コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

オファツムマブ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
オファツムマブ?
モノクローナル抗体
種類 全長抗体
原料 ヒト
抗原 CD20英語版
臨床データ
販売名 アーゼラ, Arzerra, ケシンプタ,Kesimpta
Drugs.com monograph
MedlinePlus a610009
ライセンス EMA:リンクUS FDA:リンク
胎児危険度分類
  • US: C
法的規制
薬物動態データ
半減期14 日
データベースID
CAS番号
679818-59-8 ×
ATCコード L01XC10 (WHO)
UNII M95KG522R0 チェック
ChEMBL CHEMBL1201836en:Template:ebicite
化学的データ
化学式C6480H10022N1742O2020S44
分子量146.1 kDa
テンプレートを表示

オファツムマブ(Ofatumumab)はCD20英語版に対する完全ヒトモノクローナル抗体であり、成熟前のBリンパ球活性化を阻害する。商品名アーゼラおよびケシンプタ、ノバルティス製造販売。日本では再発または難治性のCD20陽性の慢性リンパ性白血病の治療に、米国ではフルダラビンおよびアレムツズマブが無効になった慢性リンパ性白血病の治療に用いられる。欧州では再発性リンパ性白血病に対して条件付承認を受けている。そのほか、濾胞性リンパ腫瀰漫性大細胞型B細胞性リンパ腫関節リウマチ、再発寛解型多発性硬化症に有効である可能性がある。開発コード、HuMax-CD20。 後に、多発性硬化症治療薬として認可された。

効能・効果

[編集]
  • アーゼラ
承認されている効能・効果は慢性リンパ性白血病(CLL)のみである[1][2][3][4]
  • ケシンプタ
再発寛解型多発性硬化症, 疾患活動性を有する二次性進行型多発性硬化症

承認取得

[編集]

警告

[編集]
  • 急性輸注反応が繰り返し現れることがある。点滴静注中はバイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸数等)や自他覚症状を充分に観察する必要がある。
    症状:アナフィラキシー、発熱悪寒発疹、疼痛、咳嗽、呼吸困難、気管支痙攣、血圧下降、徐脈、心筋梗塞、肺水腫等
  • B型肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り死亡した例がある。

副作用

[編集]

日本で実施された治験では全例に 急性輸注反応が発生した[4]

添付文書に記載されている重大な副作用は、

である[4]。(未記載は頻度不明)

その他10%以上に現れる副作用に、潮紅がある[1][2][3]

進行性多巣性白質脳症発現のおそれおよびB型肝炎再活性化の可能性について黒枠警告が設置されている[9]。小腸閉塞、好中球減少、血小板減少、感染症罹患の発生について医師は注意深く観察すべきである[9]

相互作用

[編集]

相互作用する医薬品は知られていない[1][4]。しかし、生ワクチン、弱毒生ワクチン、不活化ワクチン、免疫抑制剤の併用には注意が必要である[4][9]

作用機序

[編集]

オファツムマブはヒト型抗CD20英語版モノクローナル抗体であり、抗原決定基はリツキシマブとは全く異なる[10]。当該CD20抗原はBリンパ球にのみ発現している[10]。リツキシマブと比較して、オファツムマブのCD20親和性はリツキシマブより高い[10]。オファツムマブはCD20を発現する細胞に対して補体依存性細胞傷害(CDC)および抗体依存性細胞傷害(ADCC)によって細胞毒性をもたらす[10]

臨床試験

[編集]

進行中の臨床試験:

関連項目

[編集]

出典

[編集]
  1. ^ a b c d ARZERRA (ofatumumab) injection, solution [GlaxoSmithKline LLC]”. DailyMed. GlaxoSmithKline LLC (September 2013). 2014年1月24日閲覧。
  2. ^ a b c Arzerra : EPAR - Product Information” (PDF). European Medicines Agency. Glaxo Group Ltd (2013年3月7日). 2014年1月24日閲覧。
  3. ^ a b Arzerra (acetate formulation) -Summary of Product Characteristics (SPC)”. electronic Medicines Compendium. GlaxoSmithKline UK (2013年11月27日). 2014年1月24日閲覧。
  4. ^ a b c d e アーゼラ点滴静注液100mg/アーゼラ点滴静注液1000mg 添付文書” (2015年11月). 2016年6月30日閲覧。
  5. ^ オファツムマブのFDA承認”. 海外癌医療情報リファレンス (2014年4月23日). 2015年9月22日閲覧。
  6. ^ Arzerra (オファツムマブ)、難治性慢性リンパ性白血病の治療薬として、欧州で条件付き承認取得”. グラクソ・スミスクライン (2010年4月26日). 2015年9月21日閲覧。
  7. ^ Product Information”. Health Canada. GlaxoSmithKline Inc. (2012年8月13日). 2015年9月22日閲覧。
  8. ^ 希少疾病用医薬品ヒト型モノクローナル抗体「アーゼラ」承認取得”. グラクソ・スミスクライン (2013年3月25日). 2015年9月21日閲覧。
  9. ^ a b c Arzerra (ofatumumab) dosing, indications, interactions, and more”. Medscape Reference. WebMD. 2014年1月24日閲覧。
  10. ^ a b c d Lin, TS (2010). “Ofatumumab: a novel monoclonal anti-CD20 antibody” (PDF). Pharmacogenomics and personalized medicine 3: 51-59. PMC 3513208. PMID 23226042. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3513208/pdf/pgpm-3-051.pdf. 
  11. ^ http://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT00394836?term=nct00394836&rank=1
  12. ^ 臨床試験番号 NCT00611455 研究名 "Investigating Clinical Efficacy of Ofatumumab in Adult RA Patients Who Had an Inadequate Response to MTX Therapy" - ClinicalTrials.gov
  13. ^ 臨床試験番号 NCT00603525 研究名 "Investigating Clinical Efficacy of Ofatumumab in Adult RA Patients Who Had an Inadequate Response to TNF-α Antagonist Therapy" - ClinicalTrials.gov
  14. ^ 臨床試験番号 NCTNCT01014208 研究名 "Ofatumumab Versus Rituximab Salvage Chemoimmunotherapy Followed by Autologous Stem Cell Transplant in Relapsed or Refractory Diffuse Large B Cell Lymphoma (ORCHARRD" - ClinicalTrials.gov
  15. ^ 臨床試験番号 NCT00349349 研究名 "HuMax-CD20 in B-Cell Chronic Lymphocytic Leukemia (B-CLL) Patients Failing Fludarabine and Alemtuzumab" - ClinicalTrials.gov
  16. ^ http://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT00811733?term=nct00811733&rank=1
  17. ^ http://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT00640328?term=nct00640328&rank=1