エンダーズ・シャドウ
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『エンダーズ・シャドウ』(Ender's Shadow)は、オースン・スコット・カードのSF小説。
概要
[編集]エンダーシリーズ (Ender Wiggins Saga) の一作。
『エンダーのゲーム』から『死者の代弁者』『ゼノサイド』に続く、エンダーを主人公としたシリーズとは異なり、『エンダーのゲーム』を他者(ビーン)からの視点で捉えた「視差」小説[1]。同系統のシリーズ(Shadow Saga)は『シャドウ・オブ・ヘゲモン』『シャドウ・パペッツ』が刊行されている。
ストーリー
[編集]エンダーの影として『エンダーのゲーム』に登場した天才少年ビーン。ロッテルダムの街で生を受けた彼は、2歳足らずで路上生活を経験した後、エンダー(アンドルー・ウィッギン)のいる、士官候補生養成施設であるバトル・スクールに入学した。そこで、ビーンは自らの持つ天才的な才能を自覚し、世界中から集められた優秀なはずの子供たちの中で、時にはエンダーさえも凌駕する成績を見せる。また、エンダーや大人(教官)など出会った人間だけでなくバガーの考え、動作、さらに地球の動向まで捉え、推察し、行動していく。もう間もなく始まる最終決戦(エンダーのゲーム)のために……そして、ついに実際にゲームが始まるというその瞬間、圧倒的不利な状況を目の当たりにしたビーンがつぶやいた。
「おぼえておけ、敵のゲートは下だ。」
エンダーのゲームが、そしてビーンのゲームが始まった。
脚注
[編集]- ^ 典拠:上巻、序文より
単行本
[編集]- 『エンダーズ・シャドウ 上』田中一江訳 ハヤカワ文庫SF 2000年10月 ISBN 4-15-011330-0
- 『エンダーズ・シャドウ 下』田中一江訳 ハヤカワ文庫SF 2000年10月 ISBN 4-15-011331-9
エンダーシリーズ
[編集]長編
[編集]- 『エンダーのゲーム』 Ender's Game (1985年)
- 『死者の代弁者』 Speaker for the Dead (1986年)
- 『ゼノサイド』 Xenocide (1991年)
- 『エンダーの子どもたち』 Children of the Mind (1996年)
- 『エンダーズ・シャドウ』 Ender's Shadow (1999年)
- 『シャドウ・オブ・ヘゲモン』 Shadow of the Hegemon (2001年)
- 『シャドウ・パペッツ』 Shadow Puppets (2002年)
- Shadow of the Giant (2005年)
- A War of Gifts: An Ender Story (2007年)
- Ender in Exile (2008年)
- Shadows in Flight (2012年)
- Earth Unaware (2012年)
- Aaron Johnstonと共著
- Earth Afire (2013年)
- Aaron Johnstonと共著
- Earth Awakens (2014年予定)
- Aaron Johnstonと共著
- Shadows Alive (予告)
短編
[編集]- 「エンダーのゲーム」 Ender's Game (1977年)
- 短編集『無伴奏ソナタ』 Unaccompanied Sonata and Other Stories (1980年)所収
- 短編集First Meetings in the Enderverse (2002年)所収
- Gloriously Bright (1991年)
- 「投資顧問」 Investment Counselor (1999年)
- アンソロジー『SFの殿堂 遥かなる地平』 Far Horizons (1999年)所収
- 短編集First Meetings in the Enderverse (2002年)所収
- The Polish Boy (2002年)
- 短編集First Meetings in the Enderverse (2002年)所収
- Teacher's Pest (2003年)
- Mazer in Prison (2005年)
- Pretty Boy (2006年)
- Cheater (2006年)
- Ender's Stocking (2007年)
- A Young Man with Prospects (2007年)
- The Gold Bug (2007年)
- Ender's Homecoming (2008年)
- Ender in Flight (2008年)