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オルトフタルアルデヒド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
オルトフタルアルデヒド
識別情報
CAS登録番号 643-79-8
PubChem 4807
ChemSpider 4642
日化辞番号 J45.641A
RTECS番号 TH6950000
特性
化学式 C8H6O2
モル質量 134.13 g mol−1
外観 淡黄色固体
融点

114–116 °C

沸点

266.1 °C

への溶解度
有機溶媒への溶解度 可溶
危険性
Rフレーズ R36/37/38
Sフレーズ S26 S28 S36
引火点 98.5 °C
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

オルトフタルアルデヒドo-phthalaldehydeortho-phthalaldehyde、フタルジアルデヒド、フタラール)は芳香族化合物で、化学式はC6H4(CHO)2

OPAと略されることもある。

生化学

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C6H4(CHO)2 / C6H4(CHO)(CH(OH)2) / C6H4(CH(OH))2O

OPAは、紫外線空気酸化に弱い。

1級アミノ基のプレ・ポストラベル化試薬(高感度蛍光試薬)として、フルオレサミン英語版と共に広く使用される[1]

N-アセチルシステインと共に使用すると、蛍光物質が生成する[2]

フタラール製剤

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OPAは、医療器具の消毒にも用いられる。

日本では、高水準消毒薬芽胞が多数存在する場合を除きすべての微生物を死滅させる)としての2001年の承認以降、0.55%のフタラール製剤(商標:「ディスオーパ[3])が、ジョンソン・エンド・ジョンソン社から市販されている[4]

芽胞効果自体は弱いものの[5]、既存の消毒薬・グルタラール(グルタルアルデヒド)よりも揮発性が低いなどの利便性から、医療機関で普及した。

しかし、アナフィラキシーショック事故が相次いで発生したため、一部の器具に対する使用制限がかけられた[4]

使用時には、眼への飛散に対する注意、グルタラール用マスク・ゴム手袋の着用、換気が必要である[5]

その他

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異性体

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  • メタ - イソフタルアルデヒド[6] (m.p. 87–88 °C, CAS# 626-19-7)
  • パラ - テレフタルアルデヒド[7] (m.p. 114–116 °C, CAS# 623-27-8).

ポリフタルアルデヒド

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ポリフタルアルデヒドは、フォトレジストで用いられるなどの用途がある[8]

脚注

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外部リンク

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  • o-Phthalaldehyde | 東京化成工業株式会社
  • J. C. Bill and D. S. Tarbell (1954). "o-PHTHALALDEHYDE". Organic Syntheses (英語). 34: 82.; Collective Volume, vol. 4, p. 807
  • Protocol by Uptima(pdf)