コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

エマーソン・レイク・アンド・パウエル (アルバム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『エマーソン・レイク・アンド・パウエル』
エマーソン・レイク・アンド・パウエルスタジオ・アルバム
リリース
録音 1985年 - 1986年
ジャンル プログレッシブ・ロック
時間
レーベル ポリグラム
プロデュース Tony Taverner/グレッグ・レイク
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 23位(米国・ビルボードチャート[1]
  • 35位(英国・オフィシャルチャート[2]
  • 44位(日本・オリコンチャート[3]
  • エマーソン・レイク・アンド・パウエル アルバム 年表
    エマーソン・レイク・アンド・パウエル
    (1986年)
    -
    テンプレートを表示

    エマーソン・レイク・アンド・パウエル (Emerson, Lake & Powell) は、エマーソン・レイク・アンド・パウエルが1986年に発表したアルバム

    解説

    [編集]

    制作の経緯

    [編集]

    本作は、1979年に解散したエマーソン・レイク・アンド・パーマー(ELP)のキース・エマーソンが、ゲフィン・レコードとの契約に向けて1984年から1985年にかけて制作していたデモ・テープが元になっている。テープを聴いたポリドールの関係者が、エマーソンにELPを再結成する事を示唆した[注釈 1]。様々な紆余曲折の後、エマーソンはグレッグ・レイクコージー・パウエルとエマーソン・レイク・アンド・パウエル[注釈 2]を結成して、本作を制作した[4]

    内容

    [編集]

    「火星-戦争をもたらすもの」[5]は、イギリスの作曲家ホルストの組曲「惑星」の「火星-戦争をもたらすもの」を改作した作品である。ホルストは生前、「惑星」はオーケストラによってのみ、抜粋ではなく全編演奏されなければならない、という制約を規定した。彼が1934年に死去した後は、遺族がこの制約が守られるように目を光らせた[注釈 3]。しかし本作が発表された1986年には、彼の死後既に50年以上経って著作権が失効していたので、エマーソン・レイク・アンド・パウエルは制約を守る必要も遺族の許可を得る必要もなかった。

    「タッチ・アンド・ゴー」[6]はシングル・カットされた。1991年に再結成したエマーソン・レイク・アンド・パーマーは、この曲をカバーして1993年のCD ボックス『リターン・オブ・ザ・マンティコア』に収録し、コンサートでも頻繁に演奏した。

    「ザ・スコアー」の冒頭のインストゥルメンタル部分や「タッチ・アンド・ゴー」の冒頭など、スポーツ系のテレビ番組ではお馴染みのフレーズが多い。「火星-戦争をもたらすもの」の途中に使われている脅迫的不気味さを伴うシンセサイザーのフレーズは、K-1PRIDEといった格闘技の番組で、ジェロム・レ・バンナのようなパワーと暴力性のイメージが強い選手のイメージ音楽として使用されることがある。

    収録曲

    [編集]

    作詞:グレッグ・レイク/作曲:キース・エマーソン&グレッグ・レイク。例外は下記参照(※)。

    初版の収録曲
    1. ザ・スコアー – "The Score" 9:10
    2. ラーニング・トゥ・フライ – "Learning to Fly" 3:52
    3. ザ・ミラクル – "The Miracle" 7:02
    4. タッチ・アンド・ゴー – "Touch and Go" 3:35
    5. ラヴ・ブラインド – "Love Blind" 3:08
    6. ステップ・アサイド - "Step Aside" 3:42
    7. レイ・ダウン・ユア・ガンズ – "Lay Down Your Guns" 4:20 ※作詞:レイク&スティーヴ・グールド/作曲:エマーソン
    8. 火星-戦争をもたらすもの – "Mars, the Bringer of War" 7:53 ※作曲:グスターヴ・ホルスト/編曲・エマーソン、レイク&コージー・パウエル
    第2版の追加収録曲
    1. ロコ・モーション – "The Loco-Motion" 4:40 ※作詞・作曲:ジェリー・ゴフィンキャロル・キング
    2. ヴェイカント・ポゼッション – "Vacant Possession" 4:42
    Emerson, Lake & Powell (CD)
    各トラックの作詞、作曲は en:Emerson,_Lake_&_Powell_(album) に基づく。
    #タイトル作詞作曲時間
    1.「The Score (ザ・スコアー)Greg LakeKeith Emerson
    2.「Learning to Fly (ラーニング・トゥ・フライ)LakeEmerson
    3.「The Miracle (ザ・ミラクル)LakeEmerson
    4.「Touch and Go (タッチ・アンド・ゴー)LakeEmerson
    5.「Love Blind (ラヴ・ブラインド)LakeEmerson
    6.「Step Aside (ステップ・アサイド)LakeEmerson
    7.「Lay Down Your Guns (レイ・ダウン・ユア・ガンズ)Lake, Steve GouldEmerson
    8.「Mars, the Bringer of War (火星-戦争をもたらすもの) Gustav Holst, adapted by Emerson, Lake, Cozy Powell
    合計時間:
    Emerson, Lake & Powell (CD 第2版の追加収録曲)
    各トラックの作詞、作曲は en:Emerson,_Lake_&_Powell_(album) に基づく。
    #タイトル作詞作曲時間
    9.「The Loco-Motion (ロコ・モーション)Gerry Goffin, Carol KingGerry Goffin, Carol King
    10.「Vacant Possession (ヴェイカント・ポゼッション)LakeEmerson
    合計時間:

    参加ミュージシャン

    [編集]
    Emerson, Lake and Powell
    • Keith Emerson – キーボード
    • Greg Lake – ボーカル、ベース・ギター、ギター、プロダクション
    • Cozy Powell – ドラムス、パーカッション

    チャート

    [編集]

    イギリスでは最高35位、アメリカでは最高23位を記録した[7]

    脚注

    [編集]

    注釈

    [編集]
    1. ^ この頃、イエスエイジアが商業的に成功していたことに触発されて、多くのレコード会社が1970年代のプログレッシブ・ロック・バンドの再結成に動いており。本作も、そうした動きの中のひとつとなっている。
    2. ^ エマーソン・レイク・アンド・パーマーのカール・パーマーは、EL&PやELPなどの略称がエマーソン・レイク・アンド・パーマー以外に使用されることを禁止する訴訟を起こして勝訴した。よって、エマーソン・レイク・アンド・パウエルを略してELPとは呼べない。
    3. ^ レイクがELP結成前の1969年に在籍していたキング・クリムゾンは、彼が在籍していた当時にライブで「火星」を取り上げていたが、1970年にスタジオ録音版をセカンド・アルバムの『ポセイドンのめざめ』に収録しようとしたところ、遺族の許可がおりなかったので、タイトルを「デヴィルズ・トライアングル」にしてホルストの名前を出さずに収録した。

    出典

    [編集]
    1. ^ Emerson, Lake & Powell - Emerson, Lake & Powell | Awards | AllMusic
    2. ^ EMERSON, LAKE & PALMER | Artist | Official Charts - 「Albums」をクリックすれば表示される
    3. ^ 『オリコンチャート・ブックLP編(昭和45年‐平成1年)』(オリジナルコンフィデンス/1990年/ISBN 4-87131-025-6)p.93
    4. ^ Macan (2006), pp. 485–490.
    5. ^ Macan (2006), pp. 497–499.
    6. ^ Macan (2006), p. 496.
    7. ^ Macan (2006), pp. 500–501.

    引用文献

    [編集]
    • Macan, Edward (2006). Endless Enigma: A Musical Biography of Emerson, Lake and Palmer. Chicago: Open Court. ISBN 978-0-8126-9596-0