オーティス・ブルー
『オーティス・ブルー』 | ||||
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オーティス・レディング の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | テネシー州メンフィス、スタックス・レコーディング・スタジオ(1965年4月、7月) | |||
ジャンル | R&B、ソウル | |||
時間 | ||||
レーベル | ヴォルト・レコード | |||
プロデュース | ジム・スチュワート | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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オーティス・レディング アルバム 年表 | ||||
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『オーティス・ブルー』(原題: Otis Blue / Otis Redding Sings Soul)は、オーティス・レディングが1965年に発表した3作目のスタジオ・アルバム。
背景
[編集]4月に録音された「愛しすぎて」のモノラル・ヴァージョンは、同月にシングルとしてリリースされ[3]、Billboard Hot 100で21位、『ビルボード』のR&Bシングル・チャートで2位という成功を収めた[2]。7月にはアルバムのレコーディングが始まり、本作でレコーディング・エンジニアを務めたトム・ダウドの提案によって2トラック・レコーダーが使用された[4]。この際、「愛しすぎて」はステレオ・ヴァージョンが再録音されており[4]、「オール・マン・トラブル」と「リスペクト」も、モノラル・ヴァージョンとステレオ・ヴァージョンでは演奏そのものが異なる[3]。
レディングは、1964年12月に死去したサム・クックへのトリビュートとして[4]、クックのカヴァーを3曲取り上げた。また、スティーヴ・クロッパーのアイディアによりローリング・ストーンズのカヴァー「サティスファクション」が録音された[4]。
8月に「リスペクト」のモノラル・ヴァージョンがシングルとしてリリースされ[3]、9月には本作がリリースされた。本作発表後の11月、テンプテーションズのカヴァー「マイ・ガール」がイギリスでシングルとしてリリースされ[4]、1966年2月には「サティスファクション」がシングル・カットされている[3]。
反響・評価
[編集]1965年、レディングは本作で初めて『ビルボード』のR&Bアルバム・チャートで1位を獲得し[2]、1966年には総合チャートのBillboard 200で最高75位に達した[2]。
本作はイギリスで大ヒットを記録した。1966年、レディングとしては初の全英アルバムチャート入りを果たして最高6位に達し[1]、レディングの没後にも再度ヒットして1968年3月23日には全英7位を記録している[5]。
2001年、VH1が発表した「100 Greatest Albums」では81位にランク・イン[6]。『ローリング・ストーン』誌が2003年に選出したオールタイム・グレイテスト・アルバム500では74位にランク・インし[7]、後の改訂では78位となった[8]。
収録曲
[編集]各曲の収録時間はオリジナルLP(VOLT 412)裏ジャケットの記載に準拠。
- オール・マン・トラブル - "Ole Man Trouble" (Otis Redding) - 2:55
- リスペクト - "Respect" (O. Redding) - 2:05
- チェンジ・ゴナ・カム - "Change Gonna Come" (Sam Cooke) - 4:17
- ダウン・イン・ザ・ヴァレー - "Down in the Valley" (Bert Berns, Solomon Burke, Babe Chivian, Joe Martin) - 3:03
- 愛しすぎて - "I've Been Loving You Too Long" (O. Redding, Jerry Butler) - 3:10
- シェイク - "Shake" (S. Cooke) - 2:35
- マイ・ガール - "My Girl" (Smokey Robinson, Ronald White) - 2:52
- ワンダフル・ワールド - "Wonderful World" (S. Cooke, Lou Adler, Herb Alpert) - 3:00
- ロック・ミー・ベイビー - "Rock Me Baby" (B.B. King, Joe Josea) - 3:20
- サティスファクション - "Satisfaction" (Mick Jagger, Keith Richards) - 2:45
- 恋を大切に - "You Don't Miss Your Water" (William Bell) - 2:53
コレクターズ・エディション
[編集]2008年、ライノ・レコードよりCD2枚組の「コレクターズ・エディション」がリリースされた[9]。オリジナルのモノラル盤とステレオ盤の全曲に、18曲のボーナス・トラックが追加されており、シングルB面曲、未発表だった別ミックス、他のライヴ・アルバムやコンピレーション・アルバムで発表されたライヴ音源等が含まれている。
ディスク1
[編集]1. - 11.はオリジナルのモノラル盤と同内容[9]。
Alternates & Singles
- 愛しすぎて - "I've Been Loving You Too Long (Mono Mix of Stereo Album Version)" (O. Redding, Jerry Butler) - 3:27
- アイム・ディペンディング・オン・ユー - "I'm Depending on You" (O. Redding) - 2:29
- シングル「愛しすぎて」のB面曲。
- リスペクト - "Respect (Mono Mix of Stereo Album Version)" (O. Redding) - 2:18
- オール・マン・トラブル - "Ole Man Trouble (Mono Mix of Stereo Album Version)" (O. Redding) - 2:43
- エニー・オール・ウェイ - "Any Ole Way" (O. Redding, Steve Cropper) - 2:28
- シングル「サティスファクション」のB面曲。
- シェイク - "Shake (Live 1967 - Stereo Mix of Single Version)" (S. Cooke) - 2:31
Live at the Whisky a Go Go (4/66)
- オール・マン・トラブル - "Ole Man Trouble" (O. Redding) - 2:36
- リスペクト - "Respect" (O. Redding) - 2:06
- 愛しすぎて - "I've Been Loving You Too Long" (O. Redding, J. Butler) - 5:47
- サティスファクション - "Satisfaction" (M. Jagger, K. Richards) - 4:34
- アイム・ディペンディング・オン・ユー - "I'm Depending on You" (O. Redding) - 3:03
- エニー・オール・ウェイ - "Any Ole Way" (O. Redding, S. Cropper) - 2:42
ディスク2
[編集]1. - 11.はオリジナルのステレオ盤と同内容[9]。
Alternate
- リスペクト - "Respect (1967 Version)" (O. Redding) - 1:49
Live in Europe (3/67)
- 愛しすぎて - "I've Been Loving You Too Long" (O. Redding, J. Butler) - 4:10
- マイ・ガール - "My Girl" (S. Robinson, R. White) - 2:42
- シェイク - "Shake" (S. Cooke) - 2:53
- サティスファクション - "Satisfaction" (M. Jagger, K. Richards) - 2:53
- リスペクト - "Respect" (O. Redding) - 3:06
参加ミュージシャン
[編集]- オーティス・レディング - ボーカル
- スティーヴ・クロッパー - ギター
- ブッカー・T・ジョーンズ - キーボード
- アイザック・ヘイズ - キーボード
- ドナルド・ダック・ダン - ベース
- アル・ジャクソン・ジュニア - ドラムス
- ウェイン・ジャクソン - トランペット
- ジーン・ミラー - トランペット
- アンドリュー・ラヴ - テナー・サックス
- フロイド・ニューマン - バリトン・サックス
- アール・シムズ - バッキング・ボーカル
下記のミュージシャンはモノラル・ヴァージョンのみ参加。
- サミー・コールマン - トランペット
- チャールズ・アクストン - テナー・サックス
- ウィリアム・ベル - バッキング・ボーカル
脚注
[編集]- ^ a b OTIS REDDING | full Official Chart History | Official Charts Company - 「ALBUMS」をクリックすれば表示される
- ^ a b c d “Otis Redding - Awards”. AllMusic. 2016年3月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年7月10日閲覧。
- ^ a b c d 『オーティス・ブルー コレクターズ・エディション』日本盤CD(WPCR-12887/8)英文ブックレット
- ^ a b c d e 『オーティス・ブルー コレクターズ・エディション』日本盤CD(WPCR-12887/8)ライナーノーツ(ロブ・ボウマン)
- ^ 1968-03-23 Official Albums Chart Top 40 | Official Charts
- ^ Rock On The Net: VH1: 100 Greatest Albums
- ^ 『ローカス・ムック 名盤ディスクガイド500 きっと見つかる心の1枚』(インターナショナル・ラグジュアリー・メディア/2009年5月1日/ISBN 978-4-86190-870-5)p.125
- ^ 500 Greatest Albums of All Time: Otis Redding, 'Otis Blue' | Rolling Stone
- ^ a b c Otis Redding - Otis Blue / Otis Redding Sings Soul (CD, Album, Album) at Discogs