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エチゴツルキジムシロ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
エチゴツルキジムシロ
富山県富山市 2019年5月上旬
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : バラ上類 Superrosids
階級なし : バラ類 Rosids
階級なし : マメ類 Fabids
: バラ目 Rosales
: バラ科 Rosaceae
亜科 : バラ亜科 Rosoideae
: キジムシロ属 Potentilla
: エチゴツルキジムシロ P. toyamensis
学名
Potentilla toyamensis Naruh. et Tak.Sato[1]
和名
エチゴツルキジムシロ(越後蔓雉子筵)

エチゴツルキジムシロ(越後蔓雉子筵、学名Potentilla toyamensis)は、バラ科キジムシロ属多年草エチゴキジムシロに似るが、走出枝をもつ[2]

特徴

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根茎はわずかに伸長し、やや木質化し、太く肥大する。走出枝が3-4本あり、長さ15-75cmになり、小型の3出複葉をまばらにつける。花茎は高さ10-20cmになり、斜上する。根出葉は5小葉からなる羽状複葉で葉柄があり、花期に長さ6-12cm、花後には長さ17-30cmになる。小葉はふつう小葉柄がなく、先端の頂小葉と1対の側小葉は、菱状長楕円形から菱状倒卵形で、花期の長さ1-4cm、幅1-25cm、花後には長さ5-11cm、幅2.5-5.5cmになり、先は鋭頭、縁は鋸歯縁になり、小葉の裏面の葉脈上に毛が生える。下部の1対の小葉は上部のものと比べるとはるかに小さい。根出葉の葉柄は有毛で、葉柄の基部にある托葉は膜質になり、卵形で鋭突頭になる。走出枝につく葉は3出複葉になり、根出葉と比べると小さい[2]

花期は4-5月。花序は集散状になり、は黄色で径13-17mmになる。片は5個あり、披針形から三角状披針形で、長さ約4mm、幅1.5-2mm、先は鋭頭になり、外側に毛が生える。副萼片も5個あり、三角状披針形で、長さ約4mm、幅葯2mm、先は鋭頭になり、外側に毛が生える。花弁も5個あり、倒卵形から円形で先はわずかに凹頭、長さ6-7mm、幅4-6mmになる。雄蕊は20個あり、葯は卵状楕円形になる。心皮は多数あり、花柱はほぼ糸状になり、やや頂生する。花床には白毛が生える。果実痩果で多数つき、痩果に毛はない[2]

分布と生育環境

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日本固有種[3]。本州の秋田県山形県新潟県富山県石川県福井県京都府兵庫県にかけた日本海側[2][3]に分布し、山地のやや日当たりの良い斜面などに生育する[2]愛知県岐阜県にも分布する[4]

名前の由来

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種小名(種形容語)toyamensis は、「富山産の」の意味。

タイプ標本は、1977年5月に富山県東礪波郡平村(現南砺市)祖山で採集されたもの[1]

分類

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同属のキジムシロ P. fragarioides は、根出葉が羽状複葉であるが小葉は7-11個ある。走出枝はない。エチゴキジムシロ P. togasii は、根出葉が羽状複葉で小葉が5個で下側の1対が極端に小さい。走出枝はない。ツルキジムシロ P. stolonifera は、2-14本の走出枝をもち、根出葉が羽状複葉で小葉が7-9個ある[2]

ギャラリー

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脚注

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  1. ^ a b エチゴツルキジムシロ「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)
  2. ^ a b c d e f 『改訂新版 日本の野生植物 3』pp.38-39
  3. ^ a b 『日本の固有植物』p.77
  4. ^ エチゴツルキジムシロ, レッドデータブックあいち2009

参考文献

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