エミグレ (企業)
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エミグレ(Emigre)は、アメリカ合衆国カリフォルニア州バークレーの活字製作所。エミグレ・グラフィックス(Emigre Graphics)とも呼ばれる。ルディ・バンダーランス(Rudy VanderLans)とズザーナ・リッコ(Zuzana Licko)によって設立された。フランス語から転化した移民を意味する英単語 émigréとは違い、Emigreにダイアクリティカルマークはつかない。
エミグレは独立した活字製作所として1984年に設立され、印刷機器のメーカーと協力することなく独自に書体の開発を行ってきた。また、1984年から2005年の間、社名を冠したエミグレ誌(Emigre magazine)を発行していた。 1980年代後半から1990年代にかけての黄金期には、斬新な書体が立て続けにエミグレから発表された。雑誌ではそれらの書体デザインの可能性を示し、またグラフィック表現の斬新さから有名になった。エミグレは奇抜な書体を開発するメーカーという印象を抱かれがちだが、1990年代後半からは古典回帰の片鱗を見せ始め、優雅な印象のセリフ体ミセス・イーブスなどを発売し始めた。また、リガチャー(飾り文字)を作り込んだ書体や、ディングバット(絵文字)書体などを多く発売している。
エミグレはグラフィックデザイン関連の本の出版も行っている。
書体
[編集]下記はエミグレ書体の一例。
- トリプレックス(Triplex, 1989)
- エクゾセット(Exocet, 1991)
- メイソン(Mason, 1992, ジョナサン・バーンブルックが開発)
- サバーバン(Suburban, 1993)
- ドグマ(Dogma, 1994)
- フィロソフィア(Filosofia, 1996, ボドニをベースに開発)
- ミセス・イーブス(Mrs Eaves, 1996, バスカーヴィルをベースに開発)
- ヒプノピーディア(Hypnopaedia, 1997, 同じ文字を4つ組み合わせた装飾用のフォント)
- トリビュート(Tribute, 2003, フランク・ハイネが開発)
外部リンク
[編集]- エミグレ公式サイト(英語)