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エマ・オブ・ノーマンディー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
エマ・オブ・ノーマンディー
: Emma of Normandy
: Emma af Normandiet
: Emma av Normandie
イングランド王妃
デンマーク王妃
ノルウェー王妃
在位 イングランド王妃:1002年 - 1013年1014年 - 1016年1017年 - 1035年
デンマーク王妃:1018年 - 1035年
ノルウェー王妃:1028/30年 - 1035年

出生 985年
ノルマンディー
死去 1052年3月6日
イングランド王国の旗 イングランド王国ハンプシャーウィンチェスター
埋葬 イングランド王国の旗 イングランド王国ウィンチェスター、オールドミンスター大聖堂
結婚 1002年
1017年
配偶者 イングランドエゼルレッド2世
  イングランドクヌート1世
子女 ゴーダ
エドワード
アルフレッド・アシリング
ハーデクヌーズ
グンヒルダ
家名 ノルマンディー家
父親 ノルマンディー公リシャール1世
母親 グンノーラ
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『Encomium Emmae』。11世紀にラテン語で書かれたイングランド王妃エマへの賛辞

エマ(Emma, 985年頃 - 1052年3月6日)は、ノルマンディー公リシャール1世とその2番目の妻グンノーラの娘で、2度の結婚で2度続けてイングランド王妃となった。最初の夫はエゼルレッド2世で、2度目の夫はクヌート1世。2人の夫ともうけた子供たちのうち、それぞれから1人ずつが後にイングランド王になった。クヌートとの子ハーデクヌーズと、エゼルレッド2世との子エドワード懺悔王である。さらに、兄ノルマンディー公リシャール2世の孫ウィリアム1世もイングランド王となった。

生涯

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エゼルレッド2世との結婚は1002年で、2度目の妻だった。海峡を挟んで脅威であったノルマンディーの攻撃を回避するための政略結婚だったと思われる。

エゼルレッド2世との間に3人の子供が生まれた。

1013年デンマークがイングランドを侵略し、子供のエドワードとアルフレッドはノルマンディーに亡命した。

1016年、エゼルレッド2世が、さらに続いてイングランド王となったエドマンド2世(エゼルレッド2世と最初の妻の子)が亡くなり、デンマーク王子クヌートがイングランド王になった。

クヌートには「仮祝言した」妻エルギフ・オブ・ノーサンプトン(Aelgifu of Northampton)がいたが、1017年にエマと結婚した。クヌートはエマとの間に生まれた子ハーデクヌーズをデンマークの王位継承者にすることを誓約した。それは、エマへの愛を意味しているのかも知れないが、ノルマン人に現状に満足し、介入を思いとどまってもらう意図もあったようで、つまり、最初の結婚の時と同じく、政略結婚であったことを窺わせる。

クヌートとの間に2人の子供が生まれた。

1035年、クヌートが亡くなった。デンマーク王は約束通りハーデクヌーズが継承したが、イングランド王の王冠をかぶったのは、イングランド貴族の支持を受けた、ハーデクヌーズの異母兄ハロルドだった。

1036年、息子のエドワードとアルフレッドがエマに会うために、亡命先のノルマンディーから帰国した。ハロルドに対抗する動きのように思われる。しかし、弟のアルフレッドは捕らえられ、目を潰され、その傷がもとでまもなく死んでしまった。兄のエドワードはノルマンディーに逃げ帰った。エマ本人もすぐさまブルッヘ、それからフランドル伯の宮廷に逃げた。『Encomium Emmae(エマ賛辞)』という本はその宮廷で書かれたものである。

1040年、ハロルドが亡くなり、ハーデクヌーズがイングランド王の王冠をかぶった。ハーデクヌーズはノルウェーとスウェーデンの領土を失っていたが、デンマークの安全は確保していた。

1041年、エドワードが帰国した。ハーデクヌーズはノルマンディー宮廷に対して、もし自分に子供がいなければエドワードが王になるべきだと言った。

1042年、ハーデクヌーズが亡くなって、エドワードがイングランド王になった。その時、エマは息子のエドワードでなく、マグヌスを支持したので、ずっと見捨てられたままだった。

評価

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エマは2度の結婚の2度とも、最初の妻より劣っていると見られることが多い。出産中の合併症から亡くなったエゼルレッド2世の最初の妻エルギフは尊敬されていた[1]。クヌートとの結婚では、先に「仮祝言した」妻エルギフ・オブ・ノーサンプトンの影に隠れて、当時はエルギフ・オブ・ノーマンディーという名で呼ばれていた。

ともあれ、エマの2度の結婚はイングランドとノルマンディーの強い絆を生み、後にそれはエマの大甥ウィリアム1世による1066年ノルマン・コンクエストで頂点を迎えることになる。

参考文献

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  • Pauline Stafford. Queen Emma and Queen Edith: Queenship and Women's Power in Eleventh-century England 2001 Blackwell's
  • Isabella Strachan. Emma: The Twice-crowned Queen of England in the Viking Age 2005 Peter Owen
  • Harriet O'Brien. Queen Emma and the Vikings 2005 Bloomsbury U.S.A.
  • Helen Hollick. The Hollow Crown. (August 2004) William Heinemann, Random House. ISBN 0-434-00491-X; Arrow paperback ISBN 0-09-927234-2. This is a historical novel about Queen Emma of Normandy, explaining why she was so indifferent to the children of her first marriage.
  • Noah Gordon. The Physician 1986 Macmillan ISBN 067147748X . Novel set in the early 11th century.

脚注

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  1. ^ Trow, M.J., Cnut: Emperor of the North, first edn., Sutton (2005), pg. 54