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アービン・サンタナ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
エルビン・サンタナから転送)
アービン・サンタナ
Ervin Santana
ミネソタ・ツインズ時代
(2017年5月23日)
基本情報
国籍 ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国
出身地 サン・クリストバル州サン・クリストバル
生年月日 (1982-12-12) 1982年12月12日(41歳)
身長
体重
6' 2" =約188 cm
185 lb =約83.9 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2000年 アマチュアFA
初出場 2005年5月17日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国
WBC 2017年
プレミア12 2019年

アービン・ラモン・サンタナErvin Ramon Santana, 1982年12月12日 - )は、ドミニカ共和国サン・クリストバル州サン・クリストバル出身のプロ野球選手投手)。右投右打。現在は、フリーエージェント(FA)。愛称はマジック[1]

メディアによってはエルビン・サンタナとも表記される。

経歴

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プロ入りとエンゼルス時代

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2000年9月2日に他人の出生証明で年齢を16歳に見せかけ、ヨハン・サンタナ(ベネズエラ出身のヨハン・サンタナとは全く関係ない)としてアナハイム・エンゼルスと契約してプロ入り[2]

2002年2月にドミニカ共和国人選手の年齢詐称が問題になった際に、自分の出生証明を提出し直したため、名前がヨハンからアービンへ、年齢は17歳から19歳へ訂正された[2]

2005年5月16日にAA級アーカンソー・トラベラーズからメジャーへ昇格を果たし[3]、翌17日のクリーブランド・インディアンス戦でメジャーデビューを果たした。5月27日にケルビム・エスコバー故障者リストからの復帰に伴い、AAA級ソルトレイク・スティンガーズへ降格したが[3]、6月13日にメジャーへ復帰し[4]、その後シーズン終了までマイナーに降格せず、12勝を挙げた。

2006年は投球回数が200を超え、チーム最多の16勝を記録した。

2007年は投球のメカニックがバラバラとなったため不甲斐ないピッチングが続き一時マイナーへ降格したが、改善に取り組んだ結果[5]、シーズン終盤の9月は防御率2.96、奪三振は投球回数を上回る29を記録した[6]

2008年は大きく飛躍し、開幕から最多勝争いに絡む活躍を見せた。終盤やや援護に恵まれない試合もあり、勝ち星は自己最多タイの16勝に留まったが、防御率は3点台前半の内容はキャリア最高の出来だった。中でも与四球の低下や、奪三振の大幅増など、特筆すべき点も多かった。サイ・ヤング賞投票では6位に入った。

2009年2月14日にエンゼルスと総額3000万ドルの4年契約(2015年・1300万ドルの球団オプション付き[7])を結んだ[8][9]。この年は右肘の故障で24試合の登板にとどまり、8勝8敗、防御率5.03だった。

2010年は33試合に先発登板して自己最多の17勝(10敗)を挙げ、防御率は3.92だった。

2011年7月27日のインディアンス戦にてノーヒットワンランで勝利という珍しい記録を達成[10]。この年は33試合に先発登板して11勝12敗、防御率3.38、178奪三振を記録した。

2012年は30試合に先発登板して9勝13敗、防御率5.16、133奪三振を記録した。

ロイヤルズ時代

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2012年10月31日にエンゼルスが来季の球団オプションを行使したが、同日にブランドン・シスクとのトレードで、カンザスシティ・ロイヤルズへ移籍した[11]

2013年は32試合に先発登板して9勝10敗、防御率3.24、161奪三振を記録した。オフの10月31日にFAとなった。

ブレーブス時代

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2014年3月12日にアトランタ・ブレーブスと1年契約に合意した[12]。この年は31試合に先発登板して14勝10敗、防御率3.95、179奪三振を記録した。オフの10月30日にFAとなった。

ツインズ時代

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2014年12月13日にミネソタ・ツインズと総額5400万ドルの4年契約(2019年・1400万ドルの球団オプション付き[7])を結んだ[13][14]

2015年4月3日にスタノゾロールに陽性反応を示し薬物規定違反で80試合の出場停止処分を科せられた[15]。7月5日のロイヤルズ戦で復帰した。復帰後は先発ローテーションに入り、17試合に登板して7勝5敗、防御率4.00を記録した。出場停止の影響で、規定投球回到達は5シーズン連続で途切れた。

2016年は開幕からフルシーズン先発ローテーションに入って投げ、規定投球回にも達した。防御率3.38、WHIP1.22と全体的に好投したが、低迷するチームの影響もあって7勝11敗と負け越した。

2017年はシーズン開幕前の3月に開催された第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)ウィリー・ペラルタに替わってドミニカ共和国代表に選出された[16]。シーズンでは開幕から好調で、4月は5試合に先発して4勝・防御率0.77という好成績を残したが、ダラス・カイクルに阻まれて月間最優秀投手賞の受賞はならなかった。6月にやや調子を落としたものの、前半戦を投球回数120.1回、10勝、防御率2.99といずれもリーグ上位につけて2008年以来となるオールスターに選出された。シーズン通算でも33試合先発でリーグ最多の5完投・3完封を記録し、16勝8敗、防御率3.28と3年ぶりの二桁勝利となった。ポストシーズンではニューヨーク・ヤンキースとのワイルドカードゲームに先発したものの、2回2被本塁打4失点で降板(勝敗つかず)。チームも敗れ敗退となった。

2018年は右手中指の故障で長期離脱となり、5試合の登板にとどまった。オフの10月29日にFAとなった[17]

ホワイトソックス時代

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2019年2月23日にシカゴ・ホワイトソックスとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[18]。開幕は傘下のAAA級シャーロット・ナイツで迎え、4月9日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[19]。4月26日にDFAとなり[20]、27日にマイナー契約でAAA級シャーロットへ配属された後、29日にFAとなった[21]

メッツ傘下時代

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2019年5月24日にニューヨーク・メッツとマイナー契約を結んだ[22]。オフにFAとなった[23]。11月に開催された第2回WBSCプレミア12のドミニカ共和国代表に選出された[24]

ロイヤルズ復帰

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2020年は無所属で過ごした後、12月29日にロイヤルズとマイナー契約を結んで2021年のスプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[25]

2021年4月13日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[26]。この年は38試合(先発2試合)に登板して7勝5敗、防御率4.68、53奪三振を記録した。オフの11月3日にFAとなった[21]

投球スタイル

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オーバースローから、平均球速92-93mph(約148-150km/h)のフォーシーム、平均83mph(約134km/h)のスライダーの2球種が大半を占めており、空振り率の高いスライダーはメジャー屈指の評価を受けている[27]。その他平均85mph(約137km/h)のチェンジアップ、平均91mph(約146km/h)のツーシームも投げ分ける[28]。速球の球速は、2008年では最速100.6mph(約162km/h)、平均95mph(約153km/h)を記録している。故障が少なく長いイニングを安定して投げられる投手である。

詳細情報

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年度別投手成績

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W
H
I
P
2005 LAA 23 23 1 1 0 12 8 0 0 .600 583 133.2 139 17 47 2 8 99 4 0 73 69 4.65 1.39
2006 33 33 0 0 0 16 8 0 0 .667 846 204.0 181 21 70 2 11 141 10 2 106 97 4.28 1.23
2007 28 26 0 0 0 7 14 0 0 .333 675 150.0 174 26 58 3 8 126 7 0 103 96 5.76 1.55
2008 32 32 2 1 2 16 7 0 0 .696 897 219.0 198 23 47 2 8 214 5 1 89 85 3.49 1.12
2009 24 23 2 2 0 8 8 0 1 .500 614 139.2 159 24 47 4 10 107 4 0 83 78 5.03 1.47
2010 33 33 4 1 1 17 10 0 0 .630 954 222.2 221 27 73 2 12 169 11 1 104 97 3.92 1.32
2011 33 33 4 1 1 11 12 0 0 .478 949 228.2 207 26 72 4 8 178 10 1 95 86 3.38 1.22
2012 30 30 1 1 0 9 13 0 0 .409 764 178.0 165 39 61 2 9 133 4 0 109 102 5.16 1.27
2013 KC 32 32 0 0 0 9 10 0 0 .474 859 211.0 190 26 51 3 6 161 6 0 85 76 3.24 1.14
2014 ATL 31 31 0 0 0 14 10 0 0 .583 817 196.0 193 16 63 4 4 179 9 0 90 86 3.95 1.31
2015 MIN 17 17 0 0 0 7 5 0 0 .583 457 108.0 104 12 36 2 4 82 3 0 50 48 4.00 1.30
2016 30 30 2 1 2 7 11 0 0 .389 748 181.1 168 19 53 2 4 149 11 3 78 68 3.38 1.22
2017 33 33 5 3 0 16 8 0 0 .667 864 211.1 177 31 61 2 8 167 12 1 85 77 3.28 1.13
2018 5 5 0 0 0 0 1 0 0 .000 114 24.2 31 9 9 0 2 16 0 0 22 22 8.03 1.62
2019 CWS 3 3 0 0 0 0 2 0 0 .000 64 13.1 19 6 6 0 0 5 1 0 14 14 9.45 1.88
2021 KC 38 2 0 0 0 2 2 0 1 .500 277 65.1 65 9 22 1 2 52 7 2 35 34 4.68 1.33
MLB:16年 425 386 21 11 6 151 129 0 2 .539 10482 2486.2 2391 331 776 35 104 1978 104 11 1221 1135 4.11 1.27
  • 2021年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

記録

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MiLB
MLB

背番号

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  • 54(2005年 - 2013年、2015年 - 2019年、2021年)
  • 30(2014年)

代表歴

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脚注

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  1. ^ Twins Players Weekend nicknames explained MLB.com (英語) (2017年8月24日) 2017年8月30日閲覧
  2. ^ a b 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2007』廣済堂出版、2007年、199頁頁。ISBN 978-4-331-51213-5 
  3. ^ a b Transactions May, 2005” (英語). MLB.com. 2008年8月19日閲覧。
  4. ^ Transactions June, 2005” (英語). MLB.com. 2008年8月19日閲覧。
  5. ^ 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2008』廣済堂出版、2008年、195頁頁。ISBN 978-4-331-51300-2 
  6. ^ Ervin Santana 2007 Pitching Splits” (英語). Baseball-reference.com. 2008年8月19日閲覧。
  7. ^ a b 違約金は100万ドル。
  8. ^ Angels agree to four-year contract with pitcher Ervin Santana”. MLB.com Angels Press Release (February 14, 2009). December 12, 2014閲覧。
  9. ^ Lyle Spencer (February 15, 2009). “Halos ink Santana to four-year contract”. MLB.com. December 12, 2014閲覧。
  10. ^ Angels’ Santana No-Hits the Indians” (英語). ニューヨーク・タイムズ (2011年7月28日). 2012年9月8日閲覧。
  11. ^ Royals acquire righty Santana from Angels” (英語). MLB.com (2012年10月31日). 2012年11月1日閲覧。
  12. ^ Braves Agree to Terms with Ervin Santana on One-Year Contract”. MLB.com Braves Press Release (March 12, 2014). March 12, 2014閲覧。
  13. ^ Twins to sign right-handed pitcher Ervin Santana to a four-year contract” (英語). MLB.com (December 13, 2009). December 14, 2014閲覧。
  14. ^ Nate Sandell (December 13, 2009). “Santana ready to get started with Twins” (英語). MLB.com. December 14, 2014閲覧。
  15. ^ MLB suspends E. Santana 80 games for PED use MLB.com 英語 (2015年4月3日) 2015年4月4日閲覧
  16. ^ DR to start Martinez Tuesday, Ervin Saturday MLB.com (英語) (2017年3月13日) 2017年3月17日閲覧
  17. ^ Rhett Bollinger (2018年10月30日). “Twins decline options on Santana, Morrison” (英語). MLB.com. 2019年2月13日閲覧。
  18. ^ Ervin Santana agrees to minor league deal with White Sox” (英語). ESPN (2019年2月24日). 2019年4月12日閲覧。
  19. ^ Ervin Santana joins White Sox for start vs. Rays” (英語). MLB.com (2019年4月9日). 2019年4月12日閲覧。
  20. ^ White Sox DFA Santana, reinstate rookie Jimenez” (英語). ESPN (2019年4月26日). 2019年4月27日閲覧。
  21. ^ a b MLB公式プロフィール参照。2022年2月27日閲覧。
  22. ^ Anthony DiComo (2019年5月24日). “Ervin Santana signs Minors deal with Mets” (英語). MLB.com. 2019年5月25日閲覧。
  23. ^ Thomas Harrigan, Manny Randhawa and Paul Casella (November 8, 2019). “Here are every team's free agents this winter” (英語). MLB.com. December 2, 2019閲覧。
  24. ^ 「プレミア12」ドミニカ代表にMLB通算149勝右腕ら参戦 中日ロメロも選出”. Full-Count (2019年10月8日). 2019年11月27日閲覧。
  25. ^ Steve Adams (2020年12月29日). “Royals Sign Ervin Santana To Minor League Deal” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年3月20日閲覧。
  26. ^ Connor Byrne (2021年4月13日). “Royals Select Ervin Santana” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年4月23日閲覧。
  27. ^ Ervin Santana's Trouble with the Long Ball” (英語) (2013年1月31日). 2012年11月1日閲覧。
  28. ^ FanGraphs - PITCHf/x2017年2月7日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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