホンダK20Aを採用し、国際自動車連盟(FIA)のスーパー2000規定に基づいたチューニングが施され、出力は約250馬力程度。タイヤはWTCC同様に横浜ゴムが供給する。なお、シャシーはFIAの定める2008年版のF3レギュレーションに基づくホモロゲーションを得ている[1]

レースは1イベント2レース制で、2レース目のグリッドは1レース目の上位8台が逆に並ぶリバースグリッド

2008年からはシリーズチャンピオンにホンダF1のテストの機会が与えられる予定であったほか[2]、シリーズ2位以下のドライバーにもGP2・WTCC等のテストの機会が用意されるなど[3]、主催者側では若手ドライバーの育成を主眼に置いていることをアピールしている。なお、シリーズチャンピオンへのF1テストの機会は、2008年限りでホンダがF1から撤退したため実現せず、2009年はシリーズランキング上位3人にレッドブル・レーシングのF1シミュレーターによるテスト権が与えられるなど[4]、年によって内容が変化している。

日本からは2008年に関口雄飛がシリーズ参戦した(途中欠場があるためフル参戦ではない)。

2010年はシャシーが3年に一度の更新時期を迎えるため、当初主催者側は新たに旧型シャシーによる「Light」クラスを設ける、参戦ドライバーの年齢下限を15歳に引き下げるといった方針を明らかにしたほか、ユーロスポーツと2012年までパートナー契約を結んでいることなどを理由に、シリーズの健全性をアピールしていた[5]

しかし2010年に入り、WTCCが併催イベントを前年より復活したフォーミュラ2(F2)に切り替え、当初本シリーズのカレンダーに名前のあったイベントについてもタイムテーブルから本シリーズに関連するスケジュールが相次いで消えていることに加え、公式Webサイトが消滅していることなどから、公式発表こそないがシリーズは事実上消滅した。

ポイントシステム[編集]

シリーズポイントは、2008年よりイベントの1レース目と2レース目で獲得できるポイントに差がつけられている(2007年は2レースとも、現在の1レース目のポイントが与えられた)。

順位 1レース目 2レース目
1位 10 6
2位 8 5
3位 6 4
4位 5 3
5位 4 2
6位 3 1
7位 2
8位 1

これ以外にドライバーズランキングでのみ有効なポイントとして、ポールポジション獲得者に1点、各レースのファステストラップ記録者に1点が与えられる。

脚注[編集]

外部リンク[編集]