ウェストミンスター寺院
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ウェストミンスター寺院の西側ファサード | |||
英名 | Palace of Westminster and Westminster Abbey including Saint Margaret’s Church | ||
仏名 | Palais de Westminster et l'abbaye de Westminster incluant l'église Sainte-Marguerite | ||
面積 | 10.26 ha | ||
登録区分 | 文化遺産 | ||
登録基準 | (1), (2), (4) | ||
登録年 | 1987年 | ||
備考 | 2008年に軽微な変更。 | ||
公式サイト | 世界遺産センター | ||
使用方法・表示 |
座標: 北緯51度29分58秒 西経00度07分39秒 / 北緯51.49944度 西経0.12750度 ウェストミンスター寺院(ウェストミンスターじいん、英語:Westminster Abbey)は、イギリスのロンドン・ウェストミンスターに所在する、イングランド国教会の教会。聖ペテロ修道教会。戴冠式などの王室行事が執行され、内部の壁と床には歴代の王や女王、政治家などが多数埋葬されている。墓地としてはすでに満杯状態で、新たに埋葬するスペースはなくなっている。国会議事堂(ウェストミンスター宮殿)が隣接している。
ウィリアム1世以来、エドワード5世、エドワード8世を除くすべてのイギリスの歴代王が、「エドワード懺悔王の礼拝室」で戴冠式を行っている[1]。この部屋にはかつてスコットランドから持ち帰られた、スコットランド王権を象徴するスクーンの石が嵌めこまれた戴冠式用の玉座があったが、スクーンの石は1996年にスコットランドに返還された。
イギリス中世の大規模なゴシック建築でもある。11世紀にエドワード懺悔王が建設し、1066年以降、英国国王の戴冠式が行われている。1245年、ヘンリー3世により、フランスの建築家を招き、フランスのゴシック建築にならって改装を始めた。14世紀末までにおおよそ完成するが、墓所の増築や西側正面部分、塔など20世紀に至るまで長期間にわたり、時代によってさまざまな様式で増改築されている。
ウェストミンスター修道院とも呼ばれる。
埋葬されている著名人
[編集]13世紀~18世紀のイギリスの王は、リチャード3世ら数人を除き、ほぼこの寺院に埋葬されている。エリザベス1世やスコットランド女王のメアリー・スチュアートも含まれる。
身廊
[編集]- アイザック・ニュートン - 自然哲学者
- アーネスト・ラザフォード - 物理学者「原子物理学の父」
- ウィリアム・トムソン - 物理学者
- クレメント・アトリー - 政治家、首相
- ジェームズ・クラーク・マクスウェル - 物理学者
- ジョージ・グラハム - 時計師
- ジョゼフ・ジョン・トムソン - 物理学者
- スティーヴン・ホーキング - 物理学者[2]
- チャールズ・ダーウィン - 自然科学者
- チャールズ・ライエル - 地質学者
- デイヴィッド・リヴィングストン - 探検家、宣教師
- ベン・ジョンソン - 詩人
- 無名戦士 - 第一次世界大戦の身元不明の戦死者
- ロバート・スチーブンソン - 技術者
北翼廊
[編集]- ウィリアム・グラッドストン - 政治家、首相
- 小ピット - 政治家、首相
- 大ピット - 政治家、首相
- ウィリアム・ウィルバーフォース - 政治家
南翼廊
[編集]「詩人のコーナー」と呼ばれているが、これは詩人が多く埋葬されていることによる。ただ詩人ではない著名人も埋葬されている。
- エイブラハム・カウリー - 詩人
- エドマンド・スペンサー - 詩人
- アルフレッド・テニスン - 詩人
- ウィリアム・コングリーヴ - 劇作家
- ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル - 作曲家
- サミュエル・ジョンソン - 文学者
- ジェフリー・チョーサー - 詩人
- ジョン・ゲイ - 詩人
- ジョン・ドライデン - 詩人、文芸評論家、劇作家
- ジョン・メイスフィールド - 詩人、作家
- チャールズ・ディケンズ - 小説家
- トーマス・ハーディ - 作家、詩人
- トーマス・パー - 152歳まで生きたとされる男性
- トーマス・マコーリー - 詩人、歴史家
- ラドヤード・キップリング - 児童文学者、詩人
- リチャード・ブリンズリー・シェリダン - 劇作家
- ローレンス・オリヴィエ - 俳優、映画監督
- ロバート・アダム - 建築家
- ロバート・ブラウニング - 詩人
ウェストミンスター寺院の平面図(上側が北。)
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世界遺産
[編集]ウェストミンスター宮殿や聖マーガレット教会とともに登録されている。
登録基準
[編集]この世界遺産は世界遺産登録基準のうち、以下の条件を満たし、登録された(以下の基準は世界遺産センター公表の登録基準からの翻訳、引用である)。
- (1) 人類の創造的才能を表現する傑作。
- (2) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
- (4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
ギャラリー
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北側の翼廊
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中庭
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ヘンリー7世記念聖母礼拝堂
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「20世紀の殉教者」10人の像(西の外壁面)
左からマキシミリアノ・コルベ、マンシュ・マセモラ、ヤナニ・ルアム、エリザヴェータ・フョードロヴナ、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア、オスカル・ロメロ、ディートリヒ・ボンヘッファー、エスター・ジョン、ルシアン・タピエディ、王志明
ウェストミンスター寺院に関する作品
[編集]- TROUTBECK, G. E. (1909). THE Children’s Story of Westminster Abbey. プロジェクト・グーテンベルク
- ワシントン・アーヴィング『ウェストミンスター寺院』- 1818年の短編集『スケッチ・ブック』の中の随想録[3]。
- Singleton, Esther (1912). How to Visit the English Cathedrals. プロジェクト・グーテンベルク
脚注
[編集]- ^ ユネスコ世界遺産センター監修『ユネスコ世界遺産 8 西ヨーロッパ』講談社、1996年。ISBN 4062547082。pp.100-111.
- ^ INC, SANKEI DIGITAL (2018年4月1日). “英でホーキング博士葬儀 友人や同僚、多数の市民”. 産経ニュース. 2019年2月11日閲覧。
- ^ ワシントン・アーヴィング 1818.
参考文献
[編集]- ワシントン・アーヴィング 著、吉田甲子太郎 訳『ウェストミンスター寺院』青空文庫、1818年。