キャプタン
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キャプタン Captan | |
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3a,4,7,7a-テトラヒドロ-2-[(トリクロロメチル)チオ]- 1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオン | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 133-06-2 |
KEGG | C14438 |
特性 | |
化学式 | C9H8Cl3NO2S |
モル質量 | 300.6 |
外観 | 白色の結晶 |
融点 |
178 ((分解)) |
水への溶解度 | 0.005%以下 |
出典 | |
国際化学物質安全性カード | |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
キャプタン(英Captan)は、化学式C9H8Cl3NO2Sで表される有機化合物。
用途
[編集]N-ハロアルキルチオ系殺菌剤として野菜種子の消毒、キュウリのべと病対策、トマトや観賞用植物の病害防除、薫煙剤としてハウス栽培のトマトやイチゴの灰色かび病防除などに使用される。商品名には「オーソサイド」や、複合剤として「オキシラン」「キャプレート」「スミメート」等がある[1]。このほかプラスチック製品などの防カビ剤としても用いられる。細菌等に対する最小発育阻止濃度(MIC)はクロコウジカビや黄色ブドウ球菌で30ppmである。農業用途では野菜のべと病や炭疽病、リンゴの黒点病や斑点落葉病などの防除に効果がある。熱に対しての安定性があるが、TBZやカルベンダジンなどのベンゾイミダゾール系化合物に比べ効果の持続性は劣る。
安全性
[編集]一日摂取許容量(ADI)は0.125mg/kg/day。半数致死量(LD50)はラットへの経口投与で3,677mg/kg、ラットへの皮下投与で5,000mg/kg以上[2]。発癌のおそれがある[2]。魚毒性はやや強くTLmがコイで0.25ppmで毒性区分はB類となっている[3]。加熱により分解し、塩化水素や窒素酸化物、硫黄酸化物、ホスゲンを含む有毒ガスを生じる。有機溶剤を含む製剤は可燃性であり、火気に対する注意を要する。代謝生成物としてフォルペットが生じる。
脚注・参考文献
[編集]- ^ 植村振作・河村宏・辻万千子・冨田重行・前田静夫著『農薬毒性の事典 改訂版』三省堂、2002年。ISBN 978-4385356044。
- ^ a b 安全衛生情報センター
- ^ 慶野金市「殺菌剤」『新版 林業百科事典』第2版第5刷 p293 日本林業技術協会 1984年(昭和59年)発行
- 『抗菌剤の化学 Part2』西野敦編著 冨岡敏一・荒川正澄著 1997年 工業調査会刊 ISBN 476937058X
関連項目
[編集]- カプタホール - 類似構造の殺菌剤、現在は多くの国で使用禁止