オーストラリアツカツクリ
オーストラリアツカツクリ | |||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
オーストラリアツカツクリ Megapodius reinwardt
| |||||||||||||||||||||||||||
保全状況評価[1] | |||||||||||||||||||||||||||
LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) | |||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||||||||||
学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Megapodius reinwardt (Dumont, 1823) | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Orange-footed Scrubfowl | |||||||||||||||||||||||||||
亜種 | |||||||||||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||||||||||
オーストラリアツカツクリ亜種分布図
|
オーストラリアツカツクリ(オーストラリア塚造、Megapodius reinwardt)は、キジ目ツカツクリ科に分類される小形のツカツクリ類である。暗色の家禽大の陸鳥であり、英名の Orange-footed Scrubfowl のとおり橙色のたくましい脚を持ち、また、後頭には先の尖った冠羽がある。
分布
[編集]ニューギニア南部、ワラセアの多くの島嶼、オーストラリア北部に、6亜種が生息する。本種は森林一帯や低木地帯を利用し、その分布域における多くの島嶼で繁殖している。オーストラリアのダーウィン郊外の公園などに多く見られ、そこでは人びとから Bush Turkey と呼ばれている。
生態
[編集]オーストラリアツカツクリは、種子や落ちた果実、陸生の無脊椎動物を採餌する。ほかのツカツクリ類と同様に、砂地、葉の腐葉土のほか崩壊堆積物など、卵を孵す役割を果たす、有機物質の腐敗により生み出される熱をもつ大きな塚に巣を作る。高さ3-5m、直径12mにも達する[2]塚の作成や補修は周年行なわれる。そこに年に1回、おおよそピンク白色で約90×52mmの卵[2]、5-12個を産む[3]。
形態
[編集]全長約40cm[2] (40-60cm[4])。上面は暗褐色で、頸部および下面は濃青灰色。後頭に短くて先の尖った褐色の冠羽があり、くちばしは赤褐色[4]。太い脚および趾は橙色[3]。
亜種
[編集]- M. r. buruensis (Stresemann, 1914) - モルッカ諸島南部のブル島に分布する[5]。
- M. r. reinwardt (Dumont, 1823) - 基亜種。小スンダ列島、モルッカ諸島南東部、アルー諸島、ニューギニア南・南東部に分布する[5]。
- M. r. macgillivrayi (GR Gray, 1862) - ダントルカストー諸島、ルイジアード諸島に分布する[5]。
- M. r. tumulus (Gould, 1842) - オーストラリア北部に分布する[5]。
- M. r. yorki (Mathews, 1929) - オーストラリア北東部のヨーク岬半島に分布する[5]。
- M. r. castanonotus (Mayr, 1938) - クイーンズランド州東部のクックタウンからヤプーンにかけて分布する[5]。
いくつかの亜種は、例えばタニンバルツカツクリ (Megapodius tenimberensis) のように、単一の種として扱われることがあるとともに、ある亜種がほかの種の亜種と見なされることもある。例えば本種の亜種 M. r. buruensis は、ときに別種であるツカツクリ (Megapodius freycinet) の1亜種とされる[6]。
保全状況評価
[編集]一般に、個体数は安定しているように見られ、種の保全状況は、軽度懸念 (Least Concern, LC) であると考えられる。
脚注
[編集]- ^ “Megapodius reinwardt in IUCN Red List of Threatened Species. Version 2016.1.”. 国際自然保護連合(IUCN). 2016年8月16日閲覧。
- ^ a b c Slater, Peter (1989) [1986]. The Slater Field Guide to AUSTRALIAN BIRDS (Revised ed.). Australia: Ken Fin. pp. 86-87. ISBN 0-947116-99-0
- ^ a b Pizzy, Greham (1997). Field Guide to the birds of Australia. Australia: Angus & Robertson. p. 374. ISBN 0-207-19691-5
- ^ a b Simpson, Ken; Day, Nicolas; Trusler, Peter (1999). Field Guide to the Birds of Australia (6th ed.). Ringwood, Victoria: Viking O'Neil. p. 14. ISBN 0-670-87918-5
- ^ a b c d e f Clements, James (2007). The Clements Checklist of the Birds of the World (6th ed.). Ithaca, NY: Cornell University Press. p. 54. ISBN 978-0-8014-4501-9
- ^ “Dusky Scrubfowl (buruensis)”. Avibase - the world bird database. BirdLife International. 2016年8月16日閲覧。
参考文献
[編集]- Jones, Darryl N.; Dekker, Rene W.R.J.; & Roselaar, Cees S. (1995). The Megapodes. Oxford University Press: Oxford. ISBN 0-19-854651-3
- Marchant, S.; & Higgins, P.J. (Eds). (1993). Handbook of Australian, New Zealand and Antarctic Birds. Volume 2: Raptors to Lapwings. Oxford University Press: Melbourne. ISBN 0-19-553069-1
- 松井淳『オーストラリア ケアンズ生き物図鑑』文一総合出版、2008年、43頁。ISBN 978-4-8299-0186-1。
外部リンク
[編集]- “Orange-footed Scrubfowl Megapodius reinwardt Dumont, 1823”. Avibase - the world bird database. BirdLife International. 2016年10月18日閲覧。
- “Orange-footed Scrubfowl Megapodius reinwardt”. Species. BirdLife International. 2016年8月16日閲覧。
- “Orange-footed Scrubfowl (Megapodius reinwardt) Videos, Photos & Sounds” (英語). The Internet Bird Collection (IBC). 2016年8月16日閲覧。