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エニシング・ゴーズ (ミュージカル)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

エニシング・ゴーズ』(Anything Goes)は、コール・ポーター作詞・作曲の楽曲を用いたミュージカル。豪華客船を舞台に多彩な登場人物、ドタバタでハチャメチャな明るいストーリーをジャズのメロディーとダンスで魅せるミュージカル・コメディである。オリジナル脚本はP・G・ウッドハウスガイ・ボルトン英語版。コール・ポーター最大のヒット作と呼ばれる。

概要

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1934年ブロードウェイ初演。リノ役はエセル・マーマン

1956年にはパラマウント映画の配給、ビング・クロスビージジ・ジャンメールドナルド・オコナーの主演で映画化がされた。邦題は『夜は夜もすがら』。

さらに1988年新脚本版(ティモシー・クラウスジョン・ワイドマン)がリンカーン・センターで上演され、第42回トニー賞en:42nd Tony Awards)にて3部門(ベストリバイバル賞、ミュージカル助演男優賞、振付賞)を獲得した。

2011年では再びトニー賞(en:65th Tony Awards)3部門(ミュージカル・リバイバル作品賞ミュージカル主演女優賞、振付賞)を獲得しており、初演から80年を経てもなお、人気のほどがうかがえる。

また、楽曲「エニシング・ゴーズ」はジャズのスタンダードナンバーとして今日でも多くの演奏が行われている。

日本における公演は、1989年に演出・振付宮本亜門、主演大地真央、共演植木等が初めてである。2013年には瀬奈じゅん主演、2021年には紅ゆずる主演で公演された。

あらすじ

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大西洋横断航路の豪華客船S・S・アメリカン号に乗り込むのは、実業家、船上で結婚式を行おうとする社交界の華、その挙式を阻止しようとする者、ナイトクラブの歌姫、指名手配のギャングとその情婦。

それぞれの思惑と恋愛感情が絡まり合って、S・S・アメリカン号の航海は始まる。

登場人物

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リノ・スウィーニー
ニューヨークで一番のナイトクラブの大スター。ビリーに夢中になっているが、ビリーはホープに夢中なため反応は今ひとつ。ショーガールとして雇われ、仲間たちとともにS・S・アメリカン号に乗り込む。
ビリー・クロッカー
ホイットニーの腹心の部下。一度だけパーティで会ったことがある社交界の華ホープ・ハーコートにぞっこんになっている。
結果的にムーンフェイスをかばったことで、ムーンフェイスからスネーク・アイズの偽造パスポートと乗船券をもらう。ホープが船上での結婚式を計画していると知ったビリーは上司ホイットニーの命令に背いてS・S・アメリカン号に偽造パスポートで密航してしまう。
スネーク・アイズが乗船しているという情報を得た船長から、ビリーはスネーク・アイズだと思われて船内で指名手配されてしまい、スネーク・アイズ(ビリー)を探し回る船員の目を避けるために、さまざまな変装をしつつ、ホープとオークリー卿の仲を裂こうと奮闘する。
ホープ・ハーコート
社交界の華。ビリーに惹かれはするものの、母の命によって、イギリス貴族のイヴリン・オークリー卿と婚約しており、S・S・アメリカン号の航海中に船上結婚式を行う予定。
ムーンフェイス・マーティン
指名手配Public Enemy)第13番のギャング。S・S・アメリカン号でスネーク・アイズと落ち合う手はずになっていた。神父に変装してS・S・アメリカン号に乗り込む。
イヴリン・オークリー卿
イギリス貴族でお金持ち。ホープの婚約者。乗船中にリノと知り合い、いい仲になって行く。
イヴァンジェリン・ハーコート夫人
ホープの母親。未亡人。ホイットニーとも旧知の間柄。
世界恐慌を経て財政難になっていたが、娘(ホープ)をオークリー卿と結婚させることで再起を目論む。
ボニー/アーマ
ムーンフェイスの情婦。S・S・アメリカン号に乗船する。
初演時はボニー。1987年の再演からアーマと名前が替わっている。
エリーシャ・J・ホイットニー
ウォール街の実業家で富豪で独身。部下のビリーに近い将来暴落する株の売却を命じ、自分はボートレース観賞のためにS・S・アメリカン号でロンドンへ行く予定。
船上で再会したハーコート夫人に惹かれてゆく。
チンとリン/ルークとジョン
本物の神父に引率された、ギャンブル好きの中国人。しかし、本物の神父は出航寸前にFBIがムーンフェイスと間違えて逮捕してしまう。
1987年の再演からルークとジョンに名前が替わっている。日本公演ではルカ、ヨハネ。
スネーク・アイズ
指名手配第1番のギャング。S・S・アメリカン号でムーンフェイス・マーティンと落ち合う手はずになっていた。

日本公演

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広報、パンフレットなどの表示順とは異なる。

日本公演での配役
役名 1989年 1990年 1991年 1996年 2013年 2021年
リノ 大地真央 瀬奈じゅん 紅ゆずる
ビリー 川崎麻世 石井一孝 田代万里生 大野拓朗
ホープ 藤田朋子 柏原芳恵 岩崎良美 鈴木ほのか すみれ 愛加あゆ
ムーンフェイス 植木等 左とん平 鹿賀丈史 陣内孝則
オークリー卿 太川陽介 吉野圭吾 廣瀬友祐
ハーコート夫人 ロミ・山田 塩沢とき 金井克子 保坂知寿 一路真輝
アーマ 北村岳子 戸田恵子 玉置成美 平野綾
ホイットニー 内田朝雄 鶴田忍 笹野高史 大澄賢也 市川猿弥
日本公演での演出・振付
役名 1989年 1990年 1991年 1996年 2013年 2021年
演出 宮本亜門 謝珠栄 山田和也 原田諒
振付 KAZUMI-BOY、大澄賢也、佐々木有子 麻咲梨乃吉川哲朗当銀大輔
訳詞 青井洋治 及川眠子 高橋亜子 青井陽治

楽曲

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  • 君にこそ心ときめくI Get a Kick Out of You) - リノ
  • (There's No Cure Like Travel)/Bon Voyage - 船員たち
  • All Through the Night - ビリー、ホープ
  • You'd Be So Easy to Love - ビリー
  • I Want to Row on the Crew - ホイットニー
  • Sailor's Chanty (There'll Always Be A Lady Fair)
  • Where Are the Men? - ボニー/アーマ
  • You're the Top - リノ、ビリー
  • Waltz Down the Aisle - ビリー、ホープ
  • Friendship - リノ、ムーンフェイス
  • It's De-Lovely - ビリー
  • Anything Goes - リノと仲間たち
  • Public Enemy Number One - 船長、パーサー、船員たち
  • Let's Step Out - ボニー/アーマ
  • What a Joy to be Young - ホープ
  • Let's Misbehave - リノ、オークリー卿
  • Blow, Gabriel, Blow - リノと仲間たち
  • Goodbye, Little Dream, Goodbye - ホープ
  • Be Like the Bluebird - ムーンフェイス
  • All Through the Night - ビリー、ホープ
  • The Gypsy in Me - ホープ
  • Buddie, Beware - リノ
  • Take Me Back to Manhattan - リノ
  • Finale (I Get a Kick Out of You) - リノ、その他大勢