イヴァ・ビトヴァ
イヴァ・ビトヴァ | |
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2007年9月25日、ニューヨーク 著作権者:audrey_sel [1] | |
基本情報 | |
生誕 | 1958年7月22日(66歳) |
出身地 | チェコスロバキア・ブルンタール郡 |
ジャンル |
フォーク、実験音楽 アヴァンプログレッシヴ 現代音楽 |
職業 |
音楽家、作曲家 女優 |
担当楽器 | ヴァイオリン、ヴォーカル |
活動期間 | 1976年 - |
レーベル |
Supraphon、BMG ノンサッチ・レコード ECMレコード |
公式サイト | www.bittova.com |
イヴァ・ビトヴァ(Iva Bittová、1958年7月22日 - )は、チェコ出身の音楽家。アバンギャルドなロマのヴァイオリニスト、歌手、作曲家。イヴァー・ビットヴァーと表記されることもある。
1970年代中頃、女優として何本かのチェコ映画に出演した後、1980年代初期から、ヴァイオリニスト兼歌手としての活動をメインとする。1986年からレコーディングをはじめ、1990年頃には、そのユニークな歌唱、演奏テクニックが、国際的に認められるようになる。以降、ヨーロッパ、アメリカ、日本で定期的に公演を行い、8枚を超すアルバムを発表する。
音楽活動と並行して、時々だが、今なお映画にも出演している。2003年に、Zena役で出演した映画『ジェラリ』は、第76回アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた。
経歴
[編集]ビトヴァはモラヴィア北部のブルンタール郡で生まれた。3人姉妹の次女で、一家は音楽一家だった。父親のコロマン・ビトは南スロバキア出身の有名なロマのミュージシャンで、フォークおよびクラシック音楽のアンサンブルで、ギター、トランペット、ダブルベースを演奏していた。母親のリュドミラ・ビトヴァ(旧姓マサロヴァ)はプロのヴォーカル・グループで歌っていた。子供時代、ビトヴァはオパヴァでバレエとヴァイオリンのレッスンを受け、ズディエニェク・ネイェドリのシレジア劇場で子役も勤めた。1971年、一家はブルノに移る。ビトヴァはブルノの音楽学部で学ぶが、次第に音楽から演劇に興味が移っていった。それから10年間、ビトヴァは女優として、映画やブルノのテレビ・ラジオ番組に出演する。
1980年代初期になって、音楽に戻り、ブルノのヤナーチェク・アカデミーの教授、ルドルフ・シュチャストニーの下でヴァイオリンを学ぶ。同時に、演劇大学でヴォイス・トレーニングをし、独特の歌唱・演奏スタイルを身につける。1985年、チェコのロック・グループ「デュナイ」のパーカッショニスト、パヴェル・ファイトとのコラボレート・アルバム『Bittová + Fajt 』を発表。スラヴ音楽やロマ音楽が融合したオルタナティブ・ロックだった。1986年にはソロでEPを数枚出し、一方でデュナイとの共演も続けた。1987年、ファイトと組んだセカンド・アルバム『Svatb(The Wedding)』がReview Recordsから世界発売されると、ビトヴァの人気はブレイクした。まず、イギリスのパーカッショニストで、Recommended Recordsのオーナーのクリス・カトラーがこのアルバムに注目し、『Bittová + Fajt 』を世界向けに再リリース。続いて、同じイギリスの、アバンギャルド音楽のギタリスト、フレッド・フリスが、自身の映画『ステップ・アクロス・ザ・ボーダー』(1990年)に、ビトヴァとファイトを出演させた。これが二人のはじめての国際的な露出となり、さらに東欧圏外へのツアーも行った。
1991年、ビトヴァは彼女にとって最初のソロ・アルバムとなる『Iva Bittová』を、続いて、初のアメリカ・リリースとなった『リヴァー・オヴ・ミルク 』を発表。1997年には、クラシック音楽にも進出し、一連のコンサートを催し、またドロテア・ケレロヴァとヴァイオリン・デュオを組んで、バルト−クのアルバムを出した。同年、ウラジミール・ヴァーツラヴェクと共に、二枚組のアルバム『Bílé Inferno(White Inferno)』を発表。その成功により二人は即興演奏グループ「チコリ」を結成する。
ビトヴァは、フレッド・フリス、クリス・カトラー、トム・コラら各国のアバンギャルド・ミュージシャンと共演し、またソロ・コンサートを世界中で行っている。現在、パヴェル・ファイトとの間に生まれた息子のアントニン・ファイトと共にニューヨーク州の小さな町、ラインベックに住んでいる。
音楽性
[編集]ビトヴァの音楽は、ロックと、彼女が「私の個人的なフォーク・ミュージック」と語る[1]東欧音楽とのブレンドである。彼女のヴァイオリン演奏は、たとえばバンジョーのように弦を撥で弾き鳴らしたりと、さまざまなテクニックが混在している。また、発声も伝統的な歌い方の音域を超えて、甲高く、喉の奥から絞り出すノイズのようである。体全体を使ってのパフォーマンスは、演劇で培った技術の賜物である。[1]オール・ミュージック・ガイドのライターは、「なんといっても彼女の魅力は、独創的な声の使い方、アバンギャルドと童歌との境界線上に位置するメロディで、世界中に多くのファンを生んだ」[2]
ディスコグラフィ
[編集]コラボレーション
[編集]- With パヴェル・ファイト
- 1985年 Bittová + Fajt(LP、Panton)
- 1987年 Svatba(The Wedding)(LP、Review Records)
- With デュナイ
- 1989年 The Danube(LP、Panton)
- 1996年 Pustit Musš(You Must Let Go)(CD、Rachot Behemot)
- With ドロテア・ケレロヴァ
- 1997年 Béla Bartók: 44 Dueta pro Dvoje Housle(44 Duets for Two Violins)(CD、Rachot Behemot)
- With ウラジミール・ヴァーツラヴェク
- 1997年 Bílé Inferno(White Inferno)(2枚組CD、Indies Records)
- With シュカンパ四重奏団
- 1998年 Classic(CD、スプラフォン)
- With オランダ管楽アンサンブル
- 2000年 吸血鬼の踊り(CD、N.W.E.)
- With アンドレアス・クロペル
- 2001年 Echoes(CD、スプラフォン)
- With チコリ
- 2001年 Čikori i(CD、Indies Records)
- With ミロシュ・ヴァレント
- 2004年 ヤナーチェク:歌によるモラヴイア民俗詩(CD、スプラフォン)
- With DJ Javas
- 2004年 The Party(CD、Indies Records)
- With ミロシュ・ヴァレント、 マレク・シュトリンツル、 ソラメンテ・ナトゥラリ、 ブラティスラヴァ音楽院合唱団
- 2006年 ゴダール:マテル-聖母-(CD、ECM)
- With バング・オン・ア・カン
- 2006年 Elida(CD、Indies Records)
- With ジョージ・ムラーツ、エミール・ヴィクリツキー、 Lolo Tropp
- 2007年 Moravian Gems(CD、Cube Metier)
ソロ
[編集]- 1986年 Iva Bittová(EP、Panton)
- 1986年 Balada pro Banditu(A Ballad for a Bandit)(EP、Panton)
- 1991年 Iva Bittová(LP、Pavian)
- 1991年 リヴァー・オヴ・ミルク(CD、EVA Records)
- 1994年 Ne, Nehledej(No, Do Not Seek)(CD、BMG)
- 1995年 Kolednice(Carol singer)(CD、BMG)
- 1996年 Divná Slečinka(A Strange Young Lady)(CD、BMG)
- 1997年 Solo(CD、Nonesuch Records)
- 2013年 Iva Bittova (CD, ECM)
フィルモグラフィ
[編集]- 1976年 Ružové sny(Rosy Dreams)
- 1976年 Die Insel der Silberreiher(Island of the Silver Herons)
- 1977年 Jak se budí princezny
- 1978年 Balada pro Banditu(Ballad for a Bandit)
- 1983年 Únos Moravanky
- 1988年 Mikola a Mikolko
- 1991年 Něha(Tenderness)
- 2000年 The Man Who Cried(クリスティーナ・リッチの声)
- 2003年 ジェラリ
- 2007年 Tajnosti
脚注
[編集]- ^ a b “Iva Bittová”. Czech Music Information Centre. 2006年12月4日閲覧。
- ^ Couture, François. “Iva Bittová”. AllMusic.com. 2012年7月13日閲覧。
外部リンク
[編集]- Official homepage.
- Iva Bittová biography. Czech Music Information Centre.
- Iva Bittová - Allmusic
- Iva Bittová - IMDb .