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ノルマンディー公

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ノルマンディー公国の紋章

ノルマンディー公(仏:duc de Normandie)は、ノルマンディー公国君主称号フランスノルマンディー地方を領有していた。

歴史

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ノルマン人の一部族の首領であったロロは、911年西フランク王国(現在のフランスに相当)の北西部沿岸からセーヌ川を遡って内陸へ侵入した。シャルトルの町を包囲していたノルマン人は、西フランクシャルル3世の軍に破られる。長年、ヴァイキングの侵入に悩まされてきたシャルル3世は、ノルマン人に土地を与えてヴァイキングの侵入を防がせることに決め、ロロと条約を結んだ(サン・クレール・シュール・エプト条約)。その結果、ロロは、臣下として王に忠誠を誓い、また、キリスト教に改宗した。一方、王は、北西の沿岸部の土地をロロに与え、公爵として封じた。間もなくその一帯はノルマンディーと呼ばれるようになる。その後、1066年、7代目のギヨーム2世のとき、イングランドの王位継承を主張してイングランド王国へ侵攻し、ハロルド王を破ってイングランド王に即位した(ノルマン・コンクエストノルマン朝成立)。

これ以降、ノルマンディー公は、フランスに臣従する一方で、イングランドでは王として君臨した。このイングランドとフランスの複雑な関係は、後の百年戦争の遠因となる。百年戦争の終結後、ノルマンディーはフランス王の支配下に入った。ただし、チャネル諸島だけはイングランドが依然として領有し、「ノルマンディー公」の称号が用いられている。

フランス王領となって以後、ノルマンディーはしばしば親王宰地となっている。

歴代ノルマンディー公

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年数は在位年。確定できないものは / で併記。

ノルマンディー家

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「ノルマンディー公」の称号を正式に使うのは、リシャール1世の代以降。ノルマンディー家は7代目のギヨーム2世のときにイングランドを征服し、ノルマン朝を開く。

  1. ロロ(ロベール1世[1])(911年 - 925/927年)「徒歩公」
  2. ギヨーム1世925/927年 - 942年)「長剣公」
  3. リシャール1世942/943年 - 996年)「無怖公」
  4. リシャール2世996年 - 1026年)「善良公」
  5. リシャール3世1026年 - 1027年
  6. ロベール1世(ロベール2世[1])(1027/1028年 - 1035年)「華麗公」「悪魔公」
  7. ギヨーム2世1035年 - 1087年)「庶子公」「征服公」
    イングランド王(ウィリアム1世、 1066年 - 1087年)「征服王」
  8. ロベール2世(ロベール3世[1])(1087年 - 1105/1106年)「短袴公」
  9. アンリ1世1105/1106年 - 1135年)「碩学公」
    イングランド王(ヘンリー1世、1100年 - 1135年

ブロワ家

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プランタジネット家

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アンリ1世(ヘンリー1世)の娘マティルダは、アンジュー伯家(プランタジネット家)のジョフロワと再婚し、エティエンヌ(スティーヴン)とイングランド王位、ノルマンディー公位を争った。

  1. ジョフロワ1144年 - 1150年)「美男公」
    アンジュー伯(ジョフロワ4世、1129年 - 1151年
  2. アンリ2世1150年 - 1189年
    イングランド王(ヘンリー2世、1154年 - 1189年
  3. リシャール4世1189年 - 1199年
    イングランド王(リチャード1世、1189年 - 1199年)「獅子心王」
  4. ジャン1199年 - 1216年
    イングランド王(ジョン、1199年 - 1216年)「欠地王」
    1204年フィリップ2世によってノルマンディー公領(チャネル諸島を除く)を奪われるが、以降も公位を主張する。
  5. アンリ3世1216年 - 1259年
    イングランド王(ヘンリー3世、1216年 - 1272年

1259年のパリ条約により、アンリ3世はノルマンディー公位を放棄した。

ヴァロワ家

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ランカスター家

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ヴァロワ家

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ブルボン家

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関連項目

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  1. ^ a b c 初代のロロはノルマンディーの領主となった後にロベールに改名しているため、ロベール1世と呼ぶ場合がある。この場合、同名の子孫の2人はそれぞれ2世、3世に繰り下がる。
  2. ^ a b ギヨーム・クリトン、ギヨーム・アドランともノルマンディー公に含める場合がある。両方を含める場合には後者は4世となる。