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カイツブリ科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
カイツブリ科
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
上目 : 新顎上目 Neognathae
階級なし : ネオアヴェス Neoaves
階級なし : メタヴェス Metaves
: カイツブリ目 Podicipediformes
: カイツブリ科 Podicipedidae
学名
Podicipediformes

Fürbringer1888
Podicipedidae
Bonaparte1831

英名
Grebe

カイツブリ科(カイツブリか、学名 Podicipedidae)は、鳥類カイツブリ目 Podicipediformes唯一の科である。

特徴

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分布

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アフリカ大陸北アメリカ大陸南アメリカ大陸ユーラシア大陸アイスランドアイルランドイギリスインドネシアオーストラリア日本ニュージーランドマダガスカル

形態

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最大種は北アメリカクビナガカイツブリで全長56-74cm、日本ではカンムリカイツブリの全長46–61cm。全身は羽毛で密に覆われる。翼は長いうえに薄い。

足は後方に位置し地表では直立することも難しいが、水中では大きな推進力を得ることができる。は幅広く(弁足)これによりより多くの水を掻くことができる。また脚および趾は柔軟性が強く、様々な方向に水を掻くことができる。

卵は白や淡黄色の殻で覆われる。

生態

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に生息する水鳥であるが、冬季になると海洋に生息する種もいる。排他性が強く縄張りを形成する。飛翔はあまり上手くなく、水面から飛翔するには水面を長く助走する必要がある。また数種は飛翔する事ができない。

食性は動物食で、昆虫甲殻類軟体動物魚類などを食べる。水中にいる獲物を潜水して捕らえる。

繁殖形態は卵生。水生植物や杭に固定した水生植物を積み上げた逆円錐状(水面では皿状に見えるが、大部分は水中に沈んでいる)の巣を作り、卵を産む。卵はばらばらに孵化する。親鳥は雛を背に乗せて育て、雛を背に乗せたまま潜水も行う。

系統と分類

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系統と上位分類

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伝統的に、1科でカイツブリ目を形成していた。

姉妹群はフラミンゴ目である[1][2]。カイツブリ目+フラミンゴ目系統は、現生鳥類の中で古顎類キジカモ類の次に分岐した小さい系統メタヴェス Metaves の一員である[3]

アビ目と共通点が多いため、古くは近縁と考えられることもあったが、系統的には離れており、水生による収斂進化の結果である。

Sibley分類ではコウノトリ目コウノトリ亜目コウノトリ下目カイツブリ小目 Podicipedida の唯一の科だった[4]。コウノトリ下目は現在の分類で言えば水鳥クレード(アビ目ペンギン目ミズナギドリ目コウノトリ目ペリカン目)・カイツブリ目・フラミンゴ目ネッタイチョウ目からなっており、カイツブリ目とフラミンゴ目に多少の近縁性を認めた初期の研究と言えるが、Sibleyらはカイツブリ科と残りのコウノトリ下目全体とが姉妹群だと考えていた。また、水鳥クレード・カイツブリ目+フラミンゴ目・ネッタイチョウ目の3者間は実際には特に近縁ではない。

属と種

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6属約20種が現生する[5] 。このほか3種が近代に絶滅した。

人間との関係

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開発による生息地の破壊、人為的に移入された動物との競合などにより生息数が減少している種もいる。

画像

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出典

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  1. ^ Study of Aquatic Bird Genes Reveals Surprising Relationships and Evolutionary History, 7 July 2001, "the Proceedings of the Royal Society"
  2. ^ Fain, Matthew G.; Houde, Peter, “Parallel radiations in the primary clades of birds”, Evolution 58 (11): 2558–2573, http://biology-web.nmsu.edu/houde/Parallel_radiations.pdf 
  3. ^ Hackett, SJ.; et al. (2008), “A Phylogenomic Study of Birds Reveals Their Evolutionary History”, Science 320: 1763-1768 
  4. ^ Sibley, Charles G.; Ahlquist, Jon E.; Monroe Jr., Burt L. (1988), “A classification of the living birds of the world based on DNA-DNA hybridization studies”, The Auk 105 (3): 409–423, http://elibrary.unm.edu/sora/Auk/v105n03/p0409-p0423.pdf 
  5. ^ IOC World Bird List 2.4: Grabes by Frank Gill, David Donsker and the IOC team
  6. ^ 三省堂 世界鳥名事典 (2005)、117頁
  7. ^ 三省堂 世界鳥名事典 (2005)、86頁

参考文献

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  • 小原秀雄浦本昌紀太田英利松井正文編著 『レッド・データ・アニマルズ3 中央・南アメリカ』、講談社2001年、54、179頁。
  • 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『レッド・データ・アニマルズ8 太平洋、インド洋』、講談社、2001年、70、175–176頁。
  • 黒田長久監修 C.M.ペリンズ、A.L.A.ミドルトン編 『動物大百科7 鳥I』、平凡社1986年、50–51頁。
  • 三省堂編修所、吉井正『三省堂 世界鳥名事典』三省堂、2005年。ISBN 4-385-15403-1