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オリガ・リパコワ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
（オリガ・ルイパコワから転送）
オリガ・リパコワ
個人情報
フルネームОльга Сергеевна Рыпакова
国籍カザフスタンの旗 カザフスタン
生誕 (1984-11-30) 1984年11月30日（39歳）
カザフ・ソビエト社会主義共和国東カザフスタン州オスケメン
身長1.83 m (6 ft 0 in)
体重62 kg (137 lb)
スポーツ
国カザフスタンの旗 カザフスタン
競技陸上競技
種目三段跳、走幅跳
獲得メダル
オリンピック
金 2012 ロンドン 三段跳
銀 2008 北京 三段跳
銅 2016 リオデジャネイロ 三段跳
世界選手権
銀 2011 大邱 三段跳
銅 2015 北京 三段跳
銅 2017 ロンドン 三段跳
世界室内選手権
金 2010 ドーハ 三段跳
銀 2012 イスタンブール 三段跳
銅 2008 バレンシア 三段跳
コンチネンタルカップ
金 2010 スプリト 三段跳
銀 2018 オストラヴァ 三段跳
アジア競技大会
金 2006 ドーハ 七種競技
金 2010 広州 三段跳
金 2014 仁川 三段跳
金 2018 ジャカルタ 三段跳
銀 2010 広州 走幅跳
銅 2006 ドーハ 走幅跳
アジアインドアゲームズ
金 2005 パタヤ 五種競技
金 2009 ハノイ 走幅跳
金 2009 ハノイ 三段跳
アジアインドア・マーシャルアーツゲームズ
金 2017 アシガバード 走幅跳
金 2017 アシガバード 三段跳

オリガ・セルゲイヴナ・リパコワ（ロシア語: Ольга Сергеевна Рыпакова、英語: Olga Sergeevna Rypakova、旧姓：アレクセイェワ〔Алексеева〕、1984年11月30日 - ）は、カザフスタンの陸上競技選手。七種競技から競技生活を開始し、走幅跳に転向、2007年より三段跳を始めた。混成競技の主要大会での初勝利は2005年アジアインドアゲームズの五種競技であり、翌2006年アジア競技大会の七種競技で金メダルを獲得した。

2008年北京オリンピックでは走幅跳と三段跳に出場し、三段跳で15m11のアジア新記録をマークして4位に入賞した。世界大会で初めて表彰台のトップに立ったのは、2010年世界室内選手権の三段跳で、アジア室内記録15m14で優勝した。2012年ロンドンオリンピックでも三段跳で金メダルを獲得した[1]。

日本語では、姓はルイパコワ[2][3][4]、名はオルガとも表記される[5][6][7][8]。

経歴

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若手時代

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ウスチ・カメノゴルスク（現・オスケメン[3]）に生まれた。父は元十種競技の選手であり、オリガも8歳で陸上競技を始めた[3]。16歳で初めて世界レベルのジュニア大会に出場した。オリガが出場したのは2000年世界ジュニア選手権で、走幅跳を11位（予選）で終えた。七種競技では2001年世界ユース選手権で4位、2002年世界ジュニア選手権でカロリナ・クリュフトに次ぐ銀メダルを獲得した。同年、オリガはカザフスタンの七種競技でチャンピオンになった[9]。その後も混成競技への参加を続け、2003年にマルチスター（英語版）でシーズンベストをマークして5位に入賞し[10]、2004年にカザフスタンの室内選手権で五種競技で優勝した[9]。

主要大会で初めて頭角を現したのは2005年のことで、9月に韓国・仁川で開かれたアジア選手権で4位に入り、2か月後のアジアインドアゲームズ五種競技で優勝した。2006年のアジア室内選手権でも金メダルを獲得、4582点をマークして大会新記録を達成した。同年の世界室内選手権にも出場したが、4368点で記録更新はならず、7位で競技を終えた。

2006年のワールドカップで初めてアジア代表に選抜されたが、走幅跳の記録は6m21で8位に終わった。ところが数週間後に開かれたカラフル大邱陸上競技大会（英語版）で6m63の自己ベストを出して2位に入った[11]。 She pushed herself beyond the normal seven events at the 2006年アジア競技大会では七種競技で5955点を記録して優勝[12]、走幅跳にも出場して銅メダルを獲得した[13]。

国際大会での活躍

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カザフスタンの切手になったオリガ

2007年7月、アジア選手権三段跳で大会記録およびカザフスタン記録となる14m69をマークし優勝[14]、8月には2007年夏季ユニバーシアード走幅跳で自己新記録の6m85を跳び、陸上競技カザフスタン勢に初の金メダルをもたらした[15]。

3週間後、初めて世界選手権に三段跳で出場し、予選で4位となるが、決勝には進めず、最終的に11位となった。2007年シーズンはアジアインドアゲームズで終えるつもりであったが、実際には出場しなかった。

2008年はアジア室内選手権で2度目の金メダルを2度目の大会新記録を樹立して獲得した。前回とは異なり、三段跳に出場し、記録は14m23であった。ほどなく世界室内選手権の三段跳に出場し、14m58でアジア記録を更新したが、マリア・セシュタック（英語版）には及ばず、銅メダルだった[16]。北京オリンピックではカザフスタン代表に初選抜され、走幅跳と三段跳に出場した。三段跳では15m11のアジア新記録を跳び、銀メダルを獲得したが、走幅跳は予選で敗退した。

2009年は2度目となる世界選手権に臨んだが、三段跳の成績は13m91で全体順位は10位に終わった。今大会では精彩を欠いたが、アジアインドアゲームズでは走幅跳・三段跳の両種目を大会新記録を打ち立てて優勝し、陸上競技でカザフスタンチームが1位になるのを助けた[17]。2009年シーズンの最後は、アジア選手権三段跳を14m53で制して締めくくった。

2012年ロンドンオリンピック三段跳で金メダルを獲得したことから、同年11月8日にアジアオリンピック評議会からズルフィヤ・チンシャンロやイリア・イリン（英語版）とともにベスト・アジアン・アスリートを受賞した[18]。

2010年はカザフスタン室内選手権で走幅跳と三段跳の2種目制覇で幕を開け[9]、世界室内選手権に臨んだ。決勝ではヤルヘリス・サビヌと金メダルを争い、5回目の試技で14m93をマークしてトップに立ち、最後の試技で15m14という、アシア・ハンセン（英語版）、タチアナ・レベデワに次ぐ室内歴代3位の記録を樹立した[19]。

2021年の東京オリンピックの開会式ではカザフスタン選手団の旗手を務めた[4][5][6][7][8][20][21]。入場時の楽曲がRPGの『ファイナルファンタジー』であったこともあり[4][7][21]、民族服風の衣装をまとって行進すると[6][8]、「お姫様・王女様のようだ」と注目を浴び[4][5][7][8][20][21]、他国の選手から写真撮影をせがまれた[5][6]。選手として出場した三段跳では、シーズンベストをマークしたが、予選敗退となった[22]。

成績

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WR 世界記録 | AR エリア記録 | CR 選手権記録 | GR 大会記録 | NR 国家記録 | OR オリンピック記録 | PB 自己ベスト | SB シーズンベスト | WL 世界最高（当該シーズン中）
| w 追い風参考記録
年 大会 会場 結果 種目 補足
カザフスタンの旗 カザフスタン代表
2000 世界ジュニア選手権  チリサンティアゴ 23位（予選） 走幅跳 5m63(+0.1 m/s)
2001 世界ユース選手権  ハンガリーデブレツェン 4位 七種競技 5198 点
2002 世界ジュニア選手権 ジャマイカの旗 ジャマイカキングストン 2位 七種競技 5727 点
2003 ユニバーシアード 大韓民国の旗 韓国大邱 8位 七種競技 5690 点
2005 ユニバーシアード トルコの旗 トルコイズミル 14位（予選） 走幅跳 6m11
アジア選手権 大韓民国の旗 韓国仁川 4位 走幅跳 6m50
アジアインドアゲームズ タイ王国の旗 タイバンコク 1位 五種競技 3954 点
2006 アジア室内選手権 タイ王国の旗 タイパタヤ 1位 五種競技 4582 点
世界室内選手権 ロシアの旗 ロシアモスクワ 7位 五種競技 4368 点
ワールドカップ ギリシャの旗 ギリシャアテネ 8位 走幅跳 6m21（アジア代表）
アジア競技大会 カタールの旗 カタールドーハ 3位 走幅跳 6m49
1位 七種競技 5995 点
2007 アジア選手権 ヨルダンの旗 ヨルダンアンマン 1位 走幅跳 6m66 (w)
1位 三段跳 14m69 (CR)
ユニバーシアード タイ王国の旗 タイバンコク 1位 走幅跳 6m85 (PB)
世界選手権 日本の旗 日本大阪 10位 三段跳 14m32
2008 アジア室内選手権 カタールの旗 カタールドーハ 1位 三段跳 14m23
世界室内選手権 スペインの旗 スペインバレンシア 3位 三段跳 14m58
オリンピック 中華人民共和国の旗 中国北京 29位（予選） 走幅跳 6m30
2位 三段跳 15m11
2009 世界選手権 ドイツの旗 ドイツベルリン 11位 三段跳 13m91
アジアインドアゲームズ  ベトナムハノイ 1位 走幅跳 6m58
1位 三段跳 14m40
アジア選手権 中華人民共和国の旗 中国広州 1位 三段跳 14m53
2010 世界室内選手権 カタールの旗 カタールドーハ 1位 三段跳 15m14 (AR)
コンチネンタルカップ クロアチアの旗 クロアチアスプリト 1位 三段跳 15m25（アジア太平洋代表） (AR, CR)
アジア競技大会 中華人民共和国の旗 中国広州 2位 走幅跳 6m50
1位 三段跳 14m78
2011 世界選手権 大韓民国の旗 韓国大邱 2位 三段跳 14m89
2012 世界室内選手権 トルコの旗 トルコイスタンブル 2位 三段跳 14m63
オリンピック イギリスの旗 イギリスロンドン 1位 三段跳 14m98
IAAFダイヤモンドリーグ 1位 三段跳
2014 アジア競技大会 大韓民国の旗 韓国仁川 1位 三段跳 14m32
2015 世界選手権 中華人民共和国の旗 中国北京 3位 三段跳 14m77
2016 アジア室内選手権 カタールの旗 カタールドーハ 3位 走幅跳 6m22
1位 三段跳 14m32
オリンピック ブラジルの旗 ブラジルリオデジャネイロ 3位 三段跳 14m74
2017 世界選手権 イギリスの旗 イギリスロンドン 3位 三段跳 14m77
アジアインドアゲームズ トルクメニスタンの旗 トルクメニスタンアシガバード 1位 走幅跳 6m43
1位 三段跳 14m32
ダイヤモンドリーグ 1位 三段跳
2018 アジア競技大会 インドネシアの旗 インドネシアジャカルタ 1位 三段跳 14m26
2019 世界選手権 カタールの旗 カタールドーハ 13位（予選） 三段跳 14m09

個人記録

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走幅跳の自己ベストは6m85で2007年のユニバーシアード（バンコク）にて記録したものである。三段跳のベストは15m25で、2010年のコンチネンタルカップ（スプリト）にて記録したもので、アジア記録でもある。三段跳のアジア室内記録15m14も保有する。混成競技では五種競技（室内）の4582点、七種競技（屋外）の6113点が自己ベストである。

区分 種目 記録 日付 会場 備考
屋外 走幅跳 6m85m 2007年8月10日 タイ王国の旗 タイバンコク
三段跳 15m25 2010年9月4日 クロアチアの旗 クロアチアスプリト 歴代7位
室内 走幅跳 6m58 2009年11月2日  ベトナムハノイ
三段跳 15m14 2010年3月13日 カタールの旗 カタールドーハ 歴代3位
  • 世界陸連の公表データによる

脚注

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  1. ^ “London Olympics: Kazakhstan's Rypakova wins triple jump gold”. 6 August 2012閲覧。
  2. ^ “オリガ・ルイパコワ - 陸上競技”. 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会. 2021年7月25日閲覧。
  3. ^ a b c “オリガ ルイパコワとは”. コトバンク. 2021年7月25日閲覧。
  4. ^ a b c d “美人すぎるカザフスタン旗手にネット騒然「妖精ですか??」「ゼルダ姫かとおもた」【東京五輪】”. 中日スポーツ. 中日新聞社 (2021年7月23日). 2021年7月25日閲覧。
  5. ^ a b c d “カザフスタン“お姫様旗手”リパコワの衣装は白鳥をイメージした特注品 同国五輪委員会が説明”. スポーツニッポン (2021年7月24日). 2021年7月25日閲覧。
  6. ^ a b c d “カザフお姫様旗手 特注衣装で他国選手からモテモテ「まだ気持ちが高ぶっているわ」”. 東京スポーツ (2021年7月24日). 2021年7月25日閲覧。
  7. ^ a b c d “カザフスタンのオルガ・リパコワ選手、東京五輪開会式の装いが話題に”. Fashionsnap (2021年7月24日). 2021年7月25日閲覧。
  8. ^ a b c d THE ANSWER編集部 (2021年7月23日). “カザフスタン、プリンセス衣装の旗手にネット騒然「絶世の美女」「妖精のお姫様みたい」”. THE ANSWER. 2021年7月25日閲覧。
  9. ^ a b c “Rypakova Olga”. IAAF. 16 March 2010閲覧。
  10. ^ “Multistars 2003”. Multistars. 16 March 2010閲覧。
  11. ^ Jalava, Mirko & Turner, Chris (29 September 2006). “UPDATED – Spearmon blasts to 19.65 in Daegu to become the third quickest 200m runner all-time”. IAAF. 16 March 2010閲覧。
  12. ^ Negash, Elshadai (9 December 2006). “Jamal on course for double, while track debutant takes 10,000m title – Asian Games, Day Three”. IAAF. 16 March 2010閲覧。
  13. ^ Negash, Elshadai (10 December 2006). “Ramzi and Simpson defeated in Doha – Asian Games, Day Four”. IAAF. 16 March 2010閲覧。
  14. ^ Asian Championships Review – China’s “B” team prevails. IAAF (31 July 2007). Retrieved on 16 March 2010.
  15. ^ Clavelo Robinson, Javier (11 August 2007). “Rypakova leaps 6.85m – World University Games day 2”. IAAF. 16 March 2010閲覧。
  16. ^ Turner, Chris (8 March 2008). “Savigne secures last round gold with 15.05m”. IAAF. 16 March 2010閲覧。
  17. ^ Ramsak, Bob & Krishnan, Ram. Murali (2 November 2009). “Andreyev's 5.60m vault the highlight as Asian Indoor Games conclude in Hanoi”. IAAF. 16 March 2010閲覧。
  18. ^ “Chinshanlo and Ilyin named best athletes of Asia”. Tengrinews.kz English. http://en.tengrinews.kz/sport/Chinshanlo-and-Ilyin-named-best-athletes-of-Asia-14335/ 12 November 2012閲覧。 
  19. ^ Ramsak, Bob (13 March 2010). “EVENT REPORT – WOMEN's Triple Jump Final”. IAAF. 16 March 2010閲覧。
  20. ^ a b “開会式 「美し過ぎる」と騒ぎのカザフ旗手は誰? 陸上選手で五輪4度目”. デイリースポーツ (2021年7月23日). 2021年7月25日閲覧。
  21. ^ a b c よろず〜ニュース編集部 (2021年7月24日). “カザフスタン五輪選手団入場で話題の〝王女様〟は36歳子ども2人の陸上金メダリスト”. よろず〜ニュース. 2021年7月25日閲覧。
  22. ^ “Athletics/Women's Triple Jump/Qualification/Results Summary”. 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 (2021年7月30日). 2021年8月7日閲覧。

外部リンク

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オリンピック
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