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カバル・ラハリヤ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
カバル・ラハリヤ
種別週刊地方紙
判型ブランケット判
設立者カヴィタ・デヴィ
ミーラ・ジャタヴ
編集長カヴィタ・デヴィ
設立2002年5月30日
チトラクート、ウッタル・プラデーシュ州, インド
言語ヒンディー語系複数言語版(ブンデーリー語ボージュプリー語, アワディー語バッジカ語等)
英語
本社所在地チトラクート、ウッタル・プラデーシュ州
発行数6,000部、推定読者数2万人 (2012年)
ウェブサイトwww.khabarlahariya.org

カバル・ラハリヤ (日本語訳: ニュースの波[1]) はインドの新聞である。ブンデーリー語アワディー語バッジカ語など、ヒンディー語のさまざまな地方言語で出版されている。ニューデリーに拠点を持つ、ジェンダーと教育に重点を置く非政府組織 ニランターによって創刊された[2][3]。当初は女性専用の出版物と見られていたが[4]、現在は地元の政治ニュースや犯罪報道、社会問題、エンターテインメントなどを扱い、そのすべてをフェミニスト的視点から報道する[2]2012年9月時点で、全版を合わせた総印刷部数は約6,000部、推定読者数は20,000人とされる[2]。デジタル化されて以来、その影響力は大幅に拡大した。

流通と広がり

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カバル・ラハリヤは、カヴィタ・デヴィ英語版(CEO)とミーラ・ジャタヴ(編集長)が2002年に設立した[5]8ページの週刊地方紙である。創刊号は2002年5月、ウッタル・プラデーシュ州チトラクート県カルウィの町で、ヒンディー語の方言であるブンデーリー語で発行された。2012年には、ウッタル・プラデーシュ州マホーバー県、ラクナウ県、ヴァーラーナシー県からそれぞれブンデーリー語アワディー語ボージュプリー語の新聞を創刊した。ビハール州シタマリー県から発行されるバッジカ語版と、ウッタル・プラデーシュ州バーンダーから発行されるブンデーリー語版もある[4]。2012年9月時点で、ウッタル・プラデーシュ州ビハール州[6]の約600の村で販売され、全版を合わせた総印刷部数は約6,000部、推定読者数は2万人[2][7]

カバル・ラハリヤのウェブサイトは、2013年2月13日ムンバイで開設された[8]。ウェブサイトでは、印刷版とほぼ同様の内容を掲載するほか、優れた記事をキュレーションして再掲載している。発行地域の地域言語でコンテンツを入手できる唯一のウェブサイトでもある。ウェブサイトの記事の一部は英語でも読めるようになっている[9]

2016年から、ビデオチャンネルを立ち上げ、動画形式でニュースを報道するデジタルフォーマットに大きく転換した[10]

現在では、主にウッタル・プラデーシュ州を中心としたインドの地方部の記事を扱うデジタルメディアを運営している[11]。デジタル化の結果、リーチを大幅に拡大した[12]

カバル・ラハリヤは、読者コミュニティの支援により、2002年の地方紙から、2013年には独自のウェブサイトを開設し、2019年には独自の購読モデルであるSound, Fury and 4Gを立ち上げるまでに成長した[1]

特徴

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この新聞の知的活動は、地方部の40人の女性ジャーナリスト集団によって行われている。執筆、編集、制作、配布、販売のすべてを、被差別部族ダリットムスリムなど、不利な立場にあるコミュニティ・地方の女性たちが担っている[6]。女性記者が、新聞の編集、制作、配布、販売も行う。編集長のミーラ・ジャタヴは、2002年の創刊以来、カルウィで仕事をしている。地元のスキャンダルを暴くことを専門とし、主に地方の読者が関心を持つようなローカルニュースを掲載しているが、国内外に広く反響を呼んでいる。女性に対する暴力、ダリットに対する差別、違法採掘作業での死亡、ヒンドゥー民族主義の台頭などの報道がその例である[13]

受賞歴

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2004年、カバル・ラハリヤを発行する女性ジャーナリストグループは、Chameli Devi Jain Award for Women in Journalismを受賞した。

2009年には、ユネスコ世宗識字賞を受賞した[14]。これを受けて、新聞を拡大する計画が立てられた[2]

2012年には、ジェンダーを考慮した報道が評価され、Laadli Media Awardを受賞した。また同年、インドのニュース・チャンネル タイムズ・ナウより、Amazing Indian Awardを受賞した。

2013年、詩人カイフィ・アズミを記念するカイフィ・アズミ賞を受賞した。この賞は、全インド・カイフィ・アズミ・アカデミーが毎年彼の命日に授与しているものである[15]

2014年、カバル・ラハリヤのウェブサイトは、ドイツボンで開催されたベスト・オブ・ブログ年次会議において、ドイツのメディア・チャンネルドイチェ・ヴェレから、グローバル・メディア・フォーラム賞を受賞した[16][17]

2021年、カバル・ラハリヤ紙を題材にしたインドのドキュメンタリー映画『燃えあがる女性記者たち(原題:Writing with Fire)』が公開された。この映画は2021年サンダンス映画祭などで数々の国際的な賞を受賞したほか、第94回アカデミー賞では長編ドキュメンタリー賞にノミネートされた[18][19]

2021年6月、国際女性メディア財団より、「ニュース制作が長い間、男性、上位カースト、政治的につながりのある人たちばかりであったという現状を打破し、疑問を投げかけている」として、勇気賞を受賞した[20][21]

脚注

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  1. ^ Sen, Arijit (May 2016). “Digital Journalism Start-Ups in India”. Reuters Institute for the Study of Journalism. 6 August 2018時点のオリジナルよりアーカイブ2024年12月11日閲覧。
  2. ^ a b c d e “After UN award, rural Indian women's weekly has expansion plans”. Deccan Herald. http://www.deccanherald.com/content/17769/after-un-award-rural-indian.html 18 September 2012閲覧。 
  3. ^ Amin Iskandar (24 October 2017). “Out of Ops Lalang's weeds love blossomed”. The Malaysian Insight. 1 December 2017閲覧。
  4. ^ a b Sharma, Kalpana (23 March 2008). “And Now The Good News”. The Hindu. オリジナルの26 March 2008時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20080326224951/http://www.hindu.com/mag/2008/03/23/stories/2008032350070300.htm 17 September 2012閲覧。 
  5. ^ Poonam, Snigdha (30 March 2015). “Kidnap, rape and ‘honour’ killings: on the road with a female reporter in rural India” (英語). The Guardian. ISSN 0261-3077. https://www.theguardian.com/lifeandstyle/2015/mar/30/female-reporter-rural-india-khabar-lahariya-feminist-newspaper 
  6. ^ a b Wander, Andrew (8 September 2012). “Reading the Future”. Al Jazeera. http://www.aljazeera.com/focus/2009/09/20099882935561705.html 17 September 2012閲覧。 
  7. ^ How India’s first all-women newsroom is creating a media revolution”. BBC News (30 May 2022). 21 Apr 2023閲覧。
  8. ^ Mazumdar, Anurag (14 February 2013). “UP to Bihar: Why a group of rural women journalists went online”. First Post. http://www.firstpost.com/living/up-to-bihar-why-a-group-of-rural-women-journalists-went-online-624914.html 14 February 2013閲覧。 
  9. ^ Khabar Lahariya (खबर लहरिया)” (英語). Khabar Lahariya (खबर लहरिया). 2022年3月12日閲覧。
  10. ^ Doshi, Vidhi (10 August 2016). “India’s all-female paper goes digital to make gender taboos old news” (英語). The Guardian. ISSN 0261-3077. https://www.theguardian.com/global-development/2016/aug/10/india-all-female-newspaper-khabar-lahariya-gender-taboos-old-news 
  11. ^ From experiment to national phenomenon: The story of Khabar Lahariya” (英語). Asian Correspondent (2018年11月12日). 2019年7月18日閲覧。
  12. ^ Print-Digital, 20 years of Khabar Lahariya” (英語). Khabar Lahariya (खबर लहरिया) (2022年3月1日). 2022年3月12日閲覧。
  13. ^ Singh, Anita (2022年3月9日). “Storyville: Writing With Fire, review: the all-female newspaper speaking truth to power in India” (英語). The Telegraph. ISSN 0307-1235. https://www.telegraph.co.uk/tv/0/storyville-writing-fire-review-all-female-newspaper-speaking/ 2022年3月12日閲覧。 
  14. ^ “Newspaper by rural Indian women wins UN literacy award”. The Hindu. (4 August 2009). オリジナルの25 January 2013時点におけるアーカイブ。. https://archive.today/20130125105757/http://www.hindu.com/thehindu/holnus/001200908041021.htm 23 February 2012閲覧。 
  15. ^ “Kaifi Azmi's 11th death anniversary”. http://www.kaifiyat.in/kaifi-azmis-11th-death-anniversary 
  16. ^ Waves of news sweep the Indian countryside”. DW.com (30 June 2014). 2024年12月11日閲覧。
  17. ^ Khabar Lahariya - a weekly paper run by women journalists wins German Award”. The News Minute (2014年7月10日). 2024年12月11日閲覧。
  18. ^ Khabar Lahariya: Tale Of India's Only All-Women Newsroom in 2022 Oscars Race”. TheQuint (25 December 2021). 2021年12月26日閲覧。
  19. ^ “‘Pebbles’ out of Oscars 2022 race, ‘Writing With Fire’ advances to next level”. The Hindu. (22 December 2021). ISSN 0971-751X. https://www.thehindu.com/entertainment/movies/pebbles-out-of-oscars-2022-race-writing-with-fire-advances-to-next-level/article38010118.ece 2021年12月26日閲覧。 
  20. ^ The IWMF Announces 2021 Courage in Journalism Award Winners - IWMF”. www.iwmf.org. 2021年12月27日閲覧。
  21. ^ Pathak, Sushmita (26 November 2021). “India's all-female news outlet faces sexism, death threats. A new film tells the story”. NPR. https://www.npr.org/sections/goatsandsoda/2021/04/04/980097004/indias-lowest-caste-has-its-own-news-outlet-and-shes-in-charge 2021年12月27日閲覧。 

外部リンク

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