インドの仕置人
インドの仕置人 | |
---|---|
Indian | |
監督 | シャンカール |
脚本 |
シャンカール スジャータ・ランガラジャン(台詞) |
原案 | シャンカール |
製作 |
A・M・ラトナム ジャムー・スガーンド |
出演者 |
カマル・ハーサン スカニヤ マニーシャ・コイララ ウルミラ・マトンドカール |
音楽 | A・R・ラフマーン |
撮影 | ジーヴァー |
編集 |
B・レーニン V・J・ヴィジャヤン |
製作会社 | シュリ・スーリヤ・ムービー |
配給 | シュリ・スーリヤ・ムービー |
公開 | 1996年8月23日 |
上映時間 | 185分 |
製作国 | インド |
言語 | タミル語 |
製作費 | ₹80,000,000 - 150,000,000[1][2] |
興行収入 | ₹250,000,000[1] |
次作 | Indian 2 |
『インドの仕置人』(インドのしおきにん、原題:Indian)は、1996年に公開されたインドのタミル語ヴィジランテ映画。シャンカールが監督、A・M・ラトナムがプロデューサーを務めている。主演のカマル・ハーサンが1人2役を務め、マニーシャ・コイララ、ウルミラ・マトンドカール、スカニヤ、ガウンダマニが共演している。
インド社会の不正に怒り政治家や官僚を殺害する男と、殺害対象となった彼の息子を描いている。彼は映画の中で、「ヴァルマ・カライ」という格闘技を披露しており、この演技はアサン・R・ラジェンドランが指導している[3][4]。映画は興行的な成功を収めて批評家からも好評されておりアカデミー外国語映画賞インド代表作品に選出されたが、ノミネートされるまでには至らなかった[5][6]。国内では国家映画賞で3部門を受賞し、さらにフィルムフェア賞、タミル・ナードゥ州映画賞を受賞した[7]。ヒンディー語吹替版は「Hindustani」のタイトルで公開され、テルグ語吹替版は「Bharatheeyudu」のタイトルで公開された。
あらすじ
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キャスト
[編集]- セナパティ、チャンドゥ - カマル・ハーサン
- アムリタヴァリ - スカニヤ
- イスワリャ - マニーシャ・コイララ(声:ローヒニ)
- スワプナ - ウルミラ・マトンドカール(声:バーヌプリヤー)
- スッバイアー - ガウンダマニ
- パンニールセルヴァム - センディル
- クリシュナスワミー - ネドゥムディ・ヴェーヌ(声:ナーサル)
- カーシュリ - カーシュリ
- パルタサラティ - クレイジー・モーハン
- トラック運転手 - オマクチ・ナラシマン
- 独立運動家 - アジャイ・ラトナム
製作
[編集]1995年6月、A・M・ラトナムは新作映画を製作するため、『Gentleman』『Kadhalan』で成功を収めたシャンカールを監督に招き、主演としてカマル・ハーサンを起用した。映画は著名な独立運動家スバス・チャンドラ・ボースの人生を基にしている[8]。シャンカールはアイシュワリヤー・ラーイをヒロイン役に起用して映画を彼女のデビュー作にしようと考えたが、彼女のエージェントからは1995年10月まで出演契約は受け付けられないと返答されている[8]。その後、『ボンベイ』に出演したマニーシャ・コイララがヒロイン役に選ばれた。ハーサンの年齢に合わせてラーディカー・サラトクマールにオファーを出していたが、彼女はテレビ番組への出演の関係でオファーを受けることができなかった。また、ウルヴァシーは妹の結婚式の日程の関係で出演できなくなり、代わりにスカニヤが起用された[8]。ボリウッドの女優ウルミラ・マトンドカールは、その演技力と1995年の出演作品『Rangeela』の成功を受け、映画への出演が決まった。ナーサルは重要キャラクターに起用される予定だったが、彼は多忙のためオファーを受けることができず、代わりにネドゥムディ・ヴェーヌが起用された。ハーサンとスカニヤのメイクを担当するため、ハリウッドのメイクアップアーティストのマイケル・ウェストモアが起用された[9]。
製作に入るに当たり、シャンカールは新技術と新しく購入したカメラについて学ぶためラスベガス・バレーを訪れている。また、彼は撮影監督ジーヴァーと音楽監督A・R・ラフマーンを連れてオーストラリアを訪れてロケーション・ハンティング及び作曲を行った[8]。映画の撮影中は厳格な機密保持の方針が出され、特にジャッキー・シュロフが撮影場所を訪れて追い返されてからは一層徹底された。歌パートはプラサード・スタジオでハーサン、マトンドカール及びボンベイの70人のモデルを集めて撮影された[10]。これに対し、映画ダンサー組合はタミル・ダンサーを出演させるべきだったと抗議し、シャンカールは混乱を避けるため組合に損害金を支払っている。ハサーンとコイララの歌パートは、シドニー・オペラハウス近郊とキャンベラで15日間かけて撮影された[11]。フラッシュバック・ソングはシェンジでハーサンとスカニヤ、ダンサー400人とエキストラ1000人を集めて撮影され、別の歌シーンはジョードプルで撮影された[8][9]。グラフィック・デザイナーのヴェンキーは、ボースとセナパティが登場するシーンが最も製作の中で困難なシーンだったと語っている。彼によるとアーカイブから提供されたボースが登場するフィルムの汚れを除去した後、ハーサンの登場シーンを合成して2人が行進するシーンを製作したという[12]。
D・ダナンジャヤンは製作費について8000万ルピー[1]、Rediff.comは1億5000万ルピーと主張している[2]。ヴァイバヴィ・メルチャントが振付を担当した「Akadanu Naanga」のシーンだけで1500万ルピーの予算が投じられた[13]。
評価
[編集]批評
[編集]映画は批評家から好評され、南インドではヒット作となった[14]。インディア・トゥデイはシャンカールの脚本を称賛し、「愛国的、反体制的、その他の商業的な映画成分がミックスされたシャンカールの新作は、南インドにおいて拍手を以て迎えられました」「映画の真の勝者は、俳優の顔を変える効果的なメイクアップ技術です」と批評している[15]。他の批評家からは「『インドの仕置人』は、シャンカールのメッセージの有効性と映画のエンターテインメント性という点で、彼の努力の価値が現れている」「映画がカマルの高齢の独立戦士としての偉大な演技と印象的な特殊効果、贅沢な歌のシーンだけではなく、力強いメッセージを特徴としている」と批評している[16]。
受賞
[編集]映画賞 | 部門 | 対象 | 結果 |
---|---|---|---|
第44回国家映画賞 | 主演男優賞 | カマル・ハーサン | 受賞 |
美術賞 | トーッター・ダラニ | ||
特殊効果賞 | S・T・ヴェンキー | ||
フィルムフェア賞 南インド映画部門 | タミル語映画部門主演男優賞 | カマル・ハーサン | |
タミル語映画部門作品賞 | A・M・ラトナム | ||
タミル・ナードゥ州映画賞 | 作品賞 | ||
主演男優賞 | カマル・ハーサン |
続編構想
[編集]2011年、ラトナムは腐敗撲滅運動を行う社会活動家アンナ・ハザレの活躍を見て、『インドの仕置人』の続編製作を企画した[17]。2017年9月、ディル・ラージュが新たにプロデューサーとして参加して続編を製作することが発表され、シャンカールとハーサンが引き続き参加することも発表された[18]。製作はハーサン主演作『Vishwaroopam II』『Sabaash Naidu』の製作が終了してから開始される[19]。翌10月、ラジュはライカー・プロダクションズ製作の企画に参加するためプロデューサーを降板した[20]。
出典
[編集]- ^ a b c Dhananjayan, G. (2014). Pride of Tamil Cinema: 1931 to 2013 : Tamil Films that have earned National and International Recognition. Blue Ocean Publishers. p. 353
- ^ a b Saraswathi, S (7 November 2014). “Birthday Special: Kamal Haasan's 60 years of excellence”. Rediff.com. 6 May 2017閲覧。
- ^ “Varmakkalai Choreography details”. The Hindu (28 April 2003). 2018年6月30日閲覧。
- ^ “Hindustani Movie”. iMDB. 2018年6月30日閲覧。
- ^ Margaret Herrick Library, Academy of Motion Picture Arts and Sciences
- ^ “39 Countries Hoping for Oscar Nominations”. Academy of Motion Picture Arts and Sciences (13 November 1996). 9 February 1999時点のオリジナルよりアーカイブ。5 October 2015閲覧。
- ^ “Archived copy”. 28 September 2011時点のオリジナルよりアーカイブ。20 June 2013閲覧。
- ^ a b c d e “Google Groups”. Groups.google.com. 2015年6月10日閲覧。
- ^ a b “Tamil Movie News-Pudhu Edition(Cont.) - soc.culture.tamil | Google Groups”. Groups.google.com (29 March 1996). 16 January 2013閲覧。
- ^ “Tamil Movie News-Pudhu Edition — soc.culture.tamil | Google Groups”. Groups.google.com (3 February 1996). 16 January 2013閲覧。
- ^ “Rediff On The Net, Movies:An interview with Shankar”. Rediff (1997年4月4日). 2015年6月10日閲覧。
- ^ “Rediff On The Net, Movies: An interview with special effects whiz Venky”. Rediff (1997年11月4日). 2015年6月10日閲覧。
- ^ Chopra, Anupama (15 March 1997). “Film scripts demand extravagant song sequences to make box office jingle”. India Today 25 April 2013閲覧。
- ^ “Kamal — Shankar (Indian) | The Best One-time Partnerships”. Behindwoods. 2015年6月10日閲覧。
- ^ “Movie review: Indian (Hindustani), starring Kamalahasan, Manisha Koirala : FILMS”. India Today (1996年8月15日). 2015年6月10日閲覧。
- ^ “INDIAN”. Bbthots.com. 2015年6月10日閲覧。
- ^ “Shankar to work on Indian sequel?”. Behindwoods (3 September 2011). 3 September 2011閲覧。
- ^ “Kamal Haasan, Shankar to reunite for ‘Indian 2’”. The Hindu. (30 September 2017)
- ^ “Kamal Haasan to wrap up Vishwaroopam 2 and Sabash Naidu before Indian 2”. India Today. (2017年10月3日) 2017年10月3日閲覧。
- ^ “BREAKING: REASON FOR INDIAN 2'S PRODUCER CHANGE, REVEALED!”. behindwoods.com (2017年10月21日). 2018年7月1日閲覧。