オリボ・バルビエリ
オリボ・バルビエリ | |
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出身地 | イタリア |
生年月日 | 1954年??月??日 |
最終学歴 | ボローニャ大学 |
オリボ・バルビエリ(Olivo Barbieri、1954年 - )はイタリアの都市環境アーティスト兼写真家。エミリア=ロマーニャ州カルピ生まれ。
彼は、ティルトシフトレンズを使用し浅い被写界深度をレンズによって作り出すことで、実際の風景からミニチュア風写真を作成する革新的な技術で知られている[1]。バルビエリの技術は、レンズの角度をカメラの背面に傾けることにより、マクロ撮影における浅い被写界深度をティルトシフトレンズで実現し、撮影した画像の上端と下端、または左端と右端に徐々にぼかした作品を作り出す。この技術は選択フォーカスと呼ばれ、実際の都市の写真を模型の写真のように見せる効果がある [2] [3]。
経歴
[編集]バルビエリは、ボローニャ大学人文科学部で演劇・芸術・音楽研究科を学び、写真家としてのキャリアをスタートさせた[4]。1971年以降、写真への関心が高まり、当初は人工照明の研究に注力した。1978年にはイタリア国内外で数々の展覧会に参加。1989年、極東、特に中国への定期的な旅行を開始した。
1993年、1995年、1997年にバルビエリはヴェネツィア・ビエンナーレなどの国際展、ヨーロッパ、北米、中国のギャラリーや美術館で作品を展示した[5]。 1996年にはドイツのエッセンのフォルクヴァング美術館(英語: Museum Folkwang)で回顧展が開催され、作品は世界中の美術館に収蔵されている[5]。 1998年と1999年には、モントリオールのカナダ建築センターで2つの展覧会が開催された[6] [7]。
2003年、バルビエリはローマ、トリノ、モントリオール[8]、アンマン、ラスベガス、ロサンゼルス、上海、セルビア、ニューヨークなどの都市を写真と映画によって描写する『サイトスペシフィックプロジェクト』を開始した[2]。彼はこのプロジェクトでいくつかの35mm映画を実現した[9]
- site specific_ROMA 04[10]
- site specific_SHANGHAI 04[11]
- site specific_LAS VEGAS 05[12]
- SEVILLA → (∞) 06[13]
- site specific_MODENA 08[14]
このうち『Site specific_ROMA 04』は、2005年にシカゴ現代美術館、ロンドンのヘイワード・ギャラリー、トレント・ロヴェレート近現代美術館(MART)で展示された[10]。
フィルム
[編集]2005年には、Seascape#とRiverscape#という2つの映画シリーズを開始した。これには次のものが含まれる。
- Seascape#1 Night, China Shenzhen (2005年)[15][16]
- Seascape#2 Castel dell’Ovo, Napoli (2006年)[15][17]
- Rivescape#1, Night, China Shanghai (2007年)[15]
バルビエリが製作した他の映画は以下のとおり。
バルビエリの映画は、以下の主要な国際映画祭で上映されている[18]。
- ロカルノ映画祭: (2004年) (2005年) (2008年)[19]
- ロッテルダム国際映画祭:(2004年)、(2006年)[20]
- グラーツ・メディア建築ビエンナーレ: (2005年~2007年)
- トロント国際映画祭:(2005年)、(2006年)
- ウェクスナー芸術センター(英語: Wexner Center for the Arts)、オハイオ州コロンバス:(2006年)[21]
- ニューヨーク映画祭:(2006年)
- サンダンス映画祭:(2006年)、(2008年)[22]
- サンフランシスコ国際映画祭:(2006年)、(2007年)[23]
- バークレー美術館とパシフィックフィルムアーカイブ(英語: Berkeley Art Museum and Pacific Film Archive)、バークレー:(2006年)、(2007年)[24][25][26]
- ウォーカー・アート・センター、ミネアポリス:(2007年)
- ニューヨーク近代美術館(MoMA)、ニューヨーク:(2007年)[27]
- ジュ・ド・ポーム、パリ:(2007年)
- テート・モダン、ロンドン:(2007年)
- ベルリン映画祭:(2007年)[28]
著作
[編集]バルビエリの作品については、次のような書籍やカタログが出版されている[18]。
- Paesaggi in Miniatura, Udine, (1991年)
- Notte, Udine, (1991年)
- Olivo Barbieri seit 1978, Museum Folgwan, Essen, (1996年)
- Illuminazioni Artificiali, Milan, 1995, Washington, D.C., (1998年)
- Notsofareast, Rome, (2002年)
- Paintings, Florence, (2002年)
- site Specific_Roma 04, Rome, (2004年)
- site Specific_Las Vegas 05, Toronto, (2005年)
- site specific_SHANGHAI 04, Bologna, (2006年)
- site specific_NYC 07, Carpi, (2007年)
- TWIY, Napoli, (2008年)
- site specific_JORDAN 04, Genova, (2008年)
- The Waterfall Project, Bologna, (2008年)
- site specific_BEIJING 08, Alcamo, 2008
- Site Specific, New York: Aperture, September (2013年)[29]
表彰
[編集]バルビエリはその作品により数々の賞を受賞している[18]。
- 2008年 SEVILLA → (∞) 06、ナッシュビル映画祭(英語: Nashville Film Festival)、最優秀実験短編賞[30]
- 2006年 site specific_LAS VEGAS、サンフランシスコ映画祭、ニュービジョンズ[23]
- 2006年 site Specific_ROMA 04、メディアンおよび建築ビエンナーレ、グラーツ、オーストリア
- 1992年 東川賞、海外写真家賞[31]
- 1990年 フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア写真賞、イタリア[4]
脚注
[編集]- ^ “Artifical Reality of Olivo Barbieri”. date=26 February 2014時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月5日閲覧。
- ^ a b “Site Specific – The Morning News”. 19 January 2011閲覧。
- ^ Fergusson, WM (9 December 2007). “Fake Tilt-Shift Photography”. The New York Times 31 July 2018閲覧。
- ^ a b “CRAF – Centro di Ricerca e Archiviazione della Fotografia” (italian). 17 March 2012時点のオリジナルよりアーカイブ。20 January 2011閲覧。
- ^ a b “BIOGRAPHY”. OLIVO BARBIERI. YANCEY RICHARDSON. 2024年7月5日閲覧。
- ^ Canadian Centre for Architecture (CCA). “32 Italian Photographers: A Tribute to Phyllis Lambert” (英語). cca.qc.ca. 2020年5月25日閲覧。
- ^ Canadian Centre for Architecture (CCA). “Photography and Transformations of the Contemporary City: Venezia – Marghera” (英語). cca.qc.ca. 2020年5月25日閲覧。
- ^ “Olivo Barbieri: site specific _ Montreal 04 | Canadian Centre for Architecture (CCA)” (2010年6月14日). 14 June 2010時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月25日閲覧。
- ^ “Sundance Channel – Site Specific: Olivo Barbieri”. 16 June 2011時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月5日閲覧。
- ^ a b “SITE SPECIFIC_ROMA 04”. Vivo film. 2024年7月5日閲覧。
- ^ “Site Specific_Shanghai 04”. IFFR. 2024年7月5日閲覧。
- ^ “Site Specific_Las Vegas 05”. Full Frame Documentary Film Festival. Full Frame Documentary Film Festival. 2024年7月5日閲覧。
- ^ “SEVILLA → (∞) 06 (2006)”. Movie Recommendation. MARIJN STOLLENGA. 2024年7月5日閲覧。
- ^ Vettese, Angela. “OLIVO BARBIERI. site specific_MODENA 08”. Fondazione Modena Arti Visive. 2024年7月5日閲覧。
- ^ a b c d e f g Panaro, Luca Panaro. “Olivo Barbieri”. UnDo.Net. 2024年7月5日閲覧。
- ^ “SEASCAPE #1 NIGHT, CHINA SHENZHEN 05”. tutti i diritti riservati - Cinecittà S.p.A.. 2024年7月5日閲覧。
- ^ “Scenari urbani”. LANDSCAPEStories. 2024年7月5日閲覧。
- ^ a b c “Olivo Barbieri Biography” (Word doc) (italian). 20 January 2011閲覧。
- ^ “Barbieri at Locarno Film Festival”. 20 January 2011閲覧。
- ^ “Barbieri – International Film Festival Rotterdam – IFFR”. 20 January 2011閲覧。
- ^ “Wexner Center for the Arts: Film/Video – Olivo Barbieri”. 24 July 2011時点のオリジナルよりアーカイブ。21 January 2011閲覧。
- ^ “Olivo Barbieri – Sundance Film Festival”. 20 January 2011閲覧。
- ^ a b “2006 Winners – San Francisco Film Society”. 28 September 2011時点のオリジナルよりアーカイブ。20 January 2011閲覧。
- ^ “BAM/PFA – Film Programs: Haunted Cameras: Recent Avant-Garde Films Cinema 2006”. 25 July 2010時点のオリジナルよりアーカイブ。21 January 2011閲覧。
- ^ “BAM/PFA – Film Programs: Fugitive Prayers Cinema 2006”. 25 July 2010時点のオリジナルよりアーカイブ。21 January 2011閲覧。
- ^ “BAM/PFA – Film Programs: At the Edge: New Experimental Cinema 2007”. 25 July 2011時点のオリジナルよりアーカイブ。21 January 2011閲覧。
- ^ “MoMA FILM SCREENINGS: site specific_LAS VEGAS 05”. 21 January 2011閲覧。
- ^ “Programme Berlinale 2007”. 20 January 2011閲覧。
- ^ “Site Specific Olivo Barbieri – Aperture Foundation”. 25 November 2013時点のオリジナルよりアーカイブ。15 December 2013閲覧。
- ^ “Olivo Barbieri”. Die konkurrierenden Fotografen. 2024年7月5日閲覧。
- ^ “The Higashikawa Award”. 26 May 2011時点のオリジナルよりアーカイブ。20 January 2011閲覧。