ブンデーリー語
ブンデーリー語 ブンデールカンド語 ブンデーラー語 | |
---|---|
बुन्देली | |
「ブンデリ」とデーヴァナーガリー文字で記述 | |
話される国 | インド |
創案時期 | 2011 |
地域 | ブンデルカンド |
話者数 | 万人(2001年) |
言語系統 | |
表記体系 | デーヴァナーガリー |
公的地位 | |
公用語 | — |
統制機関 | 統制なし |
言語コード | |
ISO 639-3 |
[[ISO639-3:bns|bns]] |
Glottolog |
[1] bund1253[1] [2] |
[注釈 1] |
ブンデーリー語(ブンデーリーご、ブンデーリー語: बुन्देली、英: Bundeli language)は西ヒンディー語に属する言語である。ブンデールカンド語、ブンデーラー語とも呼ばれる。マディヤ・プラデーシュ州およびウッタル・プラデーシュ州南部のブンデルカンド地方で話されている。ブンデーリーはブンデルカンド(ブンデーラーの土地という意味)にいた部族ブンデーラー由来である。
分類
[編集]インド言語調査を率いたジョージ・エイブラハム・グリアソンはブンデーリー語をシャウラセーニー語やアパブランシャ語を祖とするとして西ヒンディー語に分類した[3]。この言語はブラジュ・バーシャー語とも密接に関連し、19世紀までインド中北部で最も重要な文語であった。
インド・アーリア言語にしばしば見られるように、ブンデーリー語も言語ではなく方言と見なされ、国勢調査ではヒンディー語と同様にブンデーリー語話者は標準ヒンディー語の話者として分類される。
グリアソンによる分類では、4つの方言にまとめた[4]。
- 標準ブンデーリー語
- 北東ブンデーリー語(東ヒンディー語のバゲーリー語と密接に関連)
- 北西ブンデーリー語(西ヒンディー語のブラジュ・バーシャー語と密接に関連)
- 南ブンデーリー語
言語名別称
[編集]ブンデルガンド語、ブンデールカンド語 | |
ブンデラ語、ブンデラー語、ブンデーラー語 | |
ブンデリー語、ブンデリー | Bundēlī |
ボンディリ | Bondili |
西ヒンディー語、西ヒンディ語 | Western Hindi、Western Hindī |
ブデルカンディー、ブデルカンディ | Budelkhandi、Budēlkhaṇḍī |
ブンデルカンディ、ブンデル・カンディ | Bundelkhandi、Bundel Khandi |
方言
[編集]分布
[編集]ブンデーリー語の話者が分布するブンデルカンド地方は、ウッタル・プラデーシュ州とマディヤ・プラデーシュ州で構成する。さらに細かく見ると、話者が暮らす地域はバンダ、ハミルプル、ジャラウン(英語版)、ジャンシー(英語版)、ラリトプル(英語版)、チトラクート、マホバ(英語版)、ダティア(英語版)、チャタルプル(英語版)、パンナ(英語版)、ティカムガル(英語版)、サーガル(英語版)、ダモー(英語版)、ニワリ(英語版)である。
名称 | 地方 | 言語コード |
---|---|---|
標準ブラジ | ブランドシャール地方 | bns-bul |
ブラジ | マトゥラ | bns-mat |
ブンデリ | チンドワラ | bns-chh |
ティルハリ | bns-tir | |
ラゴバンシ | bns-rag | |
ロダンティ | bns-lod | |
カトラ | bns-kha | |
ニバッタ | bns-nib | |
パワリ | bns-paw | |
バダウリ | bns-bha[注釈 2] | |
西部アーグラ | bns-wes | |
標準ブンデリ | bns-sta | |
アリーガル | bns-ali | |
バナファリ | bns-ban | |
キラリ | bns-kir | |
ナグプリ ヒンディー語 | bns-nag | |
ガオリ | bns-gao | |
チャタプル | bns-cht | |
南部モレナ | bns-mor | |
バーラトプル南部 | bns-bhr | |
クンドリ | bns-kun | |
標準ブラジ | アーグラ東部 | bns-eas |
音声L1言語:ブンデーリー語 |
歴史
[編集]ブンデルカンディ文学の早い時期の例に、12世紀の英雄たちを述べたアルハ=カンドの叙事詩があり、その一節は現在もバナファリ地方の吟遊詩人が語り継いでいる。ブンデーリー語圏の為政者が保護した文学作品は皇帝アクバル(在位1556年 - 1605年)の治世に遡り、ケサブ・ダスは16世紀の著名な詩人である。19世紀に入るとパンナのチャトラサルの宮廷でパドマカール・バット(Padmakar Bhatt)とプラジネス(Prajnes)が数編の作品を残した。宮廷詩人プランナート(Prannath)とラル・カビが作ったブンデーリー語の作品が多く伝世する[7]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b “Bundeli” (英語). glottolog.org. Glottolog 4.8. 2024年3月11日閲覧。
- ^ Hammarström, Harald; Forkel, Robert; Haspelmath, Martin et al., eds (2016). [1] “Bundeli”. Glottolog 2.7. Jena: Max Planck Institute for the Science of Human History
- ^ 9|–1, Survey of India.
- ^ 9, Linguistic Survey of India.
- ^ Masica, Colin P. (1993) (英語). Schemes of NAI subclassification [NAI 細分類のスキーム]. Cambridge Lamguage Surveys. Cambridge University Press. pp. 446–463 2024年3月11日閲覧。
- ^ Kogan, Anton I. (2017). “Genealogical classification of New Indo-Aryan languages and lexicostatistics [インド・アーリア言語系譜の新分類と辞書統計”] (英語). Voprosy Jazykoznaniya 14 (3): 227–258 .
- ^ “part-1”. LSI. 9. DSAL. p. 89 2024年3月11日閲覧。
参考文献
[編集]- Boehm, Ed (2015). A Sociolinguistic Profile of Bundeli. SIL International
関連資料
[編集]脚注に使っていない資料。発行年順。
- Āśā Gupta. आल्ह खण्ड : 19वीं शती : प्रकाशनों में कथा वैविध्य Ālha khaṇḍa : 19vīṃ śatī : prakāśanoṃ meṃ kathā vaividhya, 1. संस्करण, वाणी प्रकाशन, 1999. 書誌情報の仮訳、アシャー・グプタ 著『アルハ・カンド:19世紀:出版物におけるさまざまな物語、1』初版(バニ出版、1999年)ISBN 8170556805、CRID 1130000794287047168。
- 『音声の研究』第12集、日本音声学会、1966年、doi:10.11501/2474180。
- 土井久弥「ヒンディー語に対するウルドウ語音の影響」510頁
- 「現代ヒンディ語の子音組織 Gupta」525頁
- 南アジア言語文化研究会、東京外国語大学インド・パーキスターン語研究室、東京外国語大学南・西アジア課程研究室(ウルドゥー語・ヒンディー語専攻)『南アジア言語文化』南アジア言語文化研究会 : 東京外国語大学インド・パーキスターン語研究室、1987年、CRID 1130000793593382656。
- 改版『南アジア言語文化』2006年、CRID 1130282270559250176。
- 三上喜貴『文字符号の歴史 アジア編』共立出版、2002年。ISBN 4-320-12040-X。
- 西岡美樹『ヒンディー語読本』東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所、2005年。平成17(2005)年度言語研修ヒンディー語研修テキスト、ISBN 487297915X。CRID 1130000796306816640。
- 西岡美樹『現代ヒンディー語文法概説 初級~初中級編』東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所、2017年、CRID 1020000781841236480。
- 洋書
- Swarnkar, S. (2023). Contextualizing the Separate Statehood for the Bundelkhand Region. In Indigenous Societies in the Post-colonial World: Responses and Resilience Through Global Perspectives (pp. 97-124). Singapore: Springer Nature Singapore. ブンデルカンド地域と独立国家の文脈を理解する
- AHMAD, AMIR. The Political Force in the Socio-Cultural Upheaval of the Bundela Rajputs in Medieval India. - scientificresearchjournal.com 中世インドにおけるブンデラ・ラージプートの勃興
- Pansari, R. (2023). Study on Opportunites & Challenges of Employment in Tourism Sector with Special Reference of Khajuraho (MP). Journal of Research Administration, 5(2), 8337-8349. 旅行業界の就業機会とカジュラホの制約条件
- Sinha, Annapurna. Community Newspapers in India: Manifestations and Metamorphosis. Taylor & Francis, 2023. インドの地方紙
- チャトラサル宮廷文学
- Chatrasāla (2023). Bahādura Siṃha Parāmār. ed (ヒンディー語). Chatrasāla racanā sañcayana [Selected poems of Chatrasāla, Raja of Bundelkhand, approximately 1649-approximately 1735]. ニューデリー: Saṃskaraṇa prathama Grantha Akādamī,. OCLC 1419788537
- Aitihāsika Upanyāsoṃ kā Anuśīlana; Bundelakhaṇḍa ke Viśeśa Sandarbha Meṃ (Seminar) (2015). Krānti Kumāra Caturvedī; Balavīra Siṃha Gurjara. eds (ヒンディー語). ニューデリー: Government Chhatrasal P.G. College Panna.
- チャトラサルにある大学主催の歴史小説に関する研究セミナーの論文集。ブンデーリー語圏とヒンディー語圏の作家をまとめた。会場=チャトラサル公立P・G・大学パンナ校。会期=2014年3月8日~9日。チャトラサル公立P・G・大学パンナ校舎。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- Ethnologue report for language code bns - エスノローグ
- 言語・辞書 : 南アジア 国立国会図書館 アジア関係リンク集
言語コード bns の解説