カスコード
この項目「カスコード」は途中まで翻訳されたものです。(原文:en:cascode00:15, 10 December 2024 (UTC)) 翻訳作業に協力して下さる方を求めています。ノートページや履歴、翻訳のガイドラインも参照してください。要約欄への翻訳情報の記入をお忘れなく。(2024年12月) |
カスコード (cascode) とは2段構成の増幅回路のことである。バイポーラトランジスタ (BJT) を用いる場合はエミッタ接地回路の上にベース接地回路を縦積み接続した回路であり、[1][2]電界効果トランジスタ(ユニポーラトランジスタ、FET)を用いる場合はソース接地回路の上にゲート接地回路を縦積み接続した回路である。
出力から入力への直結がないことでミラー効果が抑制され、帯域幅が大幅に改善される。この組み合わせは、単一の増幅器を使用した回路と比較して次のような特徴を1つ以上備えている。より高い入出力の分離 (アイソレーション)、より高い入力インピーダンス、高い出力インピーダンス、より広い帯域幅である。
歴史
[編集]カスコード (動詞としてカスコーディング が使われることもある) はアナログ回路の性能向上のためによく使われる技術で、真空管とトランジスタの両方に適用可能である。"カスコード (cascode)"は造語で、フレデリック・ヴィントン・ハントとロジャー・ヒックマンが1939年に発表した「電圧安定器の応用」に関する論文の中で命名した[3]。2人は単一の五極真空管を使用する代わりに、2つの三極真空管を縦続接続する方法を提案した (1つ目は共通カソードでのセットアップ、2つ目は制御グリッドでのセットアップ)。そういった経緯から「カスコード」は「五極真空管を使った増幅器と似ているがもっとノイズが少ない、三極真空管を縦続接続した増幅器」の略語と考えられている (縦続接続された "casc"aded、五極真空管 pent"ode")[4]。カスコード回路はそのノイズの少なさや帯域幅の広さから、初期のテレビ受像器の「フロントエンド」やチューナーとして採用された。
バイポーラトランジスタはコレクタ-ベース間に、ピコファラド単位の微小な (小数点以下〜ごく低い量) 寄生容量 が潜んでいる。この容量がフィードバックパスに存在する時に、ステージ・ゲインによって増幅された実効入力容量が発生することを「ミラー効果」という。電圧利得が50の回路に存在する、わずか1.0pF (ピコファラド) のフィードバック容量から、50pF (ピコファラド) の実効入力容量が発生する。これは高周波 (RF) 回路や同調(チューニング)回路においてはフィードバックを反対方向に「中和」することで克服できる一方、映像増幅器のような広帯域回路に対処することは難しかった。アナログテレビ (PAL方式の場合5MHz) から、少なくても86MHz以上の過去のVGA形式 (UXGA 1600x1200、リフレッシュレート60Hz) までの帯域幅に対応する映像増幅器は、コレクタ-ベース間のフィードバックが顕著な状態では、そのような高周波を処理することができない。そのため、ブラウン管 (CRT) モニターの映像増幅器には、実効フィードバック容量が非常に低いカスコードが設計上の選択となる。
- ^ Phillip A. Laplante (2005). Comprehensive Dictionary of Electrical Engineering (Second ed.). Boca Raton: CRC Press. pp. 97. ISBN 0-8493-3086-6
- ^ S. W. Amos; Roger S. Amos (2002). Newnes Dictionary of Electronics (Fourth ed.). Oxford: Newnes. pp. 46. ISBN 0-7506-4331-5
- ^ Hunt, Frederick Vinton; Hickman, Roger Wayne (1939). “On Electronic Voltage Stabilizers”. Review of Scientific Instruments 10 (1): 6. doi:10.1063/1.1751443 20 March 2016閲覧。.
- ^ "Cathode Ray", "The Cascode and its Advantages for Band III Reception", Wireless World, vol. 61, p. 397 (August 1955).