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ウォルドーフ (メリーランド州)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ウォルドーフ
Waldorf, Maryland
シーダービル州有林にあるウルフデン・ブランチから水が入る池
シーダービル州有林にあるウルフデン・ブランチから水が入る池
メリーランド州におけるチャールズ郡(右上図)と同郡におけるウォルドーフの位置
メリーランド州におけるチャールズ郡(右上図)と同郡におけるウォルドーフの位置
北緯38度38分46秒 西経76度53分54秒 / 北緯38.64611度 西経76.89833度 / 38.64611; -76.89833座標: 北緯38度38分46秒 西経76度53分54秒 / 北緯38.64611度 西経76.89833度 / 38.64611; -76.89833
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
メリーランド州の旗 メリーランド州
チャールズ郡
面積
 • 合計 36.5 mi2 (94.5 km2)
 • 陸地 36.2 mi2 (93.8 km2)
 • 水域 0.3 mi2 (0.7 km2)
標高
207 ft (63 m)
人口
 • 合計 67,752人
 • 密度 1,900人/mi2 (720人/km2)
等時帯 UTC-5 (東部標準時)
 • 夏時間 UTC-4 (東部夏時間)
郵便番号
20601-20604
市外局番 301, 240
FIPS code 24-81175
GNIS feature ID 0588020

ウォルドーフ: Waldorf)は、アメリカ合衆国メリーランド州南部チャールズ郡に位置する国勢調査指定地域(CDP)である。ワシントンD.C.から南南東に23マイル (37 km) に位置している。2010年国勢調査での人口は67,752 人だった[1]。メリーランド州の中で市や町と同列に並べて比較すると人口第5位の町となる。2010年の国勢調査では、前回(2000年)国勢調査では別のCDPだった大型の計画町セントチャールズ(2000年時点で人口33,379人)を含めて集計された。従ってウォルドーフ単独の2000年時点の人口22,312 人からは3倍に増えたことになったが、実質の増加分は12,061人、21.7%だった。ウォルドーフは鉄道駅のある田舎の交差点として1900年以前に設立され、地元の一家の名から「ビーンタウン」と呼ばれていた。

歴史

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1941年のウォルドーフ

ウォルドーフの当初の名前は「ビーンタウン」だった。1880年、メリーランド州議会が法を制定し、ウィリアム・ウォルドーフ・アスター(1848年-1919年)にちなんで「ウォルドーフ」と改名した。アスターは、ドイツプファルツ選帝侯領にあるヴァルドルフで生まれ、アメリカに渡って百万長者となったジョン・ジェイコブ・アスター(1763年-1848年)の曾孫だった[2]。1908年7月29日、ミネソタ州ワセカ郡のプラムバレー市が、このメリーランド州ウォルドーフにちなんでウォルドーフに改名した[3]

ウォルドーフはかつてタバコ市場の村だったが、1949年、スロットマシンがチャールズ郡で合法化され、1950年代はギャンブルの町として著名になった。しかし、1968年にギャンブルが違法に戻され、ブームは終わった[4]。1970年、アメリカ合衆国住宅都市開発省からの融資が、ウォルドーフの南にある大型の計画町セントチャールズの発展を加速させ、ウォルドーフは住宅町としてかなりの成長が始まることになった。

セントキャサリン(邸宅)、すなわちサミュエル・A・マッド医師の家が1974年にアメリカ合衆国国家歴史登録財に指定された[5]。マッドはエイブラハム・リンカーン大統領暗殺事件の陰謀に加担したとされ、有罪になった人物である。

経済と人口

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ウォルドーフはベッドタウンであり、ワシントンD.C.大都市圏の他の地点で働くために通勤する住人が多い。特にアメリカ空軍アンドリュース基地で働く人が多い。ウォルドーフの中での職は主にサービス業や商業の仕事である。近くにある2階建てショッピングモールのセントチャールズ・タウンセンターが1988年にオープンし[6]、2007年に改修された。そのセンターにはメリーランド州内の数郡、ワシントンD.C.、バージニア州の一部から買い物客や、食事をする人を集めており、「南メリーランド州の買い物首都」としてチャールズ郡が繁栄することになった。町を通る幹線道のアメリカ国道301号線が「ウォルドーフ・モーター・マイル」を歌っており、主に北行きの道路沿いにカーディーラ店が並んでいる。2005年、ウォルドーフは3番目の高校ノースポイント高校を開校し[7]、先進的な科学技術の教育を始めた。24時間スポーツ施設とアイススケート・リンクのキャピタル・クラブハウスも同年にオープンした[8]。2014年には4番目の高校としてセントチャールズ高校が開校した[9]。トマス・ストーン高校もウォルドーフの町内にある。さらに南メリーランド・カレッジの分校もある。2006年、ショッピングセンターをさらに2か所建設する案が公表された。その1つは高級志向であり、「ライフスタイル」のレイアウトで客を呼ぶ考えである。ウェスタン・パークウェイと州道228号線(ベリー道路)の交差点に中層ビルを建てるオフィスパークの建設が始まった。そこには2010年にレジデンス・インがオープンし、その道路向かいには別の新しいホテルがオープンした。マイナーリーグ野球チームのサザンメリーランド・ブルークラブスがウォルドーフを本拠地にしている。

地理

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ウォルドーフは北緯38度38分46秒 西経76度53分54秒 / 北緯38.64611度 西経76.89833度 / 38.64611; -76.89833 (38.646173, -76.898217に位置している[10]

アメリカ合衆国国勢調査局に拠れば、領域全面積は36.5平方マイル (94.5 km2)であり、このうち陸地36.2平方マイル (93.8 km2)、水域は0.27平方マイル (0.7 km2)で水域率は0.72%である[11]

ウォルドーフの大半は平坦であり、特に東部が平坦である。西には小さな丘陵があり、南部と東部の多くは湿地であり、池や水流には多様な野生生物が生息している。森林はオークや松の木が多い。

農業

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ウォルドーフは急速に発展した都会化地域ではあるが、町は農場に囲まれている。以下の農園がある。

かつては南メリーランドの主要作物だったタバコはほとんど生産されなくなった。ほとんどの地域の農夫は1990年代にメリーランド州政府の買い上げを受け入れた。

周辺の町

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ウォルドーフの近隣には次の場所がある。北はプリンスジョージズ郡、西はベンズビル(CDP)、南はラプレイタ町である。東は北から南にシーダービル州立公園、マルコーム(未編入の町)、ブライアンタウン(CDP)が並ぶ。

気候

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ウォルドーフ地域の気候は暑く湿気た夏と温暖または冷涼な冬が特徴である。ケッペンの気候区分では温暖湿潤気候区にあり、略号は Cfa である[17]

人口動態

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2010年国勢調査

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人種別人口と構成比、ウォルドーフ、2010年
人種 人口(人) 構成比(%)
総計 67,752 100
アフリカン・アメリカン 36,152 53
白人 24,052 35
ヒスパニック 3,972 5
混血 3,078 4
アジア人 2,664 3
その他の人種 1,382 2
3人種以上 446 < 1%
ネイティブ・アメリカン 363 < 1%
[18]

2000年国勢調査

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以下は2000年国勢調査による人口統計データである[19]

基礎データ

  • 人口: 22,312 人
  • 世帯数: 7,603 世帯
  • 家族数: 5,991 家族
  • 人口密度: 674.1人/km2(1,746.0 人/mi2
  • 住居数: 7,827 軒
  • 住居密度: 236.5軒/km2(612.5 軒/mi2

人種別人口構成

年齢別人口構成

  • 18歳未満: 30.6%
  • 18-24歳: 7.5%
  • 25-44歳: 36.4%
  • 45-64歳: 20.7%
  • 65歳以上: 4.8%
  • 年齢の中央値: 33歳
  • 性比(女性100人あたり男性の人口)
    • 総人口: 94.4
    • 18歳以上: 90.8

世帯と家族(対世帯数)

  • 18歳未満の子供がいる: 45.5%
  • 結婚・同居している夫婦: 58.6%
  • 未婚・離婚・死別女性が世帯主: 15.5%
  • 非家族世帯: 21.2%
  • 単身世帯: 14.8%
  • 65歳以上の老人1人暮らし: 2.2%
  • 平均構成人数
    • 世帯: 2.93人
    • 家族: 3.24人

収入

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収入と家計

  • 収入の中央値
    • 世帯: 68,869米ドル(2007年推計では86,901ドル[20]
    • 家族: 71,439米ドル(2007年推計では94,432ドル)
    • 性別
      • 男性: 45,293米ドル
      • 女性: 35,386米ドル
  • 人口1人あたり収入: 24,728米ドル
  • 貧困線以下
    • 対人口: 4.4%
    • 対家族数: 2.7%
    • 18歳未満: 6.4%
    • 65歳以上: 2.2%

交通

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ウォルドーフを通り主要道路は以下の通りである

  • アメリカ国道301号線、北のブランディワインから南のラプレイタに抜ける南北方向道路、沿線にはショッピングセンター、レストラン、カーディーラーなどの企業が並ぶ。

ハリー・W・ナイス知事記念橋はウォルドーフからバージニア州に繋がる301号線を渡している。この橋は古く、2車線と狭いが、それでも東海岸を長距離で移動する人々が、渋滞の多い州間高速道路95号線/同495号線(ウッドロウ・ウィルソン橋)の代替路として使っている。今後の交通状況により、ウォルドーフの西か東を抜けるバイパス、あるいはウォルドーフで立体交差する道路を造る可能性がある。

  • メリーランド州道5号線(レナードタウン道路)、北のブランディワインで国道301号線と合流し、郡境で分かれ、ウォルドーフはマッタウーマン・ビーンタウン道路でバイパスする。ワシントンD.C.から出ており、ヒューズビルを経てメリーランド州の南端に向かう。野球のマイナーリーグチーム、サザンメリーランド・ブルークラブスのスタジアムは、州道5号線からビリングスレー道路を経て行くことができる。マッタウーマン・ビーンタウン道路、セントチャールズ・パークウェイ、レナードタウン道路の交差点から西に国道301号線での終端まで小さな事業回廊がある。
  • メリーランド州道228号線(ベリー道路)、アクーキークにある州道210号線(インディアンヘッド・ハイウェイ)との交差点で始まり、ウォルドーフの西部の大半を抜け、ウォルドーフの中心、州道228号線、同5号線産業道路、国道301号線の交差点が東端となる。アクーキークにある州道228号線と同210号線の交差点は、アメリカ合衆国に6か所しかない連続流交差点の1つである。
  • メリーランド州道925号線、オールド・ワシントン道路とも呼ばれる。国道301号線にほご並行して南北方向に走る,
  • セントチャールズ・パークウェイ、ウォルドーフの東部にあり、ホワイトプレーンズ地域公園を抜ける景観の良い道路である。春から秋にかけてウォルドーフで最も美しい道路と言われることもある。2008年、郡庁所在地のラプレイタまで延伸され、この区間では国道301号線の代替路となっている。

公共交通はチャールズ郡が運営する「バン・ゴー」バス体系で提供されており、ウォルドーフを含む郡内の大半で運行され、隣接するセントメアリーズ郡交通システムと接続する便もある[21]。メリーランド交通管理局は4つの通勤路線を走らせており、ワシントンD.C.中心街まで通勤客を運んでいる。路線の1つはケラー交通、他の3路線はディロンズ交通が運行している。利用者は急速に増加している。ウォルドーフの町中にはパーク・アンド・ライドの拠点が7か所ある。セントチャールズ・タウンセンターに2か所、セントチャールズ・タウンプラザに1か所、スモールウッド・ドライブと国道301号線に1か所、スモールウッド・ビレッジセンターに1か所、リージェンシー・ファニチャー・スタジアムに1か所である。

自動車交通

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ウォルドーフの自動車交通は通常混雑しており、州は国道301号線をウォルドーフの西にバイパスさせる方法を評価している。バージニア州とメリーランド州を抜ける国道301号線は同17号線と共に、渋滞する州間高速道路95号線の代替路として使われている。ウォルドーフのベッドタウンとしての性格、および町内に重要な産業が無いことから、朝の通勤時間帯は北のワシントンD.C.に向かう道路が大変混雑する。金曜日から日曜日は買い物客で双方向が混雑する。その多くは他の郡から来訪する客である。州道228号線と国道301号線、コミュニティ・ドライブの交差点、ベリー道路)のウェスタン・パークウェイまでの西行き、セントパトリックス・ドライブ近く、セントチャールズ・タウンセンターを囲むモール・サークル、隣接するカリントンに近いスモールウッド・ドライブが混雑する道路である。自動車交通はウォルドーフの南部で多い。

スポーツ

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クラブ名 所属リーグ 競技場 設立年 優勝歴
サザンメリーランド・ブルークラブス アトランティックリーグ、野球 リージェンシー・ファニチャー・スタジアム 2008年 0

脚注

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  1. ^ Profile of General Population and Housing Characteristics: 2010 Demographic Profile Data (DP-1): Waldorf CDP, Maryland”. U.S. Census Bureau, American Factfinder. August 3, 2012閲覧。
  2. ^ Herbert C. Ebeling: William Waldorf Astor. (Walldorf: Astor-Stiftung, 2007, p. 106).
  3. ^ Herbert C. Ebeling: William Waldorf Astor. (Walldorf: Astor-Stiftung, 2007, pp. 107+113).
  4. ^ Janis, Stephen (2004年12月1日). “Feature: What Can Maryland’s Troubled History with Slot Machines Tell Us About the Odds for the Future?”. Baltimore City Paper. 2008年4月18日閲覧。
  5. ^ National Park Service (15 April 2008). "National Register Information System". National Register of Historic Places. National Park Service. {{cite web}}: Cite webテンプレートでは|access-date=引数が必須です。 (説明)
  6. ^ St. Charles Towne Center”. American Community Properties Trust. 2008年3月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年4月18日閲覧。
  7. ^ Charles County MD Board of Ed page on high schools”. 2011年10月4日閲覧。
  8. ^ Capital Clubhouse”. m2architects. 2012年6月12日閲覧。
  9. ^ Charles County MD Board of Ed page on news”. 2012年5月6日閲覧。
  10. ^ US Gazetteer files: 2010, 2000, and 1990”. United States Census Bureau (2011年2月12日). 2011年4月23日閲覧。
  11. ^ Geographic Identifiers: 2010 Demographic Profile Data (G001): Waldorf CDP, Maryland”. U.S. Census Bureau, American Factfinder. August 3, 2012閲覧。
  12. ^ Shlagel Farms in Waldorf, Maryland”. GardenGuides.com. 2008年4月18日閲覧。
  13. ^ National Capital Farms”. Metropolitan Washington Regional Agricultural Workgroup. 2008年4月18日閲覧。
  14. ^ Middleton's Cedar Hill Farm”. Tri-County Council for Southern Maryland. 2008年4月18日閲覧。
  15. ^ Middleton Manor Farms, Inc.”. Tri-County Council for Southern Maryland. 2008年4月18日閲覧。
  16. ^ Middleton Manor Farms Inc - Nursery”. GardenGuides.com. 2012年4月18日閲覧。
  17. ^ Climate Summary for Waldorf, Maryland
  18. ^ Waldorf Maryland Population Statistics”. US Census Bureau. May 29, 2013閲覧。
  19. ^ American FactFinder”. United States Census Bureau. 2013年1月25日閲覧。
  20. ^ http://factfinder.census.gov/servlet/ADPTable?_bm=y&-context=adp&-qr_name=ACS_2007_3YR_G00_DP3YR3&-ds_name=ACS_2007_3YR_G00_&-tree_id=3307&-redoLog=false&-_caller=geoselect&-geo_id=16000US2481175&-format=&-_lang=en
  21. ^ VanGO Cover Original”. Charles County Department of Community Services. 2008年4月18日閲覧。

外部リンク

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