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カツオドリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
カツオドリ
カツオドリ Sula leucogaster
保全状況評価
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: カツオドリ目 Pelecaniformes
: カツオドリ科 Sulidae
: カツオドリ属 Sula
: カツオドリ S. leucogaster
学名
Sula leucogaster (Boddaert, 1783)
和名
カツオドリ
英名
Brown booby
Sula leucogaster

カツオドリ(鰹鳥、Sula leucogaster)は、カツオドリ目カツオドリ科カツオドリ属に分類される鳥類。英名のガネットで呼ばれることもある。

分布

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インド洋、南大西洋太平洋西部および中東部、カリブ海

日本では亜種カツオドリが仲御神島伊豆諸島硫黄列島小笠原諸島草垣群島尖閣諸島で繁殖する。鹿児島湾での観察記録もあり、2005年5月には兵庫県の瀬戸内海でも観察され、写真も撮影されている。

形態

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全長64-74センチメートル。翼開張130-150センチメートル。体重1キログラム。全身は黒い褐色の羽毛で被われる。腹部や尾羽基部下面(下尾筒)は白い羽毛で被われる。種小名leucogasterは「白い腹の」の意。翼の色彩も黒褐色だが、人間でいう手首(翼角)より内側の下中雨覆や下大雨覆は白い。

嘴や後肢の色彩は淡黄色。

オスは眼の周囲にある露出した皮膚が黄緑色。メスは眼の周囲にある露出した皮膚が黄色。幼鳥や若鳥は腹部や下尾筒に黒褐色の斑紋が入る。

分類

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4亜種に分かれるとされる。

  • Sula leucogaster (Boddaert, 1783)
  • Sula leucogaster plotus  カツオドリ - など

生態

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熱帯や亜熱帯の海洋に生息する。

食性は動物食で、魚類軟体動物を食べる。空中から水中の獲物を探し、獲物を発見すると急降下して潜水し捕らえる。

繁殖形態は卵生。集団繁殖地(コロニー)を形成し、コロニー内では頸部を左右に振って縄張りを主張する。海岸にある断崖や草原などに枯草や木の枝を組み合わせた皿状の巣を作り、1回に1-2個の卵を産む。雌雄交代で抱卵し、抱卵期間は約43日。雛は孵化してから85-105日で巣立つが、孵化した雛が数日で別の雛を殺すため親鳥は1羽しか育てないことが多い。

人間との関係

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カツオなどの大型魚類に追われて海面付近に上がってきた小魚を狙い集まることから、漁師からカツオなどの魚群を知らせる鳥とみなされたことが由来。しかし大型魚類に追われた小魚目当てに集まる(魚群を知らせる)のは本種やカツオドリ科の構成種に限らない。実は本種の和名も、元々は魚群を知らせる多くの鳥類に対し、漁民がつけた別称だった。そのため地方の方言によっては本種以外の鳥を指して「カツオドリ」と呼ぶ例があり、一例として小笠原方言ではオナガミズナギドリを「カツオドリ」の名で呼んでいる[1]

御蔵島ではかつてカツオドリの内臓を発酵させた肉醤が作られた。嘗物の他、明日葉汁物の味付けにも使われた[2]

日本では1972年八重山列島仲御神島にある繁殖地が、「仲の神島海鳥繁殖地」として国の天然記念物に指定されている。

関連項目

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出典

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  1. ^ ダニエル・ロング、橋本直幸『小笠原ことばしゃべる辞典』南方新社〈小笠原シリーズ〉、2005年5月1日、59頁。ISBN 4-86124-044-1 
  2. ^ 小泉武夫『発酵食品礼賛』株式会社文藝春秋、1999年11月20日。ISBN 4-16-660076-1  p.164-165。

参考文献

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  • 安部直哉 『山渓名前図鑑 野鳥の名前』、山と渓谷社2008年、101頁。
  • 桐原政志 『日本の鳥550 水辺の鳥』、文一総合出版、2000年、58頁。
  • 黒田長久監修 C.M.ペリンズ、A.L.A.ミドルトン編 『動物大百科7 鳥I』、平凡社1986年、66-69、178頁。
  • 高野伸二 『フィールドガイド 日本の野鳥 増補改訂版』、日本野鳥の会2007年、82-83頁。
  • 中村登流監修 『原色ワイド図鑑4 鳥』、学習研究社1984年、135、183頁。
  • 真木広造、大西敏一 『日本の野鳥590』、平凡社、2000年、46頁。
  • 『小学館の図鑑NEO 鳥』、小学館2002年、20頁。

外部リンク

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